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第七話

 マリアが新しく覚えた魔法スキル、ディフェンスをかけてくれる。


 効果は抜群だな。防御力が倍以上になったし。


 ま、2が5になっただけだけど……それでも凄い。


「パーティーで生き延びる事を考えると、マリアはなんかいきなり特化したな。騎士(ナイト)みたいだ」

「ホビットには向かなそうだけど、それも面白そうだよね。シュールはどう?」


 俺か、サモンクロウ。カラスの召喚を覚えたんだよな。


 初のスキルは、詠唱がわからないからメニューから発動させないといけない。


 改めてやると面倒な手順だな。


 ええと……これか。サモンクロウを選択っと……。


「…………」

「どうしたの? 召喚術だよね、覚えたんだよね?」


 ん? 発動しない? と、言うか選択出来ない?


「使えないんだが?」

「え? 何か条件でもあるのかな?」

「いや、俺に聞かれても……やはり、バグか何かか?」


 運営にメールしてみるか。


 名も無き村のクエスト、森の主を倒せ、の報酬でスキル、サモンクロウ、を覚えたのですが使えませんでした。何か不具合なんでしょうか?


「これでよし、と。サモニングスキルはとりあえず返答待ちだな。先にレベルアップで増えたMPで、ライトボールが何回連続で使えるかどうかを試して……試して……」


 あれ? 俺、レベル上がってステータス割り振ったっけ?


 MPは……3。サモンクロウの消費MPはサモニングと同じ5。使えないじゃん。


「しまったああああああああ!」


 俺にとっては名も無き村の入り口で、マリアにとっては何もない街道の真ん中で、俺は頭を抱えて絶叫した。







「……じゃあ、ポイントを降ってなかったからMPが足りなくて使えなかっただけ、と?」

「ああ。うっかりしてた」


 あれから即座にポイントを割り振ったので、今はMPも11まで上がった。


 運営に当てたメール、どうしようか?


 俺馬鹿丸出しじゃん。


「間違いに気づいたんだから、それもメールしとけばいいんじゃないかな?」

「おお、それだ! 流石マリア」


 運営さんへ……先程のメールは間違いです。自己解決しました。有難うございます。と。


「じゃあ、早速見せてよ、召喚術」

「オーケー、任せとけ。契約に基づき、我は汝を召喚せんする、クロウ」


 詠唱と共に、魔力が形作られ真っ黒なカラスが現れる。


「うわぁ、可愛い! 触っても大丈夫かな?」

「俺が呼んだし大丈夫なんじゃないか」


 俺の回りを飛び回るカラス=クロウ。


 ピョンピョン跳ねながら、クロウを触ろうとするマリア、声をかけて指示を出す俺。


 以上の事を暫く繰り返し、ある程度の事がわかった。


「こいつは俺の言うことを聞かない」

「うう……可愛かったのに……」


 ただ飛んでいるだけだ。これでどうしろと?


「どうしようか?」

「むしろ、俺が聞きたい」


 ペットみたいな扱いをしろって事か?


