ルーナス城到着
短めあっさり
注目を浴びるのは好ましくないと判断したので、すこし馬車を路地裏に入らせた後・・・・
「ミアン、アルテミスの二人は幻術魔法が使えたよね?せめて、城門前までこの馬車の周囲の存在感を薄く出来ないかな?」
「ふむ・・・可能と言えば可能じゃな」
「幻術系統の魔法だと・・・・アルテミス、アレは使用できるでありますか?」
「ああ、出来るのじゃ」
というわけで、幻術魔法を二人で併用して・・・・
「「~~~~~~~『消えゆく木漏れ日』」」
魔法が発動した瞬間、馬車の周囲が何やらもやっとしたはっきりしない光に包まれた。
「うむ、成功じゃな」
「併用したことで、累乗されたようじゃ」
どういう魔法か聞くと、馬車の周囲10メートルは存在しているけど存在していないような認識にさせる・・・・いわば、よく劇や小説とかであるような何の役目もないような脇役やモブキャラのような存在感にする魔法だとか。
影が薄い人になる魔法ともいえる。
ただ、普通に使って10分、二人で同時併用して約30分しか効果がないらしい。案外効果時間が短いんだね。
「まあ、これで城まではほとんど目立たぬじゃろ」
「こういう魔法って暗殺者とかが使いそうなイメージがあるな」
「無理でありますよ。殺気や恐ろしく速い動きなどでも解除されるようでありますし」
なるほど、そういうもんか。
「ん?ってことはミアンはそんなことをしたことがあるのか?」
「あるでありますよ。自分が使える魔法がどのようなものかは、一通り確認してから使用しているでありますし」
「魔法を使う人あるあるじゃな。なのに、冒険者たちの中で魔法を扱う者の中には、自分が使えないレベルの物なのに使おうとする愚か者もおるようじゃし」
「自身が使用可能な範囲をわきまえねばダメでありますからな。下手すると自爆することになるでありますし・・・」
「魔法を使用する際に使った分の魔力が暴発するんじゃよ。込めている魔力が大きいほど、爆発も大きいのじゃ」
へー・・・勉強にはなるかな?
「精霊魔法も同じような感じよ」
ルミナスも会話に入ってきた。
「精霊たちはその人の器とかを見るからね、合わないものだとこむら返りに、捻挫、ぎっくり腰、頭痛、腹痛などを起こさせて思い知らせるそうよ」
「何その地味な嫌がらせ・・・・・・」
それは嫌だな。というか、過去にそのようなことをした人の話があったらしい。ルミナスが暮らしていた集落でも結構話題になっていたのだとか。
何はともあれ、注目はされなくなったようだしそのまま僕らは王城の前にまで来た。
ここまで来たら、魔法をいったん解除する。
と、門兵が来た。
「おや?ラリゴ騎士団長殿では?」
「ああ、そうだ。第1王女様を帰還させる任務で着いたのだ」
「はっ!!でわお通りくださりませ!!」
・・・・意外に城での地位もあるんだねラリゴさん。
というわけで、ここでロズ王女と別れ、僕らはここで今回の依頼を終了するのであった・・・・・
さて、このまま終わるわけではないようだ




