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第三話

「着きました!ここが、ヒビキの国です!」

「ここが、かぁ。」


歩いて数時間、モンスターを倒しながら、ヒビキの国に着いた。

目の前には、関所がある。


「姫様! ご無事でしたか!」


関所にいた門番兵が、瑠莉奈に声をかける。

馬車には護衛兵がいなかったけど、なしで行ったのか?


「えぇ、この方が助けてくれたのです。」

「そうでしたか! 助けていただき感謝します!」


門番兵は俺に頭を下げる。

そして、関所を超え、街の中へと入る。

そこには、着物を着た人で沢山で賑わっていた。


「活気がいいな。」

「えぇ、皆さん、優しい人ばかりですからね。」


場内を歩いていると、一人の女の子がぶつかってきた。


「ご、ごめんなさい……。」

「んにゃ、大丈夫か?」

「うん……。」

「次からは、前見て走るんだぞ?」

「うん!」


女の子は手を振って去って行った。

俺も手を振り返すと、瑠莉奈はフフッと笑っていた。


「お優しんですね。」

「いや、怒ることでもないでしょ、子供は元気が一番だ。」

「……やはり、この人なら(小声」


何やらボソッと喋っていたけど、俺は気にないことにした。

そして、お城の前に着くと、鎧を着た女性が立っていた。


「姫様! ご無事ですか!?」

「桜!」


女性の名は『桜』というらしい。

それにしても、立派な槍だな~。


「はい、この方が助けてくれたのですよ。」

「そうでしたか! そこの方、姫様をお守りいただき、ありがとうございます!」


桜は俺に頭を下げて感謝する。

俺は、いやいやと手を振るが、彼女は頭を下げっぱなしだ。


「桜、誠様を大広間に案内したいのですが。」

「承知しました! 誠殿、こちらへ!」


桜の案内で城内へと入って行った。

そして大広間に入ると、そこには数人の武将らしき人たちがいた。

瑠莉奈は上座に、俺を連れて座る。


「皆さま、ご心配をおかけして、申し訳ございません。」

「そうですよ、護衛もなしに外に出るとは……。」

「まぁまぁ、いいじゃねぇか。」


桜が苦言を言おうとしたところに、一人の男がとがめる。

背中には、巨大な斧を背負っている。


「姫だってよ、お前みたいな堅物に守られても、息が詰まるだろ。」

「風雅! 誰が堅物だと!?」

「お前だよお前。」

「貴様ぁ!」


あらら、これ喧嘩になるんじゃないの?

そう思っていると、一人の男が間に入る。


「まぁまぁ、桜姉さんも、風雅の旦那も落ち着いて。」

「そうだぜ、流ノ介の言うとおりだぜ?」

「ぐぬう……!」


流ノ介と呼ばれた人が喧嘩を止めた。

腰には、小刀を付けている。

あの人は忍者かな?


「……今は姫様と助けた人の話を聞くべき。」


もう一人の女性が、話を戻してくれた。

背中には、巨大な苦無を背負っている。


「……そうだな、水無月の言うとおりだ。」

「桜は、もう少しスルーを覚えたほうがいい。」

「ぬぅ……!」


あの人は水無月というのか、くノ一かな?


「皆さん、この方が助けてくれた、如月誠様です。」

「如月誠です、どうぞよろしくお願いします。」


瑠莉奈に紹介されて、俺はぺこりと頭を下げる。

流ノ介と水無月はパチパチと拍手をし、風雅はフーンとみている。


「お前さん、どっからきたんだ?」

「えーっと、アリネスから。」


風雅の問いに俺が答えると、皆渋い顔をする。

あれ? なんかまずいこと言ったかな?


「アリネスは、我らが苦手とする国です。」

「別にお前さんが悪いわけじゃない、ただな……。」

「あそこの王様、いろいろうざったいですよね~。」

「正直、皆あそこが無理という感じ。」


なんだ、俺じゃなくてよかった。

しかし、あの王様、相当嫌われてんな~。


「そこで、私、考えたんです!」

「何をだ?」

「誠様を、殿にすることにです!」


……え?


「「「「ええええぇぇぇぇ!?」」」」


俺だけでなく、そこにいた四人も大声で驚く。

そりゃそうだよ、だっていきなり殿様だなんて。


「姫! 申し訳ありませんが、私は反対です!」

「あら、何故ですか?」

「誠殿には感謝しています、しかし、いきなり殿に認めるわけにはいきません!」


瑠莉奈の提案に、桜は反対した。

他の三人も、うんうんと頷いている。

当の本人の俺も、うんうんと頷く。


「でも、誠様は優しいですよ?」

「優しいだけでは、殿にはなれません! なので、私が見極めます!」


え?

これって、俺は殿様にならない話じゃないの?

みきわめるって、まさか……。


「誠殿、私と手合わせ願います!」

「……まじか。」


訓練所


「申し訳ありません、しかし、私は従い人に従いのです。」

「いやいや、桜さんが謝ることはないよ、当たり前のことだからさ。」

「感謝します、では……!」


桜は自慢の槍を構える、俺もショートソードを構える。


「さてさて、どっちが勝つかねぇ。」

「いや~、さすがに桜姉さんでしょ~。」

「うん、戦ってきた数が違うから。」


三人の予想は桜が勝つと考えている。

瑠莉奈は、何も言わずにニコニコと笑っている。


「では、参る!」


その言葉と共に、強力な突きを放ってくる。

俺は何とか受け止めるが、その衝撃で後ろに下がってしまう。


「はぁぁぁぁぁぁぁ!」


次は縦に斬ってくる、受けとめるがすごい衝撃だ。

ギリギリと音を立てて、鍔ぜりあう。


「ほほう、中々やるな。」

「桜姉さんの攻撃受け止めるとはね。」

「……でも、桜は()()を出してくるかも。」


水無月の言葉に首をかしげる。

すると、桜は構えをとる。


「誠殿、我が必殺を受けてもらいます。」

「必殺?」




「我が奥義! 『槍牙・戦列撃』!」


鋭い連続の突きが放たれた、誰もが終わっただろう。

そう思われたが――


「スキル『見切り』!」


俺は、『見切り』を使い、『槍牙・戦列撃』」をすべて避けた。


「な、何だと!?」


桜も予想外だったのか、攻撃を止めてしまう。

俺はそれを見逃さず、桜の槍を吹き飛ばす。


「勝負あり、ですね。」


瑠莉奈は、嬉しそうに微笑んでいた。

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