皮膚を裏返される夢
体の中身全部取り出して皮を裏返しにされる夢。
医療の発展とか大義名分やストーリー性はない。何も無くて水平線の見える白い床に転がされ、面識の無い人間に腹を割かれる。内臓や骨を塊のまま取り出し、興味なさそうに横に置く。捨てるのも何だけどずっと邪魔なもの、家具組立てたあとの予備のネジみたいな扱い。
第三者視点、自分を俯瞰するカメラに切り替わった。幼い頃から殺される夢ではよくあった視点。
学生が暇だからペンを分解しているのと同じ。得体のしれない人物も、なんか手元に私がいたから中身を出して皮を裏返している。ペンの構造を知ったところで大抵の人は役立てたりしないように、今指の先まで裏返されているが、その体験が彼の今後に何ら生きることはない。
一部始終を見ていた。エレベーターの鏡でつい自分を見つめるように。太い足、平たい鼻。美しい形でない上に血合いで色も悪い。赤黒く引きずられた線に、いくらか肉片が付いている。他人だったら見ようとしないし、万一視界に入ったら激しく吐いてトラウマ化する光景。だが、霊体だからか何の感情もなく、目を反らすことも逆に前のめりになることもなく日常のように静かに見ていた。
裏返した皮はきれいに伸ばすでもない。2周捻れた右腕の上に胴体が乗る。足は雑に3段ジャバラ折りになっている。私の美的感覚でありえない置き方。まあ、幼児が箱ティッシュ全部出して遊んでもったいないとか思わないように、人体の曲がり方とか気にしない遊び方をしているんだ。
寝坊しかけてて起された。
生ある者として先程の夢の光景を思いだすと凄まじい不快感。顔の無防備な皮膚がオフトゥンに曝されているのが怖く、頭まで被り震える。親に「何してんだ」と剥がされた。そりゃそう。
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大人になってから知ったのですが、「自分が第三者視点から見える」というのは、二重人格で有名な解離性障害の別パターンの「離人」という症状らしいです。
起きてる間も何だか世界が偽物みたいに感じることがあって、(厨二病って治んねぇな…)と。うつ病でした。
自分の精神体験にも名前がついてたのが何だかおもしろい。自分がおかしいんじゃなくて、科学的に解明されてる防衛機制の範囲に収まっている。心って所詮みんなおんなじ作りなんだね。




