なんかに出会いました
前作からの子ですけど、順番は前作と違うな
「モチモチモチモチスライムどこだーい」
現在、僕らはスライムの森にてモチモチモチモチスライムを探していた。
森の中に入って4時間ほど、いまだに発見には至らないのである。
「アイススライム、ファイヤスライム、サンダースライム・・・・」
「・・・スライム多い」
話には聞いていたけど、確かにスライムの宝庫だよねこの森。
恐ろしい数のスライムがいるし、体がカチカチの硬い奴から、液体状にまで溶けたものまでさまざまなものがいる。
一応スライムがまとわりついてきたけど、ハクロの糸製のこの服はやっぱり溶けなかった。
ハクロが「どうですか!!」とかいう顔をしていたけど、内心物凄くハラハラしていそうだな。
何はともあれ、スライムには物凄く遭遇するんだけど、肝心の目的のモチモチモチモチスライムはいまだに遭遇できていないのであった。
「モチスライムはまだ見つけたけど・・・」
「それの上の上のスライムですからね。遭遇率が低いですよ」
「・・・飽きてきた」
太陽がてっぺんらへんにきているし、そろそろお昼かな?
「一旦昼食をとるか」
「そうしましょう」
「・・・腹減った」
地面で食べていると、スライムたちが横取りしに来そうなので、ハクロの糸で木の上に登って、そこら辺の小枝などを集めてヤタに簡易的な巣を作ってもらった。
ここで食べればまだ安心かな?
昼食は、途中で捕まえたスライムたち(食用可能な種類)である。
「食用可能なスライムって、なんかゼリーみたいだね」
「ゼリースライムから派生した種類ですよ」
「・・・ちゃんと洗ってから食べる」
森の小川で水を汲んで、それでごしごし洗うと、プルルンとした感じになった。
「核の部分は砕いて、動けなくして・・・」
「適当な容器に入れて飲めばいいんでしたよね?」
「・・・冷やして固めるのもいい」
冒険者用学校、いざとなったら使える知識「スライム食用」方法。
こういう形で使うらしい。栄養はそのスライムの種類にもよるし、紫色のスライムはNG。
毒物を持っているタイプが多いらしい。完全無色透明まじりっけなしのスライムは確か絶品とも言われる「フカひれスライム」か、確実に死ねる超猛毒「キングポイズンスライム」のどちらかであるって話もあったな。
まあ、スライムって食用にも、毒物にも、従魔にも、ペットにも、建築材料にもと言った具合に幅広い用途があるようだしね・・・。
モンスターで一番種類が豊富ってことは、用途も豊富ってことなんだな・・・。
と、僕らはむしゃむしゃスライムを食べながらそう思ったのであった。意外にうまいねコレ。
「げぷ」
「歯ごたえありましたね」
「・・・お菓子感覚」
とりあえず、なんか眠くなってきたな・・・。
「なんかぽかぽかしてきて温かいな・・・」
「晴れていますからね・・」
「・・・簡易巣の保温効果」
木の上だし、そう簡単にはスライムは来ないだろうな・・・。
「ちょっと昼寝する?」
「そうしましょうか・・・ライ様、寄りかかっていいですよ」
「・・・私の方が羽毛100%」
お言葉に甘えて、ハクロに寄りかかり、ヤタの翼をかけてもらって、僕らは昼寝し始めるのであった・・・。
「・・・ふぁわぁぁぁっ」
起きると、日がだいぶ傾いてきていた。
どうやらかなり寝てしまったようである。
「すやぁぁぁぁ・・・」
「すぅっ・・・」
ハクロとヤタはまだ寝ているようである。
「そろそろ宿に戻ったほうがいいかな?モチモチモチモチスライムを捕獲する作戦を練ってからこの森に戻ってくれば・・・」
二人をゆすって起こそうとした時であった。
「起きろ、二人とも」
「オキロー?」
「ん?」
なんかいま声が聞こえたんですけど。
後ろの方を振り向くと・・・。
「ン?」
「ん?」
首をかしげて、こちらを見ている何かと目があいました。
「す、スライム?」
ドローンと平べったくなっているようだけど、眼が確実にあった。
大抵のスライムには目のように見えるところはないはずだけど・・・・って、それよりもこの木の上の簡易巣になんでいるの!?
一体いつの間に上ってきたんだよ!!
「ウミューッ」
と、何やら変わった感じの鳴き声を上げたかと思うと、そのスライムの形が変わり始めて・・・・。
「・・・・ヤ!」
片手をあげて、まるで気軽に返事をしているようなその姿は・・・・。
「ひ、人の姿になった・・・・・!?」
まるで、人間の少女のような姿になったスライムであった・・・・。
前作、「適当に生きたいただの魔物使い(重要)ですがなにか?」からより、スラ太郎さんを今回はお呼びいたしました。
ですが、名前は今度は変更しないとね・・・・・。