Start004 積み立ての経験値
大吾との協力を得て、久美は本格的にレシピの検証を始める。しかし、レシピに書かれた、"月影のしずく"、という謎の材料、現代では入手困難とされ、「極上の大豆」が課題となる。
古文書を調べた結果、"月影のしずく"は特定の条件の下で摂取可能な希少の植物抽出液であることが判明する。
"極上の大豆"は古くから伝わる特別な大豆で、その栽培方法は失われたとされていることが分った。
久美と大吾は"月影のしずく"の採取には成功するものの、"極上の大豆"の入手には途方に暮れる日々を繰り返す。
そんな時、大吾自ら都本食品の開発に携わり、勤めていた過去に、大豆改良の取り組みをしていたことを久美は知る。
都本食品で開発したアレルギー反応が極めて少なく、栄養価はそのままの、「大豆麦」・「大豆米」を久美に提案する。
レシピに記載されている「極上の大豆」の代わりに、大豆麦・大豆米を使用することでレシピ完成に近づく可能性があると推察。
しかし、「極上の大豆」特有の成分が不可欠なため、単純に差し替えで、という考えは難しい、という結果に遭遇する。
大豆米・大豆麦の特性を1から分析し、独自の加工技術を駆使して、レシピの改善・改良を進めていく。
数カ月の時間を注ぎ、試行錯誤の末、大豆米・大豆麦を用いた新たな調理法を見出しレシピ完成の一歩に近づく。
久美、大吾は1つになった心を熱くする。
しかしその夜、研究施設が襲撃される。
都本食品の革新的な大豆技術が狙われていたのだ。
情報はどこにも届いていないはずなのに、不思議出来事である。
幸い盗まれたレシピデータは、改良前のもので正式なものは金庫に保管してあり、無事だ。