「あ、どこ行くの? カラスさん?」

「何だ? どうするつもりだ?」


 急に俺の元を離れるクロウ。


 こいつの事は何もわからない為、とりあえず後を着いていく俺達。


「どこに向かってるのかな?」

「知らん。役に立つのか? こいつは」

「ひょっとしたら、行った先に宝物があるかもよ?」

「御伽噺の世界だな」


 飛行速度は速くない為、小走りで着いていける。

 何なんだ、一体。もう少しスキルの説明をわかりやすくしろ。全くわからん。


「……宝じゃないが、モンスターがいたな」

「そうだね。モンスターだね」


 いたのは1匹のストーンイーター。このままじゃ、進行方向にぶつかるな。


「クワァア!!」

「おお、襲いかかったな。立ちふさがるものは排除するルーチンなのか?」

「嘴で突っつくの可愛い……」


 1対1でガチンコ中のクロウとストーンイーター。

 思わず立ち止まって見ている俺達。


「ストーンイーターって、空中に攻撃出来ないんだな」

「でも、上手く相打ち狙いでやってる」


 やはり、常時飛んでるクロウの方が有利でクロウが一撃を受ける間に三回は攻撃してる。


「あ、倒した」

「……経験値は俺にも入るんだな……戻ってきたな」


 HPを半分以上減らして辛勝のクロウは、そのまま進むかと思いきや、クロウは俺の所へ戻ってきてまた周りを回りだす。


「これはどう言うことだ?」

「索敵してストーンイーターを倒しにきたんじゃないの? 僕達の居場所から近かったし」


 そんな便利機能が、クロウについてるのか?


「あ、また飛んでいった……」

「……あそこにラビットがいるな」


 迷う事なくラビットに突撃するクロウ。


「その仮説。どうやら事実みたいだ。でも、あのHPだと……」

「やられたね」


 まあ、そうなるよな。元々最大HP10しかないんだあの感じだと残HP3位か。


 一撃を加える事なくラビットの必殺のジャンピングタックルを受けて消滅する。


「責任を取って最後までやれ……契約に基づき、我は汝を召喚する、クロウ!」


 再び現れたクロウは、現れてすぐにラビットに向かう。


「あれにディフェンスかけれる?」

「……無理みたい」


 ふむ、一撃で1/3まで減らされてるし。対してラビットは1/5も減ってない。


 俺の残MPは2……もうすぐ3まで回復するだろうが。


 折角だからスキルを使って戦いたいよな。


「無作為に敵をサーチアンドデストロイじゃ召喚しっぱなしって訳にはいかんよな」

「敵にぶつけて帰ってもらうしかないの? それは一寸可哀想な気がするよ」


 呼べるんだから戻せないのか? スキル説明に書いてないのか? ……って言うか、なんかスキルあるし。アンサモニング? サモニングの逆か……さっきまではなかったな。これが自分で召喚したモンスターを戻す手段なのかな?


「アンサモニング、クロウ」

「あ、消えたよ、そのスキルがそうなの?」

「みたいだな」


 戦闘中にやる意味はないが……ラビット向かってきたし。

 MPもまだ2しか……って、3になってる? 回復早すぎないか?


「ま、回復したならそれはいいや。じゃあ、行くぞ!」


 ライトボールを発動準備したまま、手負いのラビットに襲いかかった。







「とりあえず、手に入れたスキルについてはわかったな」

「うん。じゃあ、僕達も次の町を目指そうか?」


 どこに行けばいいんだ? 


「町は二つあってね。アズールとミカールって言うんだ」

「二つの特徴は?」

「アズールは武器がよくてヒューマン系のNPCが多い。ミカールは防具がよくて、亜人……ドワーフやエルフが多いって」


 ふむ、差別化してるんだな。どっちでもいいけど防具より武器の方がよくないか?


「マリアは希望はあるか?」

「特にないけど……僕、ナイトを目指そうかな、と思ってるから防具が充実してる方がいいかな?」

「よし、じゃあ、そうしよう」


 意見が分かれたが、俺としては別にどうでもいい位の差しかないし。


「え、いいの? シュールは?」

「俺はどっちでもいいからな。魔法と召喚で戦うから、俺個人よりもマリアが強くなった方が戦力が上がる」


 決まったな。じゃあ、俺達が目指す町はミカールだ。


「今、21時14分か。集中しすぎたな。晩飯の準備しなきゃな」

「え、もうそんな時間!? お母さんに怒られちゃうよ!!」


 母親を気にするって事は引き籠もりじゃないのか?

 いやいや、気にしちゃ駄目だ。それはもっと友好を深めてからだ。


「俺は13時丁度にログインしたから、8時間以上もやってたのか?」

「僕も同じくらいだよ。昨日お母さんに怒られたばっかりなのに……お母さん怒ると怖いんだよ……シュールも一緒に謝ってよ」


 無茶を言うな。


 結局、明日は日曜日な為、今日はお開きにして明日、8時からログインする事にした。




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