表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
221/225

面倒ごと到来まであと・・・

SIDEライ


 ロズ王女・・・・ロズがライの家に来て数日、すっかりこの家になじんだようである。


「それじゃあ、今日もギルドで依頼を探してくるね」

「はい、旦那様」


 なんかもうその呼び方になれた自分が怖い・・・・・けど、どことなく悪くないと思えるのはなぜだろうか。



 ライたちはギルドの方へ向かうが、王女の護衛も兼ねて自宅にはルミナス、リーゼ、ツバキ、ミアン、エリー、紅桜たちを置いていく。


 ぶっちゃけこのメンバーだけでもかなりの戦力だし、ロズは戦闘力はないからね。王女だし戦った経験もないので、守りは必要なのだ。


・・・お客さんが来た時の対応も、彼女達なら安心して任せられるからね。


「今日はマッサージ屋の仕事もあるんやけどね」

「仕事がありますノデ」


 スルトとワゼの二人はギルドでのそれぞれの仕事があるし、消去法で行くとハクロ、ヤタ、ロウ、アルテミスたちだけでギルドの依頼を探すのは十分である。



「それにしても、今日はまた一段とギルドの冒険者たちの数が多いですよねー」

「戦争から戻ってきた人が多いからじゃないか?」


 ここ数日のうちに増えたように思われるけど、戦争以前の数に戻ってきていると言っていい感じである。


 でも、まだ王国と帝国の戦争は終わっていない。それなのに彼らがここに戻ってきている理由としては・・・。



「戦争に参戦していたけどさ、流石に長期間にわたっていると精神的にもきついからな」

「軍のやつらが冒険者風情だからとかいうのも気に食わないしなぁ」

「俺たちは生活費を稼ぐのに努力しているんだよ!!」

「軍用食もだんだん質が悪化してきたし、そろそろ潮時かなと」


 様々な理由があるが、多いのは「戦争にもう関わりたくはない」と言うのが多かった。


 いくら金とかがあるとはいえ、最初のうちは目が眩んで平気なんだろうけど慣れてくると次第に嫌気がさしてくる。


 例えで言うなら毎日朝昼晩の三食がまずい飯続きだったらいやだという感じの様なものかな。


 そういうわけで、段々と参戦を取りやめて普通の冒険者業に復帰をする人が増えたというわけであった。



「戦場は可愛い子はいないしな!!」

「綺麗なねぇちゃんもいねぇし、ここなら十分目の保養にもなるから!!」



・・・ハクロたちを見て目に癒しを求めているという理由の人が結構多いような気がするのだが、まあいいか。


 とりあえず気を取り直して、何かいい依頼がないかと僕らは探すのであった。


 あ、スルトのマッサージ屋前すんごい行列になっている。


 何やら忙しさの悲鳴が聞こえるが・・・・まあ気にしないでおこう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

SIDE自宅在住中の者たち


「ふぅ、やはり刀を磨くのは心が落ち着くでござるなぁ・・・」

「・・・気になってはいるのですが、紅桜さんって確か旦那様が購入した武器でしたよね」


 庭に作られた縁側で、自身の持つ刀を磨く紅桜を見て、ふとロズは話しかけた。


「ん?そうでござるよ。というか、別に『さん』とつけなくてもいいでござる。この家では皆平等ゆえにそのような言葉はいらぬのでござる。・・・・まあ、そもそも互いに主殿に愛されているというのもあるでござるが」


 紅桜はロズの質問に答える。・・・ついでにぽつりと思っていることも口に出した。



「元が小刀だというのはわかるのですが、その刀の方はどこをどうしたら出ているんですか?」


 この家に来た際に、ロズは全員の自己紹介を改めて聞いていて、紅桜の正体が元はただの小刀だというのは理解できていた。


 けれども、その紅桜が人の姿になっているときに持っている刀が、どこから出てきたのかが気になったのである。


「ふむ・・・この刀もまた拙者自身でござるよ。いわば心身一体の刀であり、拙者とも深く関わりがある大事な刀でござる」


 そのロズの質問に対し、紅桜はいとおしそうにその刀をなでてそう答えた。


・・・正直なところ、紅桜自身もいまいちわかっていないのだが、この刀もまた自分であり、己の大事なものであると理解はしていた。



「そういうものですか」

「そういう物でござるよ」


 お互いに納得しあい、ほのぼのとした空気がその場に流れていくのであった・・・・・。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

SIDEライ



「それじゃあ、今度受ける依頼はこれにしようかな」

「『グリフォンの羽の採取』依頼ですか。山の方に生息しているはずですし、巣さえ見つかればそれなりに楽そうな依頼ですよね」

「まあ、そのモンスター自体は遭遇すれば普通ヤヴァイのじゃがな。我らじゃと、ヤタやミアンがおるから結構大丈夫じゃろう」


 その依頼を受けるために、受ける手続きを受付にて行おうとしたところであった。


「あ、ライ君ちょっと話があるんだが」



 ギルドマスターが出てきて、とりあえず執務室へと僕らは通された。



「一体なんですか?」

「いやね、バンブル君・・・この都市の領主経由でだが、君あてに手紙が届いているんだよ」

「手紙・・ですか?」

「王城からのもので、第1王子からだ」



・・・・え?




どう考えても面倒ごとである。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