第二十話
「はい、確かに。クエスト、畑を荒らす不届き物を倒せ、のクリアを確認しました。こちらが報酬の500ゴールドです」
「有り難う、で、連続してクエストを受けたいんだが……」
ギルドで報酬を受け取った俺。そのまま次のクエストを受ける。内容は前と似たような討伐クエストだ。
人々に害をなす亜人を倒せ。
クラスF
クリア報酬、300ゴールド
概要、ミカール外周に徘徊するゴブリン2体の討伐。
一撃は紙装甲の俺には痛いが、ゴブリンなら既に倒してるから余程油断しなければ問題ない。
クエストを受託してミカールの街の出口に向かう。
「マリアはログインしてないか……流石に昨日の今日じゃ無理か?」
恐らくこってりご家族様に絞られているであろうラグナロク唯一のフレンドに、ショートメールで安否確認だけしておく。
「ゴブリンを相手にするなら武器……は、メルクリウスを使えばいいとして、防具もキチンと揃えなきゃいかんかな? 忘れてたがまだ初期の服しか装備してなかったな」
敵からドロップしないかな? ゴブリンの……は汚いな。しかし、もしドロップしたら綺麗になるとかだったらいいが……取りあえず折角のゴールドを使うまでもないか。
目にした奴から狩り尽くすか。
「……よもやここまでとは……」
俺は地面に落ちているドロップアイテム、錆びた短剣を拾い上げる。
その先には俺の頼りになるしもべ達が、ゴブリンを袋叩きにしてる。
ゴブリンに張り付くように、くちばしを使っての突っつきや突撃を繰り返すクロウ×4。
それに混ざるようにその身を横や縦、それに突きも入れながら斬りつけるメルクリウス。
ゴブリンの一撃はクロウを一撃で消滅させるが、俺のスキル発動ですぐに召喚されて戦列に加わる。
メルクリウスはその身が剣だからか、俺よりも全然頑丈だ。
攻撃を受けた感じからするともう一発……計三発まで攻撃に耐える事が出来そうだ。
防具の重要性って大きいのか?
やっぱり何か買うべきか……?
ガンガン減っていくHPを見ながら考える。
いや、やはり最低ダメージが1保証されてるから、俺はただMPを消費しての召喚タンクになればいいだけだろう。
「……ん、倒したか。武器がないと仮定しても、ライトボールがある俺も比較的安全に戦列に安全に加われる。俺も含めて考えれば6対1。もっとライトボールに射程があればもっと安全に出来るな」
まだまだMPが足りないな。もっと増やさないと……。
これで、クエストのゴブリン二匹は倒した。追加報酬はないから、一回戻ってまた次のクエストを受けるのが望ましいな。
とりあえず、もう一つ覚えた新しいスキル、複製を試してから戻ってニュークエストに繰り出すことにするか。
「とかなんとか言ってると……お、来た来た……愛しのゴブリンさん!」
襲いかかる俺のしもべ達。早くしないと俺が攻撃する前に終わりかねないので、複製の詠唱に入る。
何を複製しよう? 一般的に考えると一番強い装備武器……メルクリウスか? でも、武器じゃなく召喚獣なんだが……できるのかな?
「やればわかるか……我は真理を見通す偽を託さん、複製!」
スキル発動と共に俺の手が輝き始め、メルクリウスと全く同じ長剣が俺の手に現れる。
「おお、出来たなぁ……じゃあ、これで……と?」
複製で作り出したメルクリウス(偽)は、俺のテを勝手に離れると一直線にクロウ四匹、オリジナルのメルクリウスと戦闘中のゴブリンに飛んでいった。
「ええと……複製は召喚獣だったら召喚獣を複製するって事か?」
剣として使えるかな? と、すこし思っただけなのに、まさか召喚獣として使えるとは。
あっという間に四匹と二体に袋叩きにされるゴブリンA。
メルクリウス以外の予ダメージが1なのに、見る見る減っていくHP。
当然一撃でやられるクロウを次々と再召還する。
複製率が10%だからダメージは期待できないと思っていた。
(15ダメージなので、切り捨てで1の為)
しかし、3~4ダメージ程度の属性追加ダメージが入ってるらしく意外に戦闘に貢献している。
そう考えると通常のメルクリウスのダメージってとんでもないな。
そして、ぱっと見ほぼ同時に消える偽メルクリウスとゴブリン。
「10秒か……ゴブリンも落ちたか。偽メルクリウスはダメージは受けなかったか。これ……消費MP10は安くはないけど、追加系の発動があるなら超使えるスキルじゃないか」
行ける! これは激しく行ける!
タンクに相応しいMPをもっと振って、戦闘に備えないと……。
なんだか楽しくなってきた俺は、色々複製しながら戦闘を続けていた。
レベルも上がったよ。こんな状態でレベルが上がったが……何にステータス振るかは、わかるだろ?




