Start003 置き去りにする半信半疑
数日後
大吾との話。
久美「今になって現れたのは、何故ですか?」
大吾は一瞬沈黙しゆっくり口を開いた。
大吾「この途中になっているノートレシピには重大な秘密が隠されている。完成させるには、あなたの協力が必要だから・・・」
大吾は材料、材質、技術の可能性について、熱い思いを乗せて語った。でも、どこか、不自然?と感じる部分もあり、久美自身の思い込みかもしれない、半信半疑は、やはり、強くなる。
まるごと、大吾を信用するわけにもいかず、謎な思いを解くために、彼の協力を得ることは、意味のある導きなのかもしれないと、思えてきた。
一応本心は、伝える久美。
久美「あなたの言う通り、謎多いレシピ。でも、まるごと信用はできない」
大吾は少し悲しそうな目で、
大吾「それは承知している、しかし、あなたに、レシピを完成させる力がある。共に謎を解き明かしたい」
心からの本心を放った。
理由はないけど、パワーを感じ、根拠のない自信に引きこまれ、謎のレシピに挑むことを、決意した。
それは、忘れられたレシピ、原材料の開発から始まる、廃棄問題にも、関わる大改革につながる第一歩。
赤ペンで書かれた言葉、"腐葉土"の未開発、という意味深メッセージは興味をそそられる久美だった。
廃棄処理に関わる問題を起こしていたのだ。
それはもう、数十年も前の事、焼却炉の使用規制がまだなされてなかった時、
その煙で、地域の住人が、数名呼吸困難で、救急搬送された事件。
調べても、因果関係が証明できずで、一軒一軒に頭をさげ回った。和解できたのかは定かではないが、今に至るのだ。それでも、まだ、焼却炉で処理しているのだ。
そんな過去がずっと、背景にあるのだ。
住人世代が変われば、そんな事件も、忘れられているのかもしれない。