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スライムの森

タイトル的に・・・

「今日の依頼は何があるかな?」


 ギルドの依頼掲示板にて、僕らは今日も依頼を探していた。


「採取系のも多いですけど、たまには変わったものを受けてみたいですよね」

「・・・指導系とか?」


 まあ、確かにハクロたちの言う通り、討伐、採取ばっかりだと面白みがないよね・・・。



 今のランクで受けられてかつ、面白みがありそうなのは・・・・。


「これかな?『モチモチモチモチスライム3匹の捕獲』。言いにくいけど」

「モチモチモチモチモっち・・・・舌かみまひた・・」

「・・・モチモッ・・・・いたひ」



 ハクロとヤタが舌を噛んで抑える。


 ヤタ、その段階で舌噛むってどうなの?


 確かに結構言いにくい感じの名前だけど・・・・なんだこのスライム?



「『モチモチモチモチスライム』ですか?ザスト南西の森にある『スライムの森』にいるスライムですよ」


 受付の人に聞くと、そう返事が返ってきた。おお、さすがプロ!舌噛まないで言い切った!!


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「モチモチモチモチスライム」

モチスライムが進化したモチモチスライムの上位種のモチモチモチスライムが進化したスライム。早口言葉のようになっているが、わざとではない。その名前ぐらい本当にモチモチモチモチしており、焼いて捕食することが可能なスライムである。のどに詰まらせる可能性はなく、お年寄りにも優しい。他のスライムが衣服を溶かすような系統が多いが、モチモチモチモチスライムはしつこくまとわりついてくるだけである。その粘り気のすごさゆえに、服が破れたり、防具や武器を取られたりする。対処法としては、水をぶっかけることによって粘り気が無くなってツルンとした状態になるのでそうしたほうが良い。ただ、その場合つるつるしすぎて手づかみしにくくなるのであらかじめ何か入れ物を持っていくのがよい。



「スライムの森」

辺境都市ザストの南西にある森。なぜかスライム系統のモンスターが多く、ランクが低い冒険者たちの修練の場所としてにぎわっている。いくらスライムを討伐しまくっても、なぜか湧き出るようにスライムが減ることがない。その代わり、都市にまで押し寄せるようなこともなく、特に問題はないとされている。ただし、衣服を溶かすような系統が多いので、女性冒険者たちには不人気な場所である。噂では、全身が黄金、オリハルコン、アダマンダイト、プラチナ、などの超高級貴重貴金属で出来たスライムたちもいるとされている。


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「そういう森もあるんだな」

「特色あるモンスターの名前で森の名前が決まりますからね」

「・・・服を溶かすね」


 今僕らが来ている服はハクロの糸製のだけど・・・・。


「ハクロ、この服は溶けないよね?」


 ふと不安になる。森の中で真っ裸とかにされたらさすがに恥ずかしいんですけど。


「多分大丈夫だと思いますよ?アラクネの蜘蛛の糸の頑丈さがありますからね」

「・・・そもそも、当たらなければどうっていう事もない」


 そうかな?



 とにもかくにも、僕らはこの「モチモチモチモチスライム」の捕獲のために、スライムの森へ向かった。


 なお、捕獲用の容器は受付した時に配布されたものを使用することに。









 スライムの森の入り口前に来たけど・・・。


「入る前からスライムがいるね」

「多いですよね・・・」

「・・・スライムの種類はモンスターの中で一番多いとされている」


 そうらしい。同じようなモンスターでも「○○ゴブリン」とかそういう物はあるのだが、スライムの種類が全世界のモンスターの中で一番多いという。


 理由としては、モンスターの中でも弱い方にあたるスライムたちだが、ありとあらゆる環境に適応していくうちにそうなったのだとか。


 南の方限定とか、寒い地域限定とかたくさんいるらしい。モンスターとしての種類の多さは全モンスターの中で1番!!



 今、森の入り口にいるのは完全に普通のスライムのようだけどね。


「スライムの倒し方って・・」

「体内の核を一撃でしたね」

「・・・魔法が最も効率がいい」


 スライム系統のモンスターの討伐の仕方はそれなのである。


 剣や斧でも、その核をべしっと砕くことができれば簡単に討伐できるようなのである。


 魔法で雷系統とかが一番効率がいいらしいけどね。


「まあ、僕らは攻撃系の魔法が使えないから地道に倒していくか」

「あ、いい方法思いつきました」


 と、ハクロが何やら思いついたようである。


「この適当な石を糸で縛り上げまして・・・」


 道端の石を巻き付けて、ひゅんひゅんと振り回す。


「えい!」


 そのまま勢いを付けた石をスライムたちに当てていく。


ちゃぷん ちゃぷん ゴチ!


 何匹かは素通りしたけど、どうやら一体の核の部分にあたったようである。


 そのままスライムがその場で溶けた。


「・・・なるほど、其の手があったのか」

「ええ、要は核を攻撃すればいいので」



 ハクロに同じようなものをつくってもらい、やってみると結構楽しい。


 振り回すときにほかの人に当てないようにすれば結構いいかな?



 何はともあれ、モチモチモチモチスライムを捕獲するために僕らはスライムの森の中に入っていくのであった。






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 ・・・・森の奥深く、そこにあった洞窟にとあるスライムがいた。


 そこで寝ていると、ふと何かを感じて目が覚める。


 待ちわびていたような、そんな感覚だ。


 スライムの中でも特に変わっていた(、、、、、、、、)そのモンスターはその感覚が命じるままにそこへ進む。


 その途中で、体の形も変えていく。


 まるで昔とっていた姿をとるかのように・・・・。


 懐かしいような、そんな思いでそのスライムは進んでいった・・・・。


 


 

スライムが一番数多い。

なぜなら、一番体の構造が単純ゆえに、多彩なものになれるからである。

ありとあらゆる環境に適応し、その姿、性質、硬度、柔度、水分量などなど変化させていくのである。

モンスターの中では最弱とも言われているが、それでも強者のスライムもいるのだ。

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