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法皇って・・・え?

本日2話目


「ビウイン教の法皇ザッバです」


 自宅へ帰ると、ビウイン教の法皇が客室にいた。





「・・お茶デス」

「あ、どうも」


 ワゼがお茶を入れてきて、とりあえず落ち着く。



「・・・で、ビウイン教の法皇様がなぜここに?」


 話を切り出すために、ライは尋ねた。


 ちょっと前のごたごたもあったので、どう対応すればわかりにくいのでとりあえず敬語口調である。



「ええ、実は本国からの報告がありまして、我がビウイン教の派閥争いに巻き込みかけたことをお詫び申し上げに来たんです」

「お詫びですか?」

「あの襲撃者たちの件とかについてですかね?」


 以前の皆にぼっこぼこにされた襲撃者たちで、あれはビウイン教のモノだったらしいということがあったが・・・その件か。



「はい、私どもの下らぬ争いの中で、派閥争いと言うもう宗教としてはやってはいけないようなことをやってしまったことが恥ずかしいのです。報告によると、その襲撃者たちを仕向けたのは改革派の指導者の様でしたが、それでも我がビウイン教の一員であったことは同じです。その事に関して本当に申し訳ありませんでした」


 深々と頭を下げるザッバさん。


「えっと・・・その改革派の人とはザッバさんは違いますよね?」

「その通りですが、元をたどれば同じビウイン教の教徒であり、その責任はビウイン教の最高責任者でもあるこのわたしにもあるのです!!」


 なんか、この人責任感がありすぎる。


「あの、その件はもう大丈夫なのですが・・・・」

「すいません、本当にすいません」


 何度も謝るザッバさんの姿を見ると、こっちのほうが胸がいたんですが。


「すいませ、


ぐきっつ


「・・・ん?」


 今ザッバさんがまた頭を下げたときに妙な音がしたような?


 音がしたと同時に、ザッバさんの体の動きが止まった。


 体から嫌な汗が出ており、ぴくりとも動かない。


「・・・・・・・まだ、治っていなかったです・・・」

「まさか・・・・」

「はい、ぎっくり腰再発しました・・・」



 そういえば、ビウイン教の法皇って何か持病の療養のために出かけていたとかいう話があったけど、その持病がいま再発したようであった。


 何だろう、すっごい不憫そうな感じになる。見た目若いのに・・・








「・・これでいい感じのはずやで。しばらくは安静にして居れば自然と治るはずや」

「この湿布を1日1回腰に張るのじゃ。薬用のモノで、痛みを和らげる効果があるのじゃ」

「いや本当にすいません・・・・」


 とにもかくにも、このまま動けなくなられると困るので、スルトの電気マッサージとアルテミスの湿布を張ってなんとかした。


「改革派の方で指導者の方が捕まったようですし、どうやら他にもビウイン教と言うことを利用して私腹を肥やしていた方がいたようで、これからなんとかしていこうとした矢先に再発するとは・・・面目ないです」

「まあ、頑張ってください」


ひょこひょこと、腰をかがめながら馬車にザッバさんが乗り込んで帰っていった。


 どうやらお忍びでここに来たらしく、従者の方もいたようだがほとんど目立っていなかった。



「・・・あの様子じゃと、湿布をまたもらいに来る可能性がありそうじゃな」

「今回やったのは応急的なものや。とりあえず安静にしてまへんとまたごきっといくやろうな」


 アルテミスとスルトの見解では、またぎっくり腰になる可能性が大きいようである。



 まあ何はともあれ、ビウイン教に関してはこれで完全にケリが付いたのかな?


「そういえば、ビウイン教の改革派の指導者が捕まったとかいうけど、それって確か誰かが流した情報によってだっけ?」

「組織内もがったがたじゃろうから、そのようなことになったのじゃろう。裏切りや内部告発がある限り、悪は栄えぬのじゃろうな・・・」



 ふと思ったライたちの会話の横で、ワゼはお茶をいつも通り片付けているのであった・・・・。


暗躍するメイドの活躍は知られていない・・・隠れて主を守るというのも務めであろう。

にしても、そろそろネタ的に恋愛のところとか入れたい。

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