25 You look like the kokeshi doll.
「紫苑ちゃん、はい。これ、お土産」
「うわ~!おいしそうなクッキー!ありがとう!どこに行ってきたの?」
「イギリスだよ」
「イギリス!イギリスと言ったら、あれだよね!」
「あれ?」
「うん。あれ、ベッキンガム宮殿」
「…バッキンガム宮殿…」
恥ずかしかった言いまつがい。
今日もこんなかんじです。こんにちは。
私は、外人に話しかけられやすいようだ。
いや、決して日本美人というわけではなく、幼児体型だから。子供に接するように外人は上から目線で接してくるのだ。
以前、靴屋でバイトしていた時は、東南アジア人女性に涙目になりながら
「あなた…働いていいの?あなたのおうち、貧乏なのね。まだ私の娘と同じぐらいでしょうに…」
みたいなことを言われたから、
「貧乏ですが、私は、もう働いても良い年ですよ。」
と切り返したら、ものすごい勢いで
「何言っているの!あなた、まだ小学生でしょう!小学生に働かせる親なんて信じられないわ!」
と怒りだしてしまった。
あわわわ。
小学生かよ。
子供に見られることは慣れていたけれど、さすがにショックだったなぁ。
先日、浅草を歩いていると、前からきた外人(西洋人)に
「こけし、こけし」
と言われた。
せめて、雛人形と言ってもらいたかった。
「NO!I AM NOT KOKESI!PLEASE CALL ME HINA PRINCESS!OK!?」
と言ってやろうかと思った。
日本の文化は好きだけど、比喩に使われるとちょっとムムム…となる。
「フランス人形みたいに可愛いわね」
「ジェニーちゃんみたいに、スタイルがいいわね」
そう言われたら嬉しいけど、
「五月人形みたいね」
なんて言われたら、それってどうなの!?である。
(五月人形も言われたことある)
しかし、仲見世通りにはこけしと言われて傷心な私を浮上させるものがあった。
「逆刃刀」である。
見つけた瞬間、私はショーウィンドウに、字のごとくへばりついた。
自分の吐く息でガラスが曇るくらいに近づいた。
あぁ…欲しい。
剣心とペアルックしたい…
値段は69800円…の20%引き。
20%引きというのが、なんだか胡散臭くて、逆刃刀のありがたみを損ねるような気がしたけれど、必死に気のせいだと思いこむことにした。20%引きは、刀をしまう時、場合によっては刀身の20%引き出しからはみ出ます。の略なんだーい。
内なる興奮を毛穴から滲み出している日本人女性を興味津々で見つめていた外人チャイルドがいた。
彼は私が見つめる先の刀を見て
「サムライソード!!WOW!!」
と言った。私はサムライソードと言う言葉が妙に気に入り、
「イエッス!!ディスイズサムライソード!!」
と話かけると、キラキラした瞳でなにやら意味のわからないことを発した。
う、ういやつ
調子に乗った私は
エアソードを振りかざし、カキーンと言いながらチャイルドにふりかかる。
チャイルドはブオオオオオとか言いながら、私のエアソードを受け止め、薙ぎ払う。
お主、なかなかやりよる。
これでもくらえ!
飛天御剣流!龍追閃!!
私のエアソードがチャイルドの脳天をかすめたところで、チャイルドのマザーがやってきて
ものすごく、変態を見る目つきで「SORRY」
と言いながらチャイルドを連れ去った。
その剣をふるうもの、全てに勝利を与える飛天の剣だが、国境を越えた変人に対する冷たいあしらいの前にはあっけなく葬りさられてしまった。くそう、まだ傷口がじくじくうずくぜ。




