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24 電車内でウイスパー

先日、電車に乗りながら静かに読書をしていると、男子高校生(野球部)が3人程乗り込んできた。

彼らは「あっちー」とか「つかれたー」とか言いながら私の隣にドカッと腰を下ろした。

私は、なんだか騒がしいのが来たなと、本を閉じ、目を瞑り、無の境地に入ろうとした。

しかし、彼らの若さのパワーにより、あっけなく私の無我は打ち破られ、煩悩の塊のような私は彼らの会話に耳をダンボにするのであった。


A「なぁなぁなぁなぁ。お前女紹介しろよなー」

B「はぁ?お前、ギャルじゃないと嫌なんだろ?俺、ギャルの友達なんていねぇし」

A「えーもういいよ。俺ギャルじゃなくても可愛い子なら我慢する」

C「お前なぁ、この前俺の友達紹介したじゃん。もう飽きたの?」

A「あーあの子さ、田中(仮)の彼女の友達だったんだよねぇ。そういうのってなんか嫌じゃん?だから連絡もう取ってない」


なぜ!?ホワイ!?

私は思わず目を開き、隣に座る男子高生Aをまじまじと見てしまった。

友達の彼女の友達ならば、その子たちとダブルデートが楽しめるじゃない!

恋も友情もハッピー!!最高じゃない!お姉さんはその恋を応援しますわよ!?


と思ったのだが、

C「あ~そうだよな~そういうの、良くないよなぁ」

と男子高生Cも納得なご様子。

友達の彼女とメールをするわけじゃないんだし、良い気がするのにな。

そんな思いで悶々とする私の気持ちなど露知らず、彼らのトークはますますヒートアップしていく。


A「だーかーらー、B、女紹介しろよな!ちょっと、お前、携帯みしてみ?」

B「え?携帯?なんでさ?」

A「お前のアドレス帳に入ってる女の名前を見てどんな子か俺が当てて見せる!当たったら女紹介しろ!」


えー!そんなことできんの!?

驚く私。もう完全に興味津津スイッチが押されてしまった私は、一緒になって携帯を覗きこもうとするが、画面ブロックシールが貼ってあって、中身が見えない。しかも、その画面ブロックシールには

「何見てんだよ!人の携帯盗み見てんじゃねぇよ!!」と言う、濃い顔のおっさんが描かれていた。

マイチキンハートは、その一言で張り裂けそうになり、私は痛む胸を抑え、耳だけ彼らの話に傾ける今までのスタンスを維持していくことに決めた。


A「んー。こいつは教育がなってない!」

B「うん。この子はちょっと空気が読めない。」

A「だろ?なんか、名前からしてそんなイメージだ」

C「すげえな。お前。なんでわかんの!?」


このへんはなんとなく私でもわかる気がする。


A「こいつ!こいつは太ってる!」

B「あー確かに。少し身体が大きいかな。」


これは…ちょっとコメントしがたいな…

名前で体系が決まるわけではないからな…

でもちょっと気になる。

もう一度だけチラ見程度なら…

と思い、携帯を覗きこむが濃い顔のおっさんに睨まれ、再び玉砕。

そして、更なる悪夢が私を襲う。

A「このさー紫苑ってやつ、ぜってーオタクだろ!?」

※紫苑のところには私の本名が入ります。全国の紫苑さん、嘆かないでください。


今度ばかりは、ものすごい勢いで男子高生の方に向き直ってしまった。

Aは、私の服を踏んでいたと思ったのか、すみません。と謝り、再び話に戻ろうとする。

放心状態な私はそのまま動くことができなかった。

今考えるとかなり変態な私の行動にめげずに、話続けられた男子高校生たちはあっぱれだ。

A「字面からして、こいつはオタク以外のなにものでもねぇ」

B「そうかな?この子、割と普通な子だと思うよ?マンガも読んでないし、持ってるものもブランドものだし」

C「ははは。はずれたな!」


ははは。当たってるよ。おい。

ここにその証明がいるでやんすよ。

更に言うと、日本のオタクな女性は一見わからない人が多いのです。

私の友達のMちゃんは超絶かわいくて、世の男は放っておかないようなオーラを醸し出し、ヴィトンのバッグを厭味なく持ち歩くことができる美少女なのに、そのヴィトンのバッグの中には激しいBL小説が入っていたりするのです。

まぁ、私はボロきれをまとった微豚(人間だけど微妙にブタ)のような出で立ちだがな。


いったい、この子はどうやって名前から容姿を判断しているのだろうか。


A「ま、最後は外れたかもしれないけど、後の2人は当てたから女紹介しろよ!俺、この子がいいな。名前からして可愛い!絶対美少女」

B「あ、その子の写真るよ!見る?」

A「え?あんの?見たい見たい!」

C「俺も」


私も(でも見れない…)


A「おー!!やっぱりかわいい!!」

C「おまえ、ほんと、すっげえな!!その能力教えろよ!」

A「ふふふ。今度な!」

B「あ、でもこの子、M大付属だけど…」

A「何!?それはだめだ!吉田(仮)の彼女がM大付属だ!あー!!悔しい」

C「それはダメだね。」



だからなんでだめなんだ…

そう思いながら、次の駅で降りる私だった。

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