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閑話 領主バンブルの最近の悩み

忘れられていそうな人でした

「いやねぇ・・・本当にここ最近悩み事が多いんだよねぇバンブル君」

「それは苦労しているなアーガレストよ・・・・ざまぁ」

「今何か言わなかった?」



 ザストの辺境領主バンブルの家にて、ザストのギルドマスターであるアーガレストは最近の悩みを聞いてもらおうと仕事中の領主であるバンブルの部屋に押しかけてきていた。


 バンブルからしてみれば、普段うっとおしいだけのアーガレストの困り顔はどことなくうれしかった。


「それに、ここ最近出番がなかったからな・・・・」

「なにかメタいことを言っていないかい?」






「とにもかくにもだよ、いや本当に頭を悩ますようなことが多くてねぇ・・・」

「ああ、話は聞いているからな。ライとかいう魔物使いに関してだろ」


 このザストの領主であるバンブルにもその話は伝わってきている。


 数年ほど前にこのザストに住み着いた魔物使いで、しかも強力な従魔を従えているという情報があるのだ。


 実際に、街中を視察する際にその姿を見たことはあるが、バンブル自身極力直接の接触を避けていた。


 その理由としては・・・・・


「悩ませるのはご主人様の得意技と言ってもいいんでしょうかネ?」

「そういう感じだよ・・・・ってワゼさん!?」


 いつのまにか領主の部屋にワゼが入り込んできた。


 ライに仕える魔道具(マジックアイテム)であり、彼の留守にはギルドで職員としても働くメイドである。


 有能であり、その一方で主人であるライに敵対する者には容赦ないという情報があった。


 で、彼女がなぜここにいるのは・・・・



「仕事をさぼられてここに来ましたギルドマスター(このバカ)を連れ戻しに来ただけデス。失礼いたしまシタ」

「今何かひどいことを・・・って、首がギブギブギブ!!」


 アーガレストの襟をつかみ、そのままずるずるとワゼは退室した姿を見て、バンブルはため息をついた。


 こちらの方の情報もあり、物凄い有能メイドであり、秘書にもほしいかもしれない。



 


 だが、今はそんなことよりも別の悩みの種があった。


「ビウイン教の法皇が近々ここに隠密に訪れるらしいな・・・・」


 領主の館に届いた手紙をみて、バンブルはため息を再度つく。


 内容としては、療養を終えたのでザスト経由でビウイン国に戻る寄り道。


 だが、その裏にあるのは・・・・おそらくライとの接触である。



 数日前、ビウイン国の方にて、なにやら改革派の指導者が違法なあれやこれやと言うのが出てきて捕まったというのがあり、さらにビウイン教そのものの指示が揺らいでいるらしい。


 そんな中でのここに寄り道と言うのは怪しい。


 今は基盤を固めるほうが良いだろうに、わざわざ寄り道と記載されているのである。


 

 ライとの接触を図って、なにかビウイン教への事を頼むかもしれないのである。


 だが、先日ビウイン教の手のモノらしきものたちから襲撃を受けているライたちにとっては、合いたくはないだろう。


 何か抗争が起こる可能性もあって、気が気ではなかった・・・・・



影が薄いなこの領主。

人物紹介にも毎回省かれているし・・・

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