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冒険者登録だよ

ちょっと前作引用

 馬車を助けてから2日後、ようやく僕らは冒険者登録が可能な目的のギルドがある「辺境都市ザスト」にたどり着いた。


 辺境都市だけあって、たまにモンスターの襲撃などがあるらしく、町の周囲が柵と堀で囲まれている感じである。


「ようやくここまで着いたな・・・」

「この都市にあるギルドで登録をすれば」

「・・・やっと冒険者」


 冒険者用学校の卒業証明書を持っていけば、最初からEランクの冒険者として活動が可能になるのである。


 とにもかくにも、都市の中に入った。


 衛兵が都市の出入り口にいたのだが、通行料金を渡せば簡単に通してくれる。


 冒険者の身分を証明できるものがあればタダにもなるのだ。




 辺境都市だけあって空き地とか目立つが、それなりに家の数は多いようである。


「えっと、ギルドは・・・あれか」


 入ってすぐの道のりをまっすぐ行ったところにギルドがあった。


 看板も建てられており、酒場も併設されているためやや大きめの2階建ての建物の様である。



 中に入ると、昼間だけどそれなりには人がいるようであった。


 受付のところに僕らは進む。


「おい・・・あいつ見かけないやつだな」

「新しく冒険者登録をする奴か?」

「モンスターを連れているところを見ると魔物使いのようだが・・・」

「美女のような見た目のやつじゃねぇか」

「クイーンハーピーとアラクネってとこか」

「あんな美女抱いてみたいぜ」


 ギルド内にいた冒険者たちや、昼間っから酒場で飲んでいた冒険者たちなどが騒ぐ中、僕らは無視して受付に行った。


「冒険者登録をしたいのですが」

「はい、新規のかたですね」


 受付嬢は女性の方である。


 ギルド委では基本的に受け付けは能力があるそれなりに顔がいい男女を雇ってはいるのだが・・・・


(なに、この子の後ろにいるモンスターたち・・・きれいすぎでしょ)


 ハクロたちの姿を見た受付嬢はショックを受けた。


 モンスターに負けたと思った。


 だがそこはさすがにプロ。表情には一切出さず、淡々と手続きを済ませる。


「冒険者用学校を卒業証明書はこれで・・」

「はい、確かに確認いたしました。少々お待ちください」


 数分ほど待って、一枚のカードをライは渡された。


「これが、あなたの冒険者証明の『ギルドカード』です。登録した情報に間違いがないか確認してください」


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冒険者職業:魔物使い


名前:ライ


ランク:E(冒険者用学校卒業を確認)


従魔(名):アラクネ(ハクロ)、クイーンハーピー(ヤタ)


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「・・・はい、間違いないです」

「では、登録を確認いたしましたので、まずはギルドからの初心者用サポートアイテムを」


 と言われてもらえたのは、新規で冒険者登録をした人がもらえるサポートアイテムである。


 最初はタダでもらえて、それなりに役立つ物だそうだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ポーション(治療用:低級)」×3本、「小物入れ」、

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 ポーションか・・・・低級だけど、かすり傷程度なら治せるものである。


