第二十二話
やってしまった。
街でMP回復薬類を資金の許す限り購入して、常に限界までのクロウの召喚と複製の連続発動。
それを一時間程度やった結果…………。
サモンクロウ
レベル、47
消費MP、5
召喚可能数、20
威力、7
HP、21
スキル
サミング
レベル、73
盲目状態
発動率、61%
効果時間、23秒
フラッシュ
レベル、41
防御力低下
発動率、33%
防御力低下値、9
効果時間、18秒
オートスキル
敏捷性up
レベル、23
上昇率、25%
盲目耐性
レベル、9
追加耐性率、11%
召喚の限界数は20で打ち止めらしく、その後に隠しステータス的な感じで攻撃力(威力)の項目が追加された。
しかも、HPも上がるようになったので、なんて言うか……普通に超強いカラスの軍団が出来上がってしまった。
スキルは10レベルアップ毎に覚えるみたいで、30、40で覚えたのは自動発動型の敏捷性upと盲目耐性だった。
召喚獣も状態異常になるって事だよな。意外だった。
で、複製がどうなったかというと……。
複製
レベル、59
消費MP、10
複製可能数、3
複製可能時間35秒
複製率、44%
正に洒落にならなくなっている。攻撃力の半分近い威力が出るのだから、正直有り得ない。
しかも複製可能数とは、同時に複製出来る数である。
俺はそう思っていた。
当たりだ。しかし、それだけじゃなかった。
なんと、同じものが複製出来るのだ。
つまり、メルクリウス4体の同時攻撃も可能という無茶苦茶振り。
しかも未だ不具合として修正される様子はない。
これはあれだ。
まだまだ電脳の神は、俺にこの有り得ない奇跡を続けろと言う思し召しに違いない。
もっと一気にレベルが上げたくなってムズムズシてる俺。
俺(主にクロウ)は大分強くなってるし、もう少し街から離れてみるか。
総決めると、MPの関係で最早同時召喚なんてとても出来なくなったクロウ20匹。
それと、流石にバグには遅れを取ってレまい、レベルが開いてしまったレベル7のメルクリウスを引き連れて大何処かはわからないけど、何処かへ突撃大会を開催した。
そして何だかよくわからない山に入ったオレたちだが、少し進むと散発的にゴブリンが集まっている場所に出た。
システムメニューで確認すると、子鬼の里とある。これはあれか?
ゴブ的なあれの住処か?
大体5匹位で一グループになってるゴブリン達。
まあ、勝手に殲滅活動を繰り返すクロウ達とメルクリウス。
20匹と一体は、一斉に一体のゴブリンに襲いかかり文字通り瞬殺する。
その間に残り四体のゴブリンに攻撃されたクロウ達は、その大軍を四分割して殲滅に当たる。
数が増えてから、分割戦闘を行うようになったクロウ達。
頼もしい、と言うか隙が無くなった為不死身の軍勢だな、おい。
これも殆ど時間を取らずに殲滅を終えて、俺の元に戻ってくる。
そして、当然のようにレベルが上がるサモンクロウとそのスキル。
このレベルアップの表示も聞き飽きたよ。
劇は後はゴブリンのドロップも手に入って、敵も袋叩きに出来る為、楽勝。
しかし……ゴブリン5体に二分もかからないとは。まさに楽勝だな
ここで、喜ばしい事が起きているのだ。
なんと装備が手に入ったのだ! 武器は未鑑定の棒が二つ、防具も小手と足具。
未鑑定品らしく鑑定がいるが……俺、金がないな。
ゴブリン討伐クエストポインタ中なので、この蹂躙劇に調子に乗って、プラス、金銭的な問題から俺はどんどん奥に進んでいく。
ここはどうやらゴブリンのレベルが外より高いらしい。
判断基準は仲間達が拍車をかけたようにレベルが上がるからだ。
そうなると、レベルが上がりやすいって言うのは、取得経験値が多くなってるって事か?
うーん、細かい事はよくわからん、必要に迫られたら考えよう。
そんな訳で、俺は大して苦労しないまま最奥と思われる行き止まりまでたどりついた。
そこには、一回りデカい似合わない全身鎧を着て、鉈みたいなものを所持したゴブリン? と、と、そのしもべと思われる五体のゴブリンがいた。
「ヨクモ ナカマヲ。 カクゴシロ ニンゲン」
急に会話の余地なく襲いかかってきたアーマードゴブリン(メニューで確認した)。
奴が動くと同時に、俺の頼もしい仲間達もアーマードゴブリンを含む全モンスターに襲いかかった。
戦闘は終始俺のペース。
常に盲目状態で防御力が低下してる状態のアーマードゴブリン。
流石にボスらしく、こいつの一撃でクロウ2~3匹は一撃で落ちるものの、再召喚に苦労なんてない。
かなり攻撃力があるようで、メルクリウスも半分位減らされる。
俺もサポートしようと複製を唱える。
やはり対象は攻撃力が上の、メルクリウス三体にして戦闘に参加させる。
集団の中で二十匹のクロウが飛び回ってる為、細かい手下のゴブリンが何体残ってるかもよくわからない。
なので、レベル5の時に取得したメルクリウスのスキルを発動させる。
「メルクリウス。スキル、なぎ払い!」
メルクリウスの刀身が幻影のようにのびて、広範囲をカバーする横なぎを行う。
なぎ払い。射程を伸ばした横なぎの事。追加で攻撃力ボーナスがつく。
問題は再使用までリアル6分かかるって事。
だが、威力はある、
「グ、キサマ、キサマーーーーー!!」
盲目で攻撃も当たりにくくなってるのに、こんな袋叩きにあったアーマードゴブリンは大した特徴も出せずに、そのまま地に倒れ伏した。
いつの間にか、周りのゴブリンもいなくなっていた。
「ボスっぽかったけど……やはり、レベルから考えればこんなものなのかな? 経験はかなり高かったみたいだ。俺も含め、殆どの対象がレベルアップしてるな。ん? メルクリウスのレベルが10になってる。今ので一気に3も上がったのか? て、事はやっぱりエリアボス的な奴か」
そういえば、レベル10だから何かスキルを覚えただろう?
やばい。すっごい楽しみなんだけど……。
一寸確認……おお! 水属性攻撃が、解禁されてレベル制に切り替わってる。
どの位かな、と、思ってたけど初めは1%だったんだ。
そんなもんだったなら、攻撃時に入る水のエフェクト詐欺じゃね?
ま、いいけど。
さて、ドロップアイテムは、と……お、未鑑定品だ。
剣系の武器か。
何が手に入るかとても楽しみだけど……目の前に宝箱が。
今までは無かったはず。
となると、アーマードゴブリンを倒した報酬と考えるのが妥当か。
ならば、開けるしかないな。
宝箱の前にたった俺はゆっくりと宝箱を開けた。




