スライム?
鳴き声とかもリニューアルバージョン。前作から連れてきた子だけど、一番変化が大きいのはこの子かもしれない。
スライムが人の姿になったのを見て、僕は驚いた。
いや、少女の姿だけどさ、人の姿をとるスライムって聞いたことがないんですけど・・・・。
既視感的なものはあるけど、誰かの姿をまねているとか?
「・・・ウミュ?」
スライムの鳴き声って確か「ぴきーっ」とか「プルルーン」とかだよね?
こんな鳴き声するっけ?
「えっと・・敵対する意思はないのかな?」
「ナイノカナ?」
あれ、もしかしてこの子って・・・・。
「真似しているのか?」
「マネシテイルノカ?」
・・・・冒険者用学校のヤマちゃんかよ!!あのインコもよくまねしていたけど、このスライムの子も同じかよ!!
「むにゃぁ・・・・ライ様、そろそろ帰宅ですかね・・・」
「・・・つい昼寝を・・・」
と、ここでハクロたちが起きた。そして、目の前にいるスライムの少女を見て二人とも目を丸くした。
「え?スライムですか?」
「・・・人の姿をとっている・・・・?」
どうやら、二人にもわからないようなものらしい。
「冒険者用学校で習ったスライムの種類にこんなのいたっけ・・・?」
「いませんでしたよね・・・・」
「・・・スライムの種類と性質は数知れない。だけど、人の姿をとるのは聞いたこともない・・・」
「キイタコトモナイ?」
ヤタの言ったことを今度はまねた。
声はずっとこのスライム独特の声だけど、絶対こっちの言っていることをまねしているよね・・・?
「あのスライムってもしかして希少種関係のモンスター?」
「上位種とか、進化種って感じでもないようですし・・・」
「・・・現状不明」
「ゲンジョーフメイ?」
ヤタのいう事をまねしているってことは、こっちの方が言いやすいとか?
「取りあえず、こっちを襲うような気配もないし・・・どうしようか?」
うーむ、と全員で考えこむ。
というか、もうだいぶ日が暮れてきているんですが・・・。
「従魔にできる・・・って可能性はありませんかね?」
と、ハクロが思いついたように言った。
従魔にか・・・?
まずは向き合ってみる。
いや、どういえばいいんだろ?この子さっきから声真似しているしな・・・
「・・・・ウミュー?」
こちらが話さなかったらなんか鳴き声挙げるし・・・。可愛い感じだけど。
「・・・・僕の従魔になるかな?」
「ジューマ?」
あれ?これは真似しないのか・・・・。ということは・・・。
「なるんじゃないでしょうかね?」
「・・・・私たちの時と同じ感じですよ」
ハクロとヤタの後ろからの視線がちょっと怖い。
「ジューマ・・・・ジューマ・・・ナルヨ?」
あ、まともに話せた?
何はともあれ、従魔にできるみたいだけど・・・・。
「だったら・・・名前は『ロウ』でいいかな?」
なんとなく、「スラ太郎」とか思いついたけど、女の子のようだし・・・いや、スライムに性別ってあるのかな?
「『ロウ』・・・・・ウミュ」
うなずいたようで、その後すぐに毎度おなじみの魔法陣のようなものが浮かんで、従魔契約が完了したようであった。
「えっと、これからよろしくねロウ?」
「ヨロシク?・・・ヨロシクー!!」
と、ロウが勢いよく抱き着いてきた。
半ば突進に近い感じで、それなりに質量があるから腹にちょっと来た・・・・ぐふぅ・・・。
前作:スラ太郎
今作:ロウ
・・・・名前的にも、こっちのほうがいいよね?




