お姫さまに取り返される夢
客がほとんどこないカフェでフリーターとして働いていた。後述の理由からほぼ全裸みたいな薄着でいた。バックヤードでコーヒー豆を炒ったり、裏の畑で蟹の足の栽培などして過ごす。
蟹足はつくしみたいに直接生えてて長いもので1mくらいある。抜こうとしたが、重さ的にまだ身が詰まってなさそうでそっと戻して周りの土を叩く。
2件隣だかの雑貨屋のバイト娘が茶化しに来た。
「えー、穫らないんですかぁ?」
もーらい、と勢いよく蟹足を掴んで、トゲが痛かったらしく後ろによろける。彼女は「実のつき」が大変よろしく、前屈みになるとバランスが悪いのだ。
こんな田舎の商店街で立派な女性を支える下着など手に入らないようで、よくカウンター台とかにどっしりと載せている。そんな店番いたらスケベが押し寄せるはずだが、うちの喫茶と同じく、細々と商店街の関係者だけが訪れて特にセクハラなどもせず平和に買い物して帰ってくれている。ここの人間は淡白だ。
「痛ぁーい」
「勢いよく持つとね、そうなるよね」
連日の猛暑にうってかわり過ごしやすい気候。他愛もない話に花が咲く。
「万里さんいつも良いにおい」
他愛もないの延長で、一歩近づき私の髪を掬って嗅ぐ。私には煎りたてコーヒーの香りがよーく染みていて、事実を述べられたまでだ。でもそんなあざとい所作ですら「女子力」を持つ者には使うに容易い武器であり、みんなメロメロになってしまう。私も例外ではなかった。
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さっきは大層な理由で服を着てないみたいな物言いをしたが、理由の大半としては裸族なだけである。残りは、喫茶店も所属する「商工会」の諜報活動で、透明マント着るとき脱ぐから。
普段はなんか悪い敵組織に、当番制で嫌がらせとか仕返しをするしょっぱい活動をしている。透明マントだなんて上手く使えば国家転覆もできる大層なものを、しょうもないことに使う夢である。安モンの雨合羽みたいに汗でべったりするので服着ない、そんな扱い。
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いつもは空き缶5本くらい散らかすとか迷惑メールを転送するとか幼稚な嫌がらせをしたりされたりという関係の敵組織だが、今回は例の娘が拐われた。
え?ちゃんと悪じゃん?急にどうした?
急に本格戦闘が見込まれる展開だったが、火曜日の当番は語ラ瀬だろと融通が利かない理由で単騎突入を言い渡された。
透明マントを羽織る。商工会からの借りもんなのに洗濯機で洗ったらちょっと縮んでシワシワになった。透明化すれば見えないのを幸いに誤魔化しているが、毎回着る瞬間はちょっと怖い。
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敵はサンキみたいな呉服店を根城にしていた。よくいる無難なお婆さんのくすんだ色の服、男子理系大学生のネルシャツ、田舎のヤンキースエット。色んな層の普段着が大して分けられもせずギチギチところ狭すぎしと回転什器に下げられている。
こう色や情報が多い空間では、情報量に脳を殴られているような吐き気に襲われてまともに観察ができない。意識が飛びそう。透明マントを着ているとはいえ、モノにぶつかると存在がバレるのも厄介。試着室に向かって比較的広い通路を選んで歩く。散見される女狐みたいな敵を、それぞれの視野から外れるのを見計らって締め落とし、頭数を減らしていく。
店の奥の方に、バイト娘が居た。
殴打よりは引掻きの暴力を受けたようで顔の形こそきれいだが出血の痕がある。服はズタズタに裂かれている。腕を上に固定され、いかにも性的暴行を受けた調な絵面でいて、でもここには女性しかいなかった。下を脱がせたような痕跡もない。よく見ると気絶しているようで健康的な呼吸。この状況で普通に寝てる肝っ玉娘であった。
とにかく敵サイドとしては、一目で悪役とわかることがしたかったようだ。なんかズレてんだよな。
縄を解き、叩き売りワゴンから一掴み服を引きずり出す。
出てきた服、「[N]子供のズボン」を床に捨て、「[N]不人気キャラのプリント服」をさっき倒した女狐に叩きつけ、「[HN]無地のスエット」をバイト娘に被せる。探せばいくらでもマシな服はあるだろうがこんなインキな場所とっとと抜け出したいのだ。起きろと強く手を引く。
「あは、万里さんだ。来てくれたんだ」
腕に抱きつく。恋の魔法をかけ直すようにふわっと笑う。
※大変良いところで恐縮ですが、バイト娘に服を着せておいて当の本人は裸マントです。
【後書き】
刀がよく出てくる作品は、刃物で滅多刺しの夢をよく見る体質上、敬遠してました。
流行<<悪夢怖い なので。
でも最近は夢を見なくなったので、「鬼滅の刃」の無限城編1を観に行けました。いきなり最終章から履修です。
おもしろ!流行るわけだね!!
無限列車編も見ました。
悪夢を見せてくるサイコパスセクシー鬼!!!!!!!!!!??!?!?




