表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

第一話

「如月誠! 貴様をアリネスから追放する!」

「…はい?」


この時は、どうしてこうなったのだろうと思う。

時は数時間前に遡る―


俺の名前は【如月誠】高校三年生である。

周りからは、普通の人間、何のとりえもないと思われている。

まぁ、そうなんだけどね。


クラスはいつも通りにワイワイしている、俺を除いては。

そもそも、俺はクラスに馴染めなかった。

だから、いつも本を読んで過ごしている。


「おーい、普通くーん、何読んでのー?」


出た、クラスの陽キャ、【悪田久美男】

いつも、人を見下しては馬鹿にしている。

クラスの大半が、奴に従っている状態だ。


「…本だけど、何か?」

「プッ! 聞いたか!? 何か? だってよ!」


俺の言葉を馬鹿にして、腹を抱えながら笑う。

周りの奴らも、同じく笑っている。

だから嫌なんだよ、このクラスは…。


キーンコーンカーンコーン


「お前らー、座れー。」


チャイムと同時に、先生が入ってくると自分の席に戻っていく。

自分も教科書やノートを出す。


「ねぇ、如月君。」

「何、日南さん。」


俺の席の隣に座っている【日南 恵理子】さんが声をかけてくる。

日南さんはクラスの人気者、マドンナ的存在なのだ。

あの悪田も、惚れているのだ。


「実は、教科書忘れちゃって、よかったら見せてくれない?」

「別いいよ。」


日南さんが自分の席と、俺の席をくっつける。

うわー、悪田が睨んでくるよー、怖ーい(怖いとは思っていない)

そう思った瞬間、床が光りだした。


「え、何?!」

「なんだよこれ!?」


クラスメイトは、パニックになっている。

それはそうだ、床に魔法陣が敷かれているからだ。

そして、魔法陣が光りだし、俺達は眩しさから目をつぶった。


しばらくして、目を開けると俺達は見知らぬ場所にいた。

本や漫画に出てくる、城の内部のような場所だ。


「おぉ! よくぞ来た! 異世界の戦士たちよ!」


声が聞こえたほうに向くと、王冠を被ったおじさんがいた。


「突然のことで済まぬが、この世界を救ってくれ!」

「せ、世界を? どういうことですか?」


おじさんの言葉に、日南さんが質問をする。

おじさん、つまりこの城の主【ダーメル・ダメス】王によると、この世界は魔王に支配されようとしているという。

つまり、俺達は世界を救うために異世界召喚されたわけだ。


「わかりました! 俺達が世界を救ってやりますよ!」

「そうか! 頼もしいな、そなた名は?」

「悪田久美男と言います!」

「悪田よ、まずはわしの前に立ってくれ。」


悪田は言われた通り、ダーメル王の前に立つ。

すると、ゲームで出てくるような、ステータス画面が表示される。


「な、何だこりゃ!?」

「それは、ステータスと呼ばれるものだ、ステータスといえば、いつでも見られるぞ。」


なるほどね、異世界というのは嘘じゃないな。

悪田のステータスには


名前:悪田久美男

力:14

防御:15

知力:12

速力:11


ジョブ「勇者」


と書かれていた。


「おぉ! そなたが勇者であったか!」

「まじかよ…、俺が勇者だって…。」


まさかの悪田が勇者か、ジョブがわかり次第、逃げたほうがいいな。


「他の者たちも、己のステータスを見てみるのだ。」


ダーメル王の言葉に、クラスメイト達は興奮気味にステータスを開く。

戦士、剣士、弓兵、魔導士、僧侶など、色々あるようだ。

そんな中、日南さんは―


「わ、私、聖女って書いてある…。」

「な、なんと! 聖女とは! この世界は救われるぞ!」


今度は日南さんが聖女か、クラスメイトは流石だと褒めていく。

さてと、俺は何だろうな。


「ステータス」


俺は自分のステータス画面を見る


名前:如月誠

力:11

防御:9

知力:8

速力:19


ジョブ:侍


「さ、侍?」

「な、何だそれは!? 聞いたことがないぞ!?」


俺のジョブに、ダーメル王は何故か怒りだす。

そんなこと言われても困るんだけど。


「き、貴様! 名はなんと申す!?」

「如月誠ですけど?」


「如月誠! 貴様をアリネスから追放する!」

「…はい?」


そして現在に至る。


「まじかよ…。」

「あいつ、追放だってよ。」

「まぁ、何かやると思っていたけどね~。」

「何か、ざまぁねぇな。」


俺が追放されることにクラスメイトは、当たり前のように言ってくる。

特に悪田に至っては―


「お前まじかよ! 追放だってよ! 馬鹿だなお前!」


俺を見下し、馬鹿にしてくる悪田に嫌悪感を抱く。

何なんだ本当に…!

味方であろう日南さんのほうを向くと、顔を背かれてしまった。

巻き込まれたくないのだろう。


「はいはい、わかりましたよ、俺だってこんなところはごめんだ。」


そういうと、俺は扉に向かって歩き出す。

後ろでは、全員がワイワイと騒ぎ始める。

俺は、そっと扉を開け部屋を出て行った。


こうして、俺は異世界で追放されたのである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