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第1章 第2話 頼み(たのみ)

お久しぶりです。そしてあけましておめでとうございます。

作者のSSです。

第1話から4ヶ月弱もかけて第2話投稿と長らくお待たせしました。ま、誰も待ってなかったと思いますが(笑)(泣)


ま、気を取り直し第2話宜しくお願いいたします!

 あれから何分かたった。気づけば町外れまで来ていた。空也は汗びっしょりに荒々しい息遣いになりながらようやく足を止め、掴んでいた俺の手を離しバタッと草の上に寝転がった。こいつの脚力には恐れがいる。

 こいつと喧嘩したことがないから分からないが勝てるかどうかも分からないと俺は思っていた。

 荒々しい息遣いがようやく落ち着いてたことだし本題に入ろうと思った。正直、日頃チャランポランしている、空也の謎が分かるっというだけで、高校入学して一番のどきどきとした感情だった。


 「おい、空也。そろそろ教えてくれよ。お前の転校してきた訳を。」


 息遣いは落ち着いたが、空也は返事をせずに寝転がっていた。


 「お~い空也。生きてますか~?」


 俺は近くにあった木の枝を拾ってしゃがんで空也を突いてみた。

 反応が無いと思っていたが近くでみたら口元がかすかに動いていた。俺は空也の口元に耳を近づけてみた。


 「?*&%&$」


 何かを言っているようだが良く分からない。


 「エッ!なんだって!?もう少し大きな声で!」


 俺は空也の口元に耳を近づけたまま、促した。


 「み、水~。」


 空也は弱々しい声でそうつぶやいていた。

 良く見ると空也の顔色は明らかにおかしくなっていた。

 しかも良く考えたらこいつは、いくら小さいとはいえ、俺を引っ張って走った訳だし、制服が汗で濡れているのがはっきりと分かるほどだった。


 「は、早く!」


 今度は耳を近づけてなくてもはっきり聞こえた。それと同時に俺がするべきことがようやくわかった。

 俺は急いで鞄から財布をとり近くにあった自動販売機から水を買ってきて、もう寝転がっているというより、倒れているといった風な空也にキャップを外し渡した。

 空也は水を受け取るとバッと体を起こし、水を一気に飲み干した。


 「プハー!生き返るでぇ~。水、最高やでー」


 空也は水を得た魚のごとく一気に元気になった。


 「でもにゃ~。え~ちゃんもうちょっと状況判断ができるようにならんとこの先、生きていけないぜ~」


 「わりぃ、わりぃ。でも生きていけないはいいすぎだろ。」


 「いいや、いいすぎではないんやで。」


 空也の一言に言い返した俺だったが、その言葉に空也がいつもは見せないような真剣な顔で逆言い返されてしまった。


 「そ、そうだ。早く転校してきた訳を早く教えろよ。」


 いつもの空也にない空気を感じた俺は話を逸らす意味で話を本題に戻すのだった。


 「あ~そうだにゃ~。話を本題に戻すかにゃ~。実はわいが転校してきた理由はな・・・」


 そう言いながら空也は立ち上がった。 

 空気を変えたく話を本題に戻した訳だが、少しはマシになったが、尚も空気がいつもの空也とは全然違っていた。あくまでも真剣な話で変わりないようだった。

 俺はごくりと唾を飲み、空也の方をじっと見ていた。


 「栄牙に俺の、いや俺らの世界を救って欲しい!」


 空也は、そう言った。そう言ったはずだ。たぶん。自分の耳がおかしいんじゃないかと不安になった。


 「エッ!今なんて言った?」


 俺はもう一度聞きなおすことにした。


 「栄牙に俺らの世界を救って欲しい!」


 聞き間違いではないようだ。しかしこいつは俺のことを『栄牙』と呼ぶこと自体初めてだった。しかも俺らの世界?地球には何か起ころうとしているのか?こいつはそれを救うのが俺だというのか?俺はまあ喧嘩などが弱いとは思ってないが、ヒーローのような必殺技があるわけではないし、作戦をたてて勝つような知将でもない。あきらかにおかしな話だ。


 「おいおい。空也。さすがに騙されないぞ。馬鹿な俺でもおかしな話だと分かるし、地球を救うような格ではないことくらい分かっているわ。」


 そうだこいつはいつものように冗談を言っているに違いない。俺はそう思うことにした。


 「冗談なんかやない!え~ちゃん!」


 しゃべり方はいつもの感じに戻ってきたが、相変わらず口調は真剣そのものであった。

 ここまで真剣な空也は始めて見たせいか、俺は正直驚きを隠せていなかった。


 「わりぃ、え~ちゃん。感情的になりすぎた。」


 空也は俺の反応を見たからだろうか、少し落ち着きを取り戻したようだ。


 「少し説明が雑過ぎたようだな。俺はここの人間ではない。地球は変わらないが、簡単に言うと違うルートの人間ってとこだろうか。そこから、このルートの世界に助けとなる人間を探しに来たって訳にゃ~。」


 空也は説明を入れ始めたようだが、俺の頭の中じゃ対処仕切れなかった。おかしなことだらけだ。俺の少ない頭の容量じゃどうやっても収拾がつかないようだ。パンク寸前といったところか。


