思った以上にこの国やばいかも
一部カット。描写的にね・・・
アルテミス、ミアン、エリー、ツバキ、ワゼを王女のいる村長の家の周囲に護衛をあたらせていたけど・・・・・
翌日、全員不審人物を捕らえてました。
しかも、馬車ごとです。ものがぎっしりな馬車と、黒くて目立たない馬車と、センスが悪い成金趣味な馬車が一緒でした。
「この男はズードラップ男爵ですネ」
縛り上げている人物の中で、ぐでんとなって気絶している男性を見てワゼがそう言った。
一応国内の貴族の顔などを覚えているらしいけど・・・いつ覚えていたの?
「真夜中にこいつらが来たからのぅ、正当防衛でぼっこぼこじゃ」
「尻尾で叩き潰すだけでも簡単だったでありますよ」
『噛みついたらね、泣き叫んでいたぜよ』
「心の底から恐怖と言う名の氷漬けにしておきましたわ」
「オ・モ・テ・ナ・シとかいう方法で、丁寧にとらえましタ」
タコ殴りにされて腫れている人、骨が折れているのか変な方向に曲がっている人、噛み痕が残って気絶している人、目の光が無くなって廃人と化している人、・・・・・などと言った感じになっているけど、やり過ぎなような気がする。
というか、ツバキのそのやり方が一番怖くないか?もう廃人と化しているって何をやったんだ一体。
そしてワゼよ、その方法ってどんな方法だよ!!
まあ、どうやら尋問によると、こいつらはあの国王の手紙にあったような王女の身辺を探っていたやつららしくて、このズードラップとかいうおっさんもこの国を裏切って、その手土産にと考えていたようなやつらしい。
ただ、結構前からどうやらいろいろこのおっさんにとって不味いことがあったらしいが同情の余地はない。汚職とが多いし、これが発覚するのを恐れての行動だとしても、まあやっちゃったってことだよね?
「ライさんたちが到着するのが遅れていたら、今頃・・・・」
その万が一の可能性を思って、ロズ王女が顔を青くする。
「こやつの位は男爵。金に物を言わせて調べたのじゃろうが・・・・それ以上の地位の物がもし同様の事を起こすのであれば、今以上に手早かったであろうな」
アルテミスのその推測に、改めて危機感を募らせた。
「ニア村はすでに王女の居場所としてバレていて、安全ではないという事か」
「そうじゃな、人の口には戸が立てられぬ。同様のものがいたら、またすぐにでも来てしまうじゃろう」
と言うわけで、王女の安全のために、僕らはニア村を早めに出発をした。
母さんがもう少しいてほしかったとか残念がっていたけど、僕と他の皆の関係を知ったらなんかニマニマしてちょっと恥ずかしかったです。話さないほうがよかったか・・・・。
「むう、今回も世話になるなライ殿よ」
「ラリゴさんも一緒ですか」
「もちろん!!このラリゴは王女様の盾となるべき者です!!最後までしっかりと護衛させてもらいます!!」
王女の移動は馬車で、このままザストまで僕らが周囲を警戒して護衛しながら進むことになる。
ズードラップ男爵らは、後ろの方でハクロの糸で連結した馬車に縛り上げて捕らえていて、ザストに着いたらしかるべきところに引き渡す予定だ。
証拠もしっかり色々とつかんでますし、この男爵終わったな。
「手を下さずとも、自ら自滅への道を歩みましたネ・・・」
「ん?ワゼなんか言った?」
「いいえ、何もございませんヨ」
まあ、このままザストまで寄り道しないでしっかり帰ろうか。
って、そういえばロズ王女の部屋とかどうしよう・・・・今いる全員でちょっと部屋がね。
「安心してくだサイ。こんなこともあろうかと、すでに増築していマス」
すごいよね、ワゼって。もう先を読んでというか、本当にメイドなのかと言いたくなるよ。
数日後、ザストにたどり着いた僕らは、ズードラップ男爵とその一味を全員しかるべきところに引きわたした。
王女誘拐未遂、汚職や賄賂、国を裏切るなど、様々な罪が洗い出されて、完全に貴族としては終わっただろう。
で、家にロズ王女を連れてきたのはいいけど、一応ギルドマスターに説明をする。
ロズ王女の姿は流石にまずいので、ミアンにちょっと幻術魔法で周囲にはあまり気にされないようにしてもらって、ギルドマスターのところでその魔法を解き、事情を説明した。
「なるほど・・・・王女様がライ君のところで一時的に預かりのみとなるわけか。しかも、手紙の内容がねぇ」
このギルドマスターはいろいろ難点があるが、確実に味方になってくれることは確信(ワゼが特にそう言っていたし)していたけど、本当にこっちを思ってくれているようだ。
「って、二人とも互いに結べれてもいいと思っているのかい?」
手紙の内容を話して、ロズ王女の方に届いていた手紙もヨンデ、何やらニヤニヤしながらそう尋ねてきやがった。うん、やっぱ失敗したかもしれん。
どうやらロズ王女はロズ王女で、僕の方に行っていいみたいな手紙が来ていたようだけど・・・内容は読まさせてくれなかった。
「一応お父様のたわごともありますので!!」
真っ赤になって言っていたけど、何が書いてあったんだろうか?
とにもかくにも、ロズ王女を国王は嫁にしてもいいって言っていたけどねぇ・・・・みんなはどう思うのさ。
「別にいいですよ。ライ様は変わりませんし・・・」
などといった意見が多く、だれも反対はしないようであった。え、いいのそんなので?
「私は・・その、えっと・・・」
ロズ王女の方を見ると、顔を赤くしてもじもじしていた。
「・・・・不束者ですが、どうぞこれからよろしくお願いいたします、ライさん・・・いえ、旦那様」
「・・・受け入れ早いね」
あの手紙だと、別にどうしても良い感じだったぽいけどなぁ。なんで嫁入り前提になっているんだろうか。
まあ、来る者は基本拒まずな感じにしているけど、このパターンは新しいような気がする。
・・・それ以前に、王女が納得しているってどうなのだろうか。この国思った以上にやばいことになっているのではないだろうか。
いいことなのだろうけど、思わず僕は考え込むのであった・・・・・
と言うわけで、ロズ王女がライの仲間に参入いたしました。
王族が入って来たけど、対応的に困るところが・・・・・