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1 脳内PLAY

春を寝過ごしたサクラ

私は、何百年前からサクラがあるかわからないが、毎年毎年春になると咲き、日本人をホッと和ませるサクラは偉いと思う。私がサクラならば「うっわ!やばい!寝過ごして夏になっちゃったわ!!」みたいなことになるだろう。その証拠に、起きているのに最寄駅で降りずに通過してしまった回数は誰にも負けないと思う。なぜ起きているのに通過してしまうかって??

それは常に頭をフル回転させて妄想をしているからだ。

そんな私の日常を綴ったエッセイ、お楽しみいただけたら幸いでござる。

私の妄想にイラっとくる人がもしいましたら、申し訳ございませんと先に謝っておくことにします。ごめんなさい。

 


 朝食は毎日必ず食パン一斤。もしくはどんぶり飯。バス通学のセレブ学生達を尻目に駅から徒歩30分の山道をせっせと登って毎日登校。授業はシャンと背筋を伸ばし中世日本に思いを馳せる。お昼はマミー特製の二段弁当+菓子パン。午後の授業も脳みそフル回転。帰りも坂を転げ落ちるように下り、アフターファイブはバレエでストレス発散!!うちに帰って晩飯食らう。まさに、絵に描いたような健康優良児!!

しかし、恐ろしい病が私を蝕んでいると豪語する輩がいるという!!貴様!!何奴じゃ!!


~妄想~

①みだりなおもい。正しくない想念。

②根拠のない主観的な想像や信念。病的原因によって起り、事実の経験や論理によっては容易に訂正されることがない。

BY 広辞苑。


広辞苑よ。私のどこが病的なんだね。朝食を食べてる背景には執事をはめ込み合成し、お嬢様な気分を満喫。前を歩く男子学生三人を見て

 「真中にいる奴(A君)は右(B君)のことが好きだけど、B君は一番左(C君)が好きなんだぜ。ほら、今C君に触った!!」

 「でも、B君って告白されたら意外とその子のこと気になりはじめちゃうタイプそうじゃない?」

 「ほう、なるほど。C君は今までB君のことを遊びとしか思っていなかったけど、A君がB君に告白したことで、B君のA君に対する気持ちが変わったのを感じとって、焦るわけだね!そうしているうちに『あぁ、僕は今まで気がつかなかったけどB君のことが好きなんだ!!』と三角関係が始まるわけだね!!こりゃぁ良い!!」

などと友達と話しながら登校し、学校につけば中世日本に生まれて武士と恋に落ちる私のストーリー(後日詳細を説明いたす。)を授業中に考える。

いつも単調なバレエのレッスンに色をつける為に、大好きな韓国人の某アイドルグループTが「新曲のPVにバレリーナを起用したくて、イメージに合う子を探しにきたんですよぉ。えぇ。僕達みずからですよぉ!!(軽やかにステップを踏む私を見つける)むむっ!!あの子がいいですね!!新曲のイメージにピッタリじゃないですかぁ!!僕たちと共演してくれ!!」というストーリーをでっち上げ、脳内で再生する私のどこが病的なんだね。


…百歩譲って病的だとしよう。「妄想は病気だ。体に悪いからやめなさい」と言われたとしても私はやめない。なぜなら、妄想をしないほうが体に悪いからだ。こんな世知辛い世の中、妄想で楽しまなければどこで楽しむっていうんだコンコンチキめ!!たとえ「おまえにピッタリなイメージなんてまんまるおなかのポニョだろうが!!」と罵られても、私の脳内スクリーンには華麗に舞う妖精のような私の周りで歌う美青年達がフルハイビジョンで映しだされているのだ。


 そんな妄想癖(あ、妄想癖って認めてしまった)な私は考えた。きっと一日中妄想をしているのは私だけじゃぁない。世の中の大半が妄想癖なのではないかと。そしてリサーチしてみた。なんと、私の周りは皆私に負けず劣らずの妄想をしているではないか。その中でも今日は友人Mを紹介しようと思う。彼女は良くゼミで妄想をするらしい。冬場、何もしないままの教室は当然寒いので暖房をつける。受け身の生徒は良いが、90分間ひたすらしゃべり続ける教授は暑くなっていく。そして、彼は背広に手をかけた…

はい。ここからは友人Mの妄想の中。

彼が背広を脱ぎ棄てると、そこには普段からは想像できないような体のシルエットが浮かび上がっていた。鍛え上げられた胸の筋肉。開け放たれた襟元から覘く筋張った首筋。そして腕まくりされたシャツの袖からは、夏の残り香をまとったような薄く日に焼けた肌が現れた。そして彼は私を見つめ、こう言った。

「Mさん。前へ出てきて先ほど私が読んだ英文の日本語訳を板書してください。」

私は教授に夢中で英文など聞いていなかった。だが、彼の燃えるような瞳に吸い寄せられるよう、教室の前へ進み出る。

チョークを持ち黒板の前で固まる私。すると教授は私の後ろから

「Jhon hit the Mike.」

と私の耳元でささやくのであった。

完。


まぁ。いろいろ突っ込みたいことは山々だと思うがあえてここは何も言うまい。そしてひとつだけ伝えておきたいことがある。この物語の中でノンフィクションなのは、

①教授が背広を脱ぐこと

②Jhon hit the Mike.の例文が読まれた。

ことのみである。

教授は定年間近のおじいちゃんだし、襟元は開け放されていないし、彼、色白だし。よくもまぁ、これほどまでに脳内変換ができるものだといたく感心する。それなのに例文がJhon hit the Mike.なのが気になるところだが、少しでもリアリティがあった方が妄想を楽しめるんだ!!という友人M。うーむ…。そこまで変換できるのなら私だったら「You are my angel.」くらい言わせてみたいものだと思う。




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