 「・・・」


 俺は黙りこくるしか出来ない状況だ。


 「ま、最初からうまくいくとは思ってなかったにゃ。そしたらえ~ちゃん、2択にするで。」


 空也は最終手段として取ってました、といわんばかりに唐突に2択の選択にしてきた。


 「1つ、俺の願いをきいて俺らの世界を救ってもらう。救うっていっても空也だけで戦うのではなく、戦力として手伝ってもらうにゃ。

  2つ、このままここに残って、今日のことを忘れていつもの日常に戻ってもらう。この2つにゃ、選んでもらうぜ、え~ちゃん。」


 空也は俺の目をじっと見ている。


「質問をいいか?」


 俺はさすがにこれだけでは決心はつかないし、情報も増やしたいし、謎も多すぎるので提案してみた。


「いいぜ、え~ちゃん。しかし、全部は教えることは出来ないがついて来てもらえれば、分かることも増えると思うにゃ~。」


 だいぶ、空也の口調は戻って来た。本当に正気になったのだろう。


 「じゃあ、最初の質問。お前は俺に世界を救って欲しいといったがそこはどんな状況なんだ?」


 最も重要な事だろう。ここが分からないと行くに値する場所なのか分からない。


 「ま、最もなことにゃあ。これは説明せんといかんな。ここが分かんねぇと行く意味も分からんからにゃ。そこは簡単に教えるかにゃ。」


 空也もそこは教えないといけないと思っていたらしい。


 「簡単に言うとやな、俺たちのとこには3つの大きな集団があるにゃ。そのうちの2つで対立が起きているにゃ。この対立をえ〜ちゃんの力を借りて、和解もしくは力ずくで抑えて欲しいにゃ。」


 馬鹿な俺にも分かりやすい説明だった。しかし、俺に和解させるような話術はないし、ましては、俺の力を加えただけで抑えれるものなのだろうか。


 「なあ空也、それは本当に俺の力が増えただけでどうにかなる物なのか?喧嘩が強いと言っても俺よりか強いやつなんてたくさんいる訳だし。」


 「そうやな。別にえ〜ちゃんより強い奴ならたくさんいると思うがな、え~ちゃんの隠れ持った才能が必要なんだにゃ~。」


 空也はそう言った。俺にどんな才能があるのだろうか?


 「え~ちゃん、もうすぐ時間やから最後の質問にしてや。」


 「時間って!何か来るのか!?」


 「え〜ちゃん、最後の質問そんなんでえ〜んか?」


 うっかり最後の質問を変な事で使うとこっだった。今じゃ、完全に空也の方が冷静だと思う。しかし、最後の質問は何にすればいい?


 「え〜ちゃんもう質問なしでいいんか?」


 空也は催促してきた。心を決めるしかない。


 「分かった。最後の質問だ・・・

 お前はどのくらい俺が必要なんだ。教えてくれ。」


 この質問で決着をつけよう。俺は思った。

 いつもにない、空也の態度というか、真剣な感じ。この質問で空也の意思を確認したかった。


 「そんなの決まってるやないかぃ。」


 空也が話し始めた。これで決まる。俺の未来が。


 「お前しか頼めない!俺はその為にここに来た!今必要なのはお前なんや!」


 空也は頭を下げ、今まで異常に声を大きくして、俺に頼んで来た。そして続けてこう言った。


 「栄牙に、俺らの世界を救って欲しい!!!」


 俺は今までにない程に鳥肌がたった。

 急にやって来た謎の転校生の空也。

 いつもはチャランポランしているが、今見えるのは、真剣そのものの空也。

 初めて見るこいつの表情。

 答えは決まっている。

 いや、最初から決まっていたのかもしれない。

 しかし、こいつの本気が見たかったのだろう。

 今ならはっきり言える。


 「空也、頭をあげろよ。」

 

 俺は空也の顔の前に右手を伸ばした。

 それを見た空也は顔を下げたまま、俺の手を右手でしっかり掴んで


 「ありがとう。」


と、小さくささやくのだった。


 数十秒経ったが空也は俺の手を離さず、顔も下げたままだ。


 「おい空也!いいかげん顔を上げろ。で、今から何かするのか?それとも今日はお開きってわけか?ま、何かあるっていっても暗くなって来たし帰らないとかーさん心配するし。」


 そんな話をしていると空也が俺の手を離し、顔を上げた。


 「残念ながらえ〜ちゃん、まだ帰れないぜ。今からまずは俺らの世界に来てもらう。もうすぐ時間だってさっき言っただろ。ま、そこでいろいろと説明してやるからにゃ〜。」


 そう言えばさっきの質問の時空也はそんなことを言っていた。

 空也の方を見ると空也は腕時計を見ている。


 「え〜ちゃん時間や!少しちょっと来てくれ。楽しい移動の時間やで!」


 「はいはい。行きますよ。救ってみせますよ。おまえの世界。だけど今日はあまり時間かけるなよ。」


 「お〜良い意気込みにゃ〜。すぐ戻ってくるよ。ちゃんとこの時間に。」


 空也がニヤニヤしながら歩き始めた。

 簡単に救ってやるといったが正直なところ自信なんてあるわけがない。あるのは不安が大抵をしめているだろう。だが出会ってあまり時間はたたないがこいつのためにやる気持ちになってしまうのは、なぜか自分でもわからない。わからないが、今行動しなければいけないと思う。

 そんな事を考えていると空也が大きな木の前で足を止めていた。


 「ここで何をするんだ?」


 空也の方に近づき、聞いてみたが空也はジッとまた腕時計を見ている。すると急に大きな声で


 「5、4、3、2、1」


とカウントダウンするのだった。

いかがでしょうか?

まだ始まったばかりで全然進んでないのでなんともいえないですね。

第3話はなるべく早く投稿したいと思います。


これからも宜しくお願いします!

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