ゲソタッコンパニック2
本日3話目ちょっと早い
「あの群れか・・・」
空一面を覆いつくすかのような、こちらに向かってきているゲソタッコンの群れを見てつぶやいた。
「空飛んでいるようですから、降りてこずにそのままいればいいんですけど・・・」
「・・・やつらは生き物を喰らいつくす」
つまり、このまま上空にいてくれるわけではなく、到達したら人々を巻き込み始めるのか・・・。
わー、きゃー、とあっちこっちでパニックが起きる。
「どうにもね ならぬことなの ゲソタッコン」
「字余っていますよ」
ちょっと一句読んでみたけど、状況がどうこうなるわけじゃないし・・。
「こういう時って避難したくても、もう時間がないよね・・」
群れはすぐそこにまで来ている。避難しようにも、間に合わない。
「ドラゴンとかが来て焼き払ってくれればいいのですけど、そう簡単には・・・」
「・・・・・ぎゃ・・・・・・・」
「ん?」
今なんか聞こえなかった?
「今何か変な声が・・・」
「確かに・・・幻聴ですかね・」
「・・・この世の終わり?」
「オワリ?」
ドラゴンが現れて焼き払ってくれればなーとでも思うハクロの言葉から、幻聴が聞こえるのだろうか?
「グギャオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!」
「ほら、物凄い幻聴・・・・じゃないよね!?」
空に響き渡る物凄い叫び声。
皆がなんだなんだと思ってみると・・・・。
「はあっ!?」
正真正銘本物のドラゴンが飛んでました。
全身が燃えるかのように赤く、向こう側のタッコンの群れの赤さよりも赤い。まるで炎のようである。
「さ、サラマンダー?」
「サラマンダーが空飛ぶか!!あれは本物のドラゴンだ!」
あちこちでドラゴンだと叫ぶ。
「グギャァァァァァオォォォォォォォォォッ!!」
そのまま、そのドラゴンが息を吸ったかと思うと、物凄い炎を吐き出した。
その炎はまっすぐすすみ、あっという間にゲソタッコンの群れを焼き尽くした。
「す、すごい・・・・」
「匂いもすごいですよ・・・」
「・・・上手に焼けた感じ」
「ウマソー」
程よく焼けたらしく、風に乗っておいしそうな臭いがした。
「って、なんでドラゴンが・・・・」
物凄く都合よく表れたような・・・・
よく見ると、焼かれて落下しているゲソタッコンを空中で飛びながら食べていた。
「もしかして、単にお腹が空いていて、偶々あの群れを見つけたから食べに来ただけ?」
「もしかしてではなく、そのようですよね・・・」
「・・・ものすごいラッキー」
「ウミュ」
どうやら、偶然の産物のようである。
そのままドラゴンは何処かへ去っていき、ひとまずはゲソタッコン騒動は収まったのであった。
・・・・なお、後で調べたところ、あのドラゴンは「火山竜」らしく、ああしてゲソタッコンの群れとかが出た際には食事目的でああいう行動をとっているのだとか。今回は運がよかったようであった。
やっぱりシリアスとかは似合わないわー
この話、のんびりしていたほうがいいなー