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第三十六話

 俺の前に立つゴブリン五体と、その中央に立つエリアボスであるアーマードゴブリン。


 一斉に手にした錆びたナイフや棍棒(と、鉈)で襲いかかってくる。


 俺はそれを見ながら、無言で左手をゴブリン達に向ける。


 それを合図に向かっていく俺のサモンモンスター達。


 出撃モンスターは、超絶レベルの上がった7体のスケルトンに黒騎士、メルクリウス。


 スケルトンを含めて、全員一撃がゴブリン程度なら瞬殺できるくらいの攻撃力だ。

 取り巻きのゴブリンなんて即座に滅殺して、全員でアーマードゴブリンに向かう。


 アーマードゴブリンの一撃は、エリアボスで、更に力任せの一撃なだけあって大ダメージ確定の大威力だ。

 しかし、メンツの中で一番HPの低いスケルトンすら一撃で撃破する事は出来ない。

 流石に瀕死にはなるけどな。


 それだけスケルトンのHPが上がったって事だが。


 つまり……再サモンも殆どいらず、アーマードゴブリンは袋叩きに合い、哀れガリガリHPを減らす結果になった。


 大した言葉を残す事なく消滅するアーマードゴブリン。


「こんな物か……一気にレベルが上がるから、アーマードゴブリンっていいカモだな。何故かプレイヤーはここにこないし、暫くここにいるか」


 上がったサモンモンスター達のレベル、アーマードゴブリンのドロップアイテムを確認しながら、このアーマードゴブリンはいつ頃再ポップするのか、と考えていた。








 唐突だが、サモンスケルトンが数値的に限界に達したみたいだ。

 攻撃は35、防御のは20から上がらなくなった。召喚数は10匹で打ち止め、スキルは結局再生能力(微)しか覚えなかった。回復量はこれまた限界っぽい10秒間に5回復から上がらなくなった。


 残りはHPが僅かに上がっていってる位だ。 


 まあ、MPコスト10でそれだから、十分過ぎるって言えばそれまでだが。


 その為、アーマードゴブリン狩りの次の対象はどうしようか考える。


 候補は黒騎士とメルクリウスだな。どちらも一体だからどっちを複製でレベル上げの対象にするか?


 ……黒騎士が新しく覚えたシールドアタックのレベル上げもしたいし、メルクリウスのレベル制が解禁された追加属性ダメージや知力アップも上げたい……。


 どうしたものか……どうしたものか……。


 そうだ、メルクリウスって装備した状態でもレベル上がるのかな?

 それが可能なら、黒騎士に装備させれば一石二鳥だな。

 試してみるか、黒騎士の装備してるファニーフェイスは俺が装備すればいいな。じゃあ、装備を変更して、と。


 アーマードゴブリンは30分はポップしないので、この郷にいるゴブリンを刈り尽くして試そう。


 俺……ゴブリン達にとっては災厄でしかないよな。


 適当に歩いて、目に付いたゴブリン達に向かって黒騎士を複製しながら差し向ける。


 一刀の元に切り捨てるのを見ながら、そんな事を考えていた。









 はい、予想通りでーす。


 目の前でメルクリウスを所持した黒騎士が、アーマードゴブリン達に対してメルクリウスのスキル、横なぎを発動させる。


 そのなぎ払いで周囲の取り巻きゴブリンは全て消滅する。

 同時にアーマードゴブリンも結構なダメージを受ける。


 めげずに振り下ろしてきた鉈については、手にした盾で受ける。

 1/3以上のダメージをカットする効果がある為、ガンガン増えたHPとあいまって殆どダメージを受けてない。


 逆にメルクリウスのnewスキルである高速で突き出しをする、閃光突きでダメージと共にアーマードゴブリンを吹き飛ばす。

 そしてそのまま斬りつけながら、手にした盾で殴りつけシールドアタックを発動させる。

 もうそのHPは風前の灯火である。むしろHP高い方ろうなぁ。

 

 シールドアタックのスタン効果で、倒れたまま固まるアーマードゴブリン。

 最期に人間にはなし得ない早さで剣を二回振る二段斬りで、そのHPを削りきった。


 その攻撃力を考えると確実にオーバーキルだなぁ。


 毎回短期集中レベル上げをした時に思うんだが……やりすぎたな。


 当然だが、メルクリウスの攻撃力と黒騎士の攻撃力って重複して計算される。

 成長する武器ってどこまでも攻撃力上がるから、とんでもない破壊力になってる。

 レベルも相まってまさかの攻撃力118だ。ファニーフェイスを装備した俺の10倍近い。


 しかも、どちらのスキルも装備者の黒騎士が使えるから、敵なしの状態だ。

 実際エリアボスのアーマードゴブリンが赤子の手をひねる位楽勝だった。

 レベルがはるかに高いからこんな物かもしれないが。


 ああ……なんて言うか、黒騎士は殆どの数値が限界に達しています。

 所持スキル位しかあがる物がない。


 鑑定品もアイテムも文字通り山程たまったし、流石にミカールに戻るかな。


 逆にこんなオーバーキル軍団出して歩いてたら、当初恐れていた立ち直れない位の罵詈雑言を受けまくる可能性大だ。


 ああ、俺、一人縛りプレイを余儀なくされてる……世は全て事もなし。


 強なった筈なのに、悲しみにくれながら俺は帰路についた。


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