 小物入れは別にいらないかな・・・・ハクロお手製のポーチがあるし。



「おうおう、新しく入ってきたひょっこか」


 と、ここで後ろから声をかけあっれたので見ると、いかにもおっさんな人がいた。


 背中には大斧があるが・・・錆びているし、ボロボロだ。


「おい、あれって新人潰しのチャッペンじゃねぇか?」

「あの今まさに入りたての新人を潰し非道な奴か」

「まだランクがFだけど、力だけならCいけるとかいうやつ」



 周りの冒険者たちがひそひそと目の前にいるおっさんの事を話す。


 明らかに見た目も普段の様子も評判が悪そうなひとである。


「こんなガキが、きれいな美女を侍らせていいきになっているつもりか?ああぁん?」


 睨んできているんだろうけど・・・・


「・・・・なんか怖いと思えなくて滑稽と思ってスイマセン」

「はあっ!?」

「「「ぶーーーーっ!!」」」


 おっさんが呆れた声を出し、僕の言葉を聞いた他の冒険者たちが噴き出す。


「あっははっはははは!」

「いきなりそんなことを正直に言うやつ初めて見た!!」

「こ、滑稽・・・!!」

「はらいて―――――!!」


 周囲の冒険者たちが噴き出した。


 そりゃそうでしょ。この人まったくと言っていいほど怖くないんですけど・・・。


「な、な、な、ふざけんなこのガキゃぁぁぁぁつ!!」


 だが、このおっさんの方は許せなかったようで殴り掛かってきたが、


ピタ


「・・・・ライ様に何をしようとしているんですか?」

「・・・我が君に何さらそうとしているんですか?」


 ハクロたちがおっさんの身体に糸を巻き付け、爪を首筋に当てる。


「ひっ!?」


 おっさん、超汗だくだく。ハクロたち、心では全く笑っていない笑顔。


 うん、物凄く怖いような・・・・。


「ひ、卑怯だぞ!!自分は何もしないで仲間に助けてもらうなんて!!」

「私たちは従魔ですよ?」

「・・・この方の手足にして家族。むしろ、あなたの方が横暴」


 おっさんが言うが、ハクロたちの方が最もな言い分を言う。


 周りの冒険者たちもそうだそうだという。よっぽどこのおっさん嫌われているんだな。


「くっ・・・お前一体何者なんだ?」

「適当に生きたいただの魔物使いですが何か?」


どこが「ただの」だよとツッコミを他の冒険者たちがいれようとした時だった。


「はいはい、そこまでにしておこーねー」


 と、何やら軽い声が聞こえた。


 受付の方から聞こえたので見ると、ちょっとやせ気味で背が高い金髪のまだ若そうな男性が出てきた。


「ぎ、ギルドマスター!?」


 おっさんとその他冒険者たちが驚きの表情を見せる。


 各地にあるギルド、その中で権力を持つのがギルドマスターと呼ばれる人物である。


 見た目的にちょっと軽い男って気がするけど。


「うんうん、チャッペン君。君はもう何度こういった騒ぎを起こせば気が済むんだい?」

「そ、それはこの新人が」

「連れている従魔がきれいな女性のような方たちだからかい?それは嫉妬に狂ったともいえるねぇ」


 軽い感じで話しているようだが、おっさんの方は完全に物凄い汗が出ていて、ハクロとヤタが嫌がって離れた。


「さてと・・・・今回のペナルティを言い渡そうか」

「ひっ!!」

「2ランクダウン。いい加減、もうめんどくさいからいっそもう冒険者辞めちゃえば?冒険者引退手続きはあっちだよ」


 指を受付の一角に指すギルドマスター。


 おっさんは逃げるかのようにその場を去った。


「ああいうめんどくさい奴でも、冒険者なら何とか生きていけるだけの金を稼げる依頼上がることを知っているからねぇ・・・」


 ギルドマスターが心底めんどくさそうな手ぶりをした。


そうやってしぶとく冒険者になり続けるのもいるのである。


他の職業に就きたくても、冒険者以外のには馴染めず出来ないような輩がそうするのだそうだ。


「さて、ようこそ我がギルドに新たに入った冒険者よ。あんな奴にならないでくれよ?」


 と、僕の方を見たかと思うと、すぐに奥の方へ行ったのであった。


「あのギルドマスター・・・油断できそうにないですね」

「・・・最初から見ているようだったけど、結果がすでに見えていたような感じ」


ハクロとヤタが警戒した。


あのギルドマスター、かなりの凄腕か?


とにもかくにも、冒険者登録が無事に出来たので、依頼をいきなり受けるのではなく、まずは今日の宿を探すのであった。






宿決め・・・安いところかつ従魔も泊まれる場所を探さないとね。

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