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第二十七話

「今更だが……どんなクエストなんだ?」


 俺も同時にクエストを受けたが、エセ関西弁が途中途中で茶々を入れてくるからよくわからなかった。


「あんな、敵を倒す奴や」

「スガタは~相変わらず~ネジが一本~外れてます~クエストは~誇り高き死者に安らかな眠りを~と言う~クエストです~内容は~イグルー洞窟に~眠る~三体の死者に~黙祷を捧げる事~」


 あーなんかそんな事言ってた気がするなぁ……何となく思い出してきた。


 三体の死者に黙祷……対象が三体だからって言うのがミソだな。

 だからプレイヤーも三人指定なんだろうな。しかし、わざわざ指定するって事は、三者三様に別れて同時にやらなきゃ行けない事があるって事か?


 二人にそれを聞いてみるが、スガタは何も考えてないようで 「そんなん知らんがな。適当に決めただけちゃうか?」なんて言いやがる。


 テイトは「恐らく~いるであろう~クエストボスの~強さが~プレイヤー三人分程度の~強さじゃ~ないんでしょうか~」と、俺とは異なる見解を示した。


 プレイヤー三人分ってどの程度だ。そもそも、クエストボスやエリアボスの強さってよくわからないんだが?


 俺はアーマードゴブリンと黒騎士ついては、頼りになる俺の愉快な仲間達で袋叩きにしたからその強さのレベルがよくわからない。

 スキルを温存して勝てる相手なんだろうか? 



 ま、無理ならこの二人と協力すれば何とかなるかな?


 無理だったら……諦めるか、全力で行くか。


 うーん、迷う。その場で決めるか。


 それにしても……クロウの大量レベルアップの原因は一体なんなのか?

 特に隠さず俺の内情を話せるのは、一番信頼出来るプレイヤーのマリアだけ。


 俺には全く想像も付かないし、とりあえずの仮定すら出てない。


 一緒に協議できる相手のマリアは現在絶賛活動休止中。


 早く親御さんのラグナロク禁止令を解禁してもらって戻ってきてくれないかな?




 ……あれ? 何の話だっけ?


 





 俺はぶっちゃけ、クエスト地であるイグルー洞窟と言う場所への道を知らない。と、言うより、名も亡き村からミカールへの道以外は、ミカールの外周と子鬼の郷までの道しか知らない。

 なので、前を歩く二人にただついて行くしかない。


 前を歩く二人の装備は、力が高くて魔法系のステータスが低いワーウルフであるスガタは、鎧はやはりブロンズメイル。

 武器はブロンズアクスを腰に下げてある。後、左手には初期の盾であるバックラーを装備してる。


 そして、知力や魔力にが高く、力や体力が低いエルフであるテイトは、軽装の服装備である森人の服(エルフ専用の低ランク装備らしい)。

 武器は弓であるハンターズボウを装備してる。


 なんか……テンプレな装備だなぁ。


 そういえば、弓装備で使う矢って消耗品なんだろうか?


 俺はサモンスキルを知らない人からしたら、自殺行為か!? 何でこんな適当な装備なのかわからないZE、Hahaha。的な装備をしてる。


「シュールは何で防具つけてないんや? 三倍早く動くつもりかいな」

「私達みたいな~低レベルの段階で~マジックアイテムを二個も持ってるなんて~凄いです~」


 なんて、テイトはなんか反応おかしかったが、スガタには現にそう言われる始末だ。


 もしこれで、ユニークを二個持ってるなんて知れたらどんな罵声を受けるか……恐ろしや恐ろしや。


「おい、テイト。ゴブリンや、二匹もおるで、どないする?」

「一寸拙いですね~シュールさん~どうしましょう~?」


 どうしようって、どう言う事だ?


 誰が倒すかって事か?


 いや、違うな。テイトの目は、このまま行ったら全滅しちゃうんですけどどうしましょう~?

 って感じの目だ。こんなテンション下がるような相手か?


 こっちは三人もいるんだぞ?


「そんな見られても……普通に倒せばいいんじゃないか?」

「んな事出来るかいな!」

「そうですよ~あんな素早いのに~私~当てられないです ~」


 素早い? ミミズやウサギに比べてって事か? じゃあ、蜂はどうやって倒してたんだ?


 この二人、近接と遠距離で凄くバランスいいのに、相性とかが悪いのか?


「もしかして……勝てないのか?」

「賭けやな。わい等は特化型で速攻型やねん。一 体なら楽勝なんやけど……」

「難しい~ですね~」


 速攻で特化? スキルとかが偏ってるって事か?


 まあ、一体は楽勝なら俺としては、今の武器だけで対応出来るだろうし、手の内を晒さないで済むからいいんだけどな。


「じゃあ、俺が一体足留めするから残った一匹を仕留めてくれ」

「あかんあかんあかんあかん! んなことしたら自分死んでまうやん! あかんよ」

「そうです~私は~皆で楽しむ為に~シュールさんに~声をかけたんです~自己犠牲の精神なんて~流行んないですよ~」


 なんか、物凄く俺が無茶を言い出した、みたいな対応をされてる。

 俺そんなに弱そうに……見えるか。


 そうだ、防具村人の服だっけ?  で、小手こそ立派だが、確かに木の杖持って満足に戦えると思われないか?

 確かにスキルの有無もあるが、キチンと戦うようには見えないかぁ、俺、侮られてるなぁ。


 そう思ってるならじゃあ、何故俺を誘ったんだ?


 お、ゴブリンと目があった。モウイイ? みたいな顔してるし、俺も、バッチコイヤ、と返したので二匹で奇声を上げながら向かってくる。


 この奇声も、日本語とかに変換すると「うおおおお!」とか「玉取ったるでーーー!」とかになるのか?


 ま、俺を誘った理由はこらが終わってから聞いてみるか。レベル云々だけじゃなさそうだし。


「大丈夫、大丈夫。ほら、どうせ既に見つかってるんだから……」

「わ~本当です~スガタ~やりますよ~」

「マジけ? しゃーない。ほな、一匹任せたで! 絶対にやられるんやないで! 絶対やで!」


 そんなにラスボス戦に挑む冒険者みたいな事言われても……。


「俺は死な無い。俺には待ってる人が居るんだ。必ずここに戻ってくる」


 とか、死亡フラグ満載のセリフでも言えばいいのか?


 それに相手のゴブリンだって、街からは離れてるとはいえ、まだ街道沿いに出るようなゴブリンだ。

 強さも装備とかを見るに、ミカ ール周辺のものと大して変わるまい。


 過剰に心配されながら、俺はゴブリン相手に子鬼の木の杖を構えた。




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