移動中でーす
本日2話目
やっぱしね。
翌日、僕らはその依頼での待ち合わせ場所に向けて出発した。一応受けることにしたんだよねコレ。悪そうな話でもないし、内容は護衛依頼の感じだからね。
リーゼに乗っていけばすぐだし・・・・。
「待ち合わせ場所は・・・・『ハッポン村』か」
ザストから馬車で本来は2日ほどの村だが、リーゼならめちゃくちゃ早く着くからね。
「にしても・・・ミアンも相当早いよね」
「まあ、我輩一応これでも神獣種でありますし」
並行して飛んでいるミアンも相当早いな。ラミア・ドラゴンなので飛んで移動できるようだけどこうして芸こうして飛べている時点ですごい。というか、どうやって浮いているのかってところから物凄く気になる。
「ただ、厚着は必須でありますが」
「風で意外と冷えるもんね・・・」
神獣種でもうものすごく強い彼女だが、寒さに強いというラミア系統のモンスターゆえの弱点がしっかりあるようだ。これでも一応冬でも活動できるそうだが、神獣種以外だと冬眠するレベルらしい。
なので、念のため体が冷えないように長袖の上着を着て、ドラゴンの胴体の部分はさすがに服を着れないから「シールド」とかいう魔法の応用で寒さから守っているようである。
この魔法が実はあの時僕らの攻撃を防いだりできていた魔法らしいけど・・・こういう利用の仕方ってのもありなんだね。
「魔法も使いようによっては本来とは違う予用途で使用できるのであります」
「それはわかるのぅ」
魔法を使うもの同士、どうやらアルテミスとミアンは気が合うようである。どちらもにょろにょろしているのも同じだしね。
ん?魔法と言えば・・・・・
「そういえば、二人のその杖とかってどうしたの?」
ふと、二人が持っている杖が気になった。出会った時から持っていたけど、いつから持っているんだろう?
「ん?我の場合は譲り受けたモノじゃ。薬の代金代わりに建て替えの保険料としてじゃが・・・・支払ってもらったのじゃが、結局新しい杖もついでに買うことにしたらしく、そのままもらったのじゃよ」
「我輩のは・・・・いつの間にか持っていたものでありますよ。モンスターによっては、生まれたその瞬間からどこからか道具を持っておるものがいるらしいでありますからな。我輩もその一匹でありますよ」
なるほど、ゴブリンとかオーガとかのモンスターが棍棒などを持っているのはそれが理由か。
というか、さすが神獣種というべきかよく知っているよなそんなこと。
「冒険者用学校でもそんなこと習っていたっけ?」
「うーん、習っていませんよ。聞いた覚えもないですし・・」
「・・・ふつう、モンスターの生態などを調べる人は少ない」
そういえばそうか。人を襲うものが多いから調べる暇が余りないだろうし・・・。
「モンスターで唯一調べられまくっているのはスライムとかだったわよね。一応、対処がしやすいモンスターとしても有名ですし」
ルミナスがふと思い出したように言った。
「ウミュ?スライムナライッパイダヨ~」
ロウが反応したけど、ロウの場合はスライムはスライムでも少女の姿をしているからね・・・。
「確かまだ論議が続けられているみたいですよね」
「第2、第3のロウを見つける人が出ればわかるかもしれぬが・・・・」
何だろう、ロウがたくさんいる光景って物凄くほんわかした光景しか思いつかない。
「なごみそうですよね・・」
「でも、我輩でもロウのようなスライムは初めてでありますし・・・・」
「兄様、私も初めてですよ」
アルテミス、人化を解いて僕らを乗せて飛行中のリーゼもロウが珍しいらしい。
この2体は確かこのメンバーの中でも一番年齢とか知識が上だったけど・・・・この二人にそういわせる時点でかなり珍しい様だ。
「ウミュ?ロウハロウダヨ?」
「そうだよね、ロウはロウだよね」
首をかしげてきたロウに、僕は頭を撫でた。
うん、考え込まなくても別にいいか。従魔は家族のようなものだしね。家族をむやみに考えこまなくてもいいじゃない。
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「うぉぉぉぉぉっ!!わっけわからーーん!!」
「同種のスライムの例が全く見つからん!!」
「そもそも、そのような姿になれるすらいむがほんとうになんなんだー!!」
ライたちが移動しているそのころ、スライムについて研究して議論している「スライム研究所」略して「スラ研」では、ロウに関しての議論についての決着がいまだについていなかった。
一方、別の場所では。
「・・・なるほど、これがその魔道具の一種であるという『人型家事戦闘万能型魔人形魔道具MKS-02改良型』、通称『ワゼ』とやらの写真か」
「ゴーレムと類似している点が多いのですが、彼女の感覚からしてみれば『魔道具』であるという意識があるようです」
「これだけの精巧な魔道具の制作者がいれば、会って話をしてみたいのだが・・・」
「製作者は不明ですが、現在彼女を所持しているというのが冒険者で魔物使いだそうです。彼自身、物凄い珍しいというか、美麗のモンスターたちを従魔にしています」
「連絡を取りたいな。このワゼとやらの構造も気になるし・・・・何とかして調べさせてくれないか願いたいしな」
魔道具に関して研究しているとある機関。そこでは最近とあるギルドで有名になっているワゼの存在に気が付き始めているのであった・・・・。
なんとなく、あとあとめんどくさい予感




