表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/225

ラビッター

のんびりと依頼を受けていく

 冒険者になって2ヶ月ほど、僕らはだいぶ慣れてきた。


 ギルドでもだいぶ顔なじみになってきたし、そこそこ稼げるようになってきたから宿の部屋も少し大きい部屋に泊まれるようになった。


 ランクはちょっとUPしてEからDへ。


 おかげで、依頼も少し上のを受けられるようになった。


「2ヶ月でDになるのは早い方らしいけど」

「まあ、依頼の成功数が多いからではないですかね?」


 依頼のほとんどは成功している。たまに失敗をやらかすことがあるけどね。


 まあ、そんな地道な努力のおかげでランクUpしたのはいいことだろう。



 とりあえず、今日も何か依頼がないかなと探すことにした。


「『ポーション材料としてのヒールスライム4体分の体液採取』・・・『火薬草4本採取』・・」

「『魚なんでもいいので100匹』・・・『キングゴブリンの討伐』・・・・」

「・・・『代理喧嘩』・・・『試食(激マズの恐れあり)』」


 相変わらず変な依頼も混じっている。というか、激マズなら食べないほうが良いのでは?


「コレハー?」


 と、ロウがうにょーんと腕を伸ばして指さした。


「『畑の害獣「ラビッター」の駆除』か」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ラビッター」

ラビッターというウサギのような姿をしたモンスター。普通のウサギとは違い、前歯が異常に発達していてなんでもかじり取ってしまう。その前歯でかじり切れぬものなどないと言った勢いで継ぐ次と作物を荒らし、更にはその進化種の「ラビッターZ」は目から光線を発射して襲ってくる。ウサギのような姿をしてはいるが、体毛はどす黒く、眼は黄色。一応食用可能なモンスターだが、毒も含んでおり食するときは注意してその部分を切り離す必要がある。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「これにするか。ラビッターなら昔結構倒したもんね」

「そうですよね・・・あの森でいったい何体狩ったんでしょうか」


 昔、ビックボアーの森で何体ものラビッターを罠で捕まえまくった記憶を思い出した。


 意外に煮込み料理がおいしいんだよね。



 というわけで、この依頼を受けることにした。


 駆除というよりは、捕獲かな?駆逐する勢いで捕まえたほうが良いかもね。










 その依頼の場所に行くと、結構大きな畑であった。


「ここに、ラビッターが出るんですね」

「ああ、確かに出るんだべさ」


 畑の持ち主にまずは話を聞く。どのくらいの数が出るかわからないといけない。


「・・・我が君、南西300メートルに群れを確認。数は26匹で、リーダ格と思われる『ラビッタ―Z』も確認しました」


 ヤタに周囲を飛行してもらって、何処にいるのかも調べる。


「ハクロ、罠の用意はいいかな?」

「ばっちりです!!」


 ハクロがぐっと親指をたてた。


 畑の周囲に、見えないように罠を仕掛けまくったのである。


「捕まえたら、ロウも2,3体ならはつまみ食いしていいからね」

「ヤッター!!」


 ぴょんぴょん跳ねるロウ。基本スライムなので、なんでも食べられる。だけど、やっぱりおいしいものが食べたいようであった。


 というか、見た目少女だけど、スライムだからか跳躍力がすごいな・・・・・。


 一応、スカートからズボンへとはきかえさせているので周囲の目線も心配なしである。


 ザストだと、幼女趣味(ロリコン)の人たちがまとわりつきかけているからね・・・。こういう対策でもしておかないと心配だよ。なんか、娘とかの心配をする父親の気持ちがわかるような気がする。


 ちなみに、ハクロやヤタにも言い寄ってくる人がいるけど、彼女たちはばっさり切り捨てている。


 しつこくすると、吹っ飛ばして(物理的に)追い払っているけど・・・・。まあ、ギルド内の女性の方々が「よくやった」みたいなガッツポーズとかしているから別に問題はないようである。



 少々その場から離れまして、時間をつぶす。


 近くに人がいるとばれる可能性があるからね。


 その待ち時間の間に、お昼寝を楽しむ。


 ちょうどいい木が近くにあったからね。


 ロウは寝そべって、ハクロは木に寄りかかり、ヤタは枝にとまる。


 すやすやと僕らは昼寝をした・・・・。





 それから、時間がたって目が覚めたときにはすでに日が傾き始めていた。


 罠の様子を見ると・・・・。


「よし!!」

「大量ですよ!!」

「・・・全部いる」

「ジュル」


 全部の罠に、ヤタがあらかじめ偵察した頭数分全部がかかっていた。芋づる式に次々とかかったようである。


 ロウがよだれのようなものを垂らしていたので、2,3体ほど上げるとロウが素早く呑み込んだ。スライムの場合、飲み込んだ獲物は体内で溶けていくのだが、ロウの服の中でその様子があるようで、一応こっちから見ることはない。


 というか、溶けていく様子は凝視したくないよね・・・・・。



 ギルドに戻り、達成法主を受け取って、ついでに宿にラビッタ―を提供してその日の晩飯にしたのであった。


 

そろそろまた騒動みたいなものとか起こそうかな?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