ゲソタッコンパニック再び
パニックと言うほどになるかなこれ?
「大変だ大変だ大変だ変態だ変態だぁ!!」
「途中から変わっているぞおい!!」
初夏ごろになり、今日もギルドにて依頼をライたちが探していると、何やら慌ててギルドに入ってきた人がいた。
「何かあったんでしょうか?」
「大型のモンスターがここに迫って来たとかだったりしてな」
あちこちでその様子を見ていた他の冒険者たちは、推測をそれぞれ立てていた。
その慌てて来た人は息を整えた後、報告をその場でした。
「げ、げ・・・」
ゲゲゲの?
「ゲソタッコンの群れがまたきたぞーーーーーーー!!」
「「「「「ゲソタッコンが!?」」」」」
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「ゲソタッコン」
足がイカで頭がタコ、もしくはその逆のモンスター。普段は海中に住んでいるモンスターだが、繁殖期になるとなぜか空を大群で飛ぶ。海中にいる時はのんびりと漂っているのだが、空中だと凶暴性が増し、その群れが通過した後は、何一つ残らない廃墟と化してしまう。別名「紅白の暴れ大河」。一匹一匹の強さは物凄く弱いはずなのだが、一度に何万体もの群れで来るのでかなりキケン。足の吸盤で武器や鎧、衣服などを奪ってしまう。
なお、一応食用可能で、様々な調理方法がある。珍味。
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「前にザストに来た年頃に似たようなことがあったなぁ・・・」
「あの時は、結構街中がパニックでしたからね」
なんとなく落ち着いて考えられるようになったのは、これも成長であろうか。
ゲソタッコンの繁殖期は不定期であり、2年ほど前にも同じようなことがあった。
その時は、奇跡的にドラゴンが通りかかって食べていったことがあったのでたすかったのだが、今回もそのようなことがあるとは限らないのである。
なお、今回の到達予想は3日後と、前回の10分前の状況よりは余裕がある。通過ルートも違うようでやはり飛ぶ方向は定まっていないのであろう。
また、当時とは違って今は仲間が多いのでそこまで不安にもならない。
一応皆の実力とかも把握しているからね、ある程度までなら対処は可能かもしれない。
「以前はどのぐらいの規模が来たんだっけ?」
「確か・・・・幅は約5キロ、全長8キロの群れでしたかね」
そのぐらいの規模だと・・・・どうすればいいかな。
「空中で広域、高威力の技って誰か使えるかな」
「ふむ、我輩はできるでありますな」
「我も水魔法でじゃが可能じゃよ」
「精霊魔法でライが近くにいれば可能かと」
「私も可能よ。吹雪になるけど」
「ブレスで・・」
「「「「それはシャレにならないと思う」」」」
リーゼのそのブレスは湿地帯にするレベルだからアウトだとして、他の皆でなら大丈夫そうである。
ギルド内も以前の事があってか、そこまでパニックにはなっていないし、あと・・・・
「ミアンの姐さんお願いします!!」
「アルテミスの姐さんも!!」
「ツバキの姐さんもどうか!!」
・・・・どうもミアン、アルテミス、ツバキたちに向かって土下座して頼み込む人がいるようである。
「・・・姐さんって、何をしたらそう呼ばれたのかな」
「いや、別に絡んできた酔っ払いをぶっとばしたり」
「不埒な輩を薬で二日酔い以上の気持ち悪さを味合わせたり」
「氷漬けにして・・・」
3人とも目をそらしてそう言ったけど・・・・何をしているんだよ本当に。
とりあえず、現メンバーでなら対処可能そうなので、ゲソタッコンの群れを討伐することにした。
ついでに、ザストにいる冒険者の方々でも魔法使いで活動している方々にも協力をしてもらうことに。
ミアンたちだけでも大丈夫な気がするが、それは慢心なような気がするからね・・・・万全の体制で行きたい。
3日後、その予想方面の上空に紅白の様な色合いの群れが出てきた。
「きたぞ!!ゲソタッコンどもだ!!」
久しぶりに見たゲソタッコンどもだが、前の時よりは数が少ないような印象があった。
「一斉砲撃用意!!」
その号令をかけ、全員がいつでも魔法などをめがけて放てるように用意をする。
ミアン、アルテミス、ルミナスは詠唱をすでに終え、ツバキは徐々に地面が凍り付いていっていることから冷気を纏っていることが分かる。
あと、その他協力してくださる方々は彼女たちの攻撃の後に残ったやつらを一掃するための用意をしていただきました。
一応避難している人たちもいるが・・・・まあ、この様子ならもしかするとね。
「うてぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
ひきつけて、ある程度来たところで発射の命令をした。
全員がそれぞれの攻撃を発動させ、ゲソタッコンの群れに直撃をし・・・・・・・・悲鳴も出ぬままゲソタッコンどもは大空に消えるかのように、消し炭にされていったのであった。
・・・やっぱオーバーキルか。予想はできていたけど、これはひどい。
とにもかくにも、ゲソタッコンどもを退け、歓声が上がりその日は皆で祝杯を挙げたのであった。
・・・でも、ここまで目立つとね・・・・何かありそうな気がする。