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キカロスの森

説明?あまり続かなかった部分でもある。

「キカロスの森」

みょうちくりんな名前をしている地名だが、この名前には由来があるという。

大昔、この森に棲む者たちはたくさんいたらしいが、ある時謎の病が流行った。

治療法もわからず、薬や回復魔法などで頑張って治療をしても、次々と高熱を発した後数日ほどで死亡していき、そして、死んだ瞬間に何も残らず一瞬にして灰になるというものだった。

当時、もはやこれまでかと思われていたらしいが、キカロスと言う謎の青年が、この病に効果的な薬草をこの森で発見し、大勢の命が救われたという。

その功績を讃えて、薬草が見つかったこの森は彼の名前をもらってキカロスの森と呼ばれるようになった・・・・


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「・・・と言うのが、この森の名前の由来か」

「薬草大森林とも言われ、薬草を扱う者たちにとっては一度は訪れてみたい場所でもあるのじゃよ」

「この森にあるはずの集落出身である私よりも詳しいわね・・・」


 

 現在、ライたちはキカロスの森にたどり着き、そこでルミナスの故郷である集落を探すついでに、アルテミスにその話しをしてもらっていた。



・・・この森って、アルテミスのように様々な薬品を扱う人たちにとっても一度は訪れてみたいほど、薬草の宝庫らしい。


 さっきから嬉々として薬草を見つけるたびにエリーに頼んでアルテミスが薬草を回収しているよ。




「しかし・・・かれこれ半日経つけどなかなかルミナスがいた集落の痕跡が見当たらないな・・・」

「私がいた時とは、そこそこ時間が経っているので目印とかがないですからね・・・」



 それに、あちこちの木々の一部が人為的に切り倒されていた。


 このキカロスの森は薬草の量が豊富であり、木々ももちろん薬の材料として使えるらしいけど・・・・



「・・・これはちょっとやり過ぎです」


 切り倒された木々の量が多く、どこか怒りや悲しみが混じったような声でルミナスがつぶやいた。




 あたりを見渡すと、どこもかしこも木々が切り倒されており・・・いや、切り倒され過ぎている。


 普通は森の成長のために、たまにだが、間隔をあけて木々を切り倒す程度の事は行われていたそうだ。


 


 だが、ここキカロスの森は現在、どうやら王国と帝国の戦場近くらしく、薬草の材料を取りに来た人たちが勝手に次々と切り倒して行ったそうである。


 一応、今回来たのはルミナスの両親への挨拶もあるが、ここの調査も兼ねている。


 そのため、この惨状にはどことなくここまでやるかと呆れの声しか出なかった。



「・・・切り方も雑じゃし、適当に切ったのじゃろうな。きちんと丁寧に切り倒せばまた再び再生するが・・・・これはアウトじゃよ」


 切り株の切り口を見て、アルテミスがそう言った。


 彼女曰く、この森の木々は丁寧に伐採すれば再びすぐにきれいに生えてくるらしい。


 だが、乱暴で粗雑に切り倒されているこの現状だと、間もなく朽ち果てるだけだという。


「下手すると、トレントなどのモンスターが混じる場合もあるでありますからな。・・・うっかり木を張った押したときに出来たあれはびっくりしたであります」


・・・ミアン、何やってんの?




 とにもかくにも、メンバー全員でこの森に来ているのだがなかなかルミナスの故郷である集落の姿かたちさえもが見えない。


 ここまでの森の伐採状況を見る限り、引っ越した可能性が高そうである。



「うーん・・・糸を張り巡らせてみたんですけど、人の気配にあたりませんよ。コボルトやゴブリン程度のモノは感じ取れますが・・・・どれも数が少ないです」

「・・・上空から見て回ったけど、何処にも人の気配がしない。でも、噴煙が上がっているところが割と近くにあった。多分、現在の戦場だと思う」

「だとすれば、今回はあきらめて撤退したほうが良さそうかもな。下手に争いに巻き込まれたらたまったもんじゃないしね」


 せっかく来たのは良いものの、今回僕らはルミナスの故郷を見つけ出すことができなかった。


 落ち込むルミナスに、とりあえず励ましの言葉を僕らは送り、次こそ巡り合おうと心に決めつつも、船上から離れるためにすぐにその森から出ていくのであった・・・・・。


 残念、無念・・・・・。



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SIDEワゼ



「ふむ、なるほどなるほど・・・・ズードラップ男爵ですカ」


 ライたちが森からの退却をし始めたその頃、ワゼはミニワゼ(諜報部隊)たちからの情報を収集し、整理していた。


 最近家の周囲をうろつく不審者たちの素性やその他もろもろを調べ上げて、たどり着いたのである。



 情報によると、どうやら行動を起こしたのは先日ライたちが冒険者王学校を講義のために訪れたころらしく、その時にライたちを見かけてからこのような行動を起こしていたようだった。


 疑わしき者たちを捕らえ、少々の説得(言えないような)などをして、きれいさっぱり吐いてもらって集めた情報によると、どうやら色欲によるものらしく、ライの従魔たちの誰かが1人で行動する時を狙って攫い、持ってきて・・・・・・・・




「はぁっ、美しさは罪とも言いますが、こういうのは嫌ですネ」


 動機が色欲によるものだと理解し、その汚さにため息を思わず吐くワゼ。


 原因としては、従魔たちを見かけてから起きたことのようだが・・・・今回は別にライたちが起こしたわけでもないし、向こうからの勝手な行為である。


「ここはひとつ『ざまぁ』と言うようなものを目指したほうが良いかもしれませんネ。幸いにして、彼はどうやら過去にいろいろやらかしてくれているようですし・・・」


 くっくっくっくっくと黒い声が聞こえそうな笑みを浮かべて、ワゼは自身が使える方々に対しての危害を加えようとした者へ向けての計画を練り始めるのであった・・・・・

 




たまに思う。このメイドを敵に回した時点で相手は詰んでいるのではないかと。

一家に1台はワゼがいたほうが良さそうだな・・・・・すごく便利というかできたメイドだし。

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