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病院マップの脱出ゲームの夢

同じ見た目の棒人間がたくさん居る病院のマップの脱出ゲーム。


スポーン地点でモンエナのロゴみたいな線の太いヨボヨボ線の武器が支給される。

試しにトイレで苦しんでる人に突き刺した。ゲームらしくすべてのドアが開きっぱなしであった。キルできたが抜けない。使い捨ての武器のようだ。他の武器を拾える地点はなさそうだ。

周回して、他の武器持ちをキルしても武器を回収できないこともわかった。ここぞという場面で一度だけ使うものらしい。

ゲームをやり直すのにクリボーにぶつかりに行くような身体的苦痛はない。行き詰まり絶望したからやり直す、精神的苦痛を飲み込んで呆然とした頃に戻れている。このまま無計画にリスポーン頼みのひとり人海戦術を続けると廃人になってしまう。

ワンプレイに慎重になってみよう。

スポーン地点付近に壁固定の電話があるのを見つけた。

脱出経路と書いてある。

受話器を取ると「右に2〇分歩いた所の階段を3階くだリ〜〜」と気が遠くなるし覚えられない道案内をされる。

横の張り紙を見ると「話し方に注意」とある。そういえばところどころ発音が変だった。ハズレの案内だったようだ。

騙されて無駄に20分も歩かなくて良かった。もう一度道案内ガチャを試そうと受話器を取ろうとするも固くて外れない。1周に1回だけらしい。


この周回の武器を誰に刺そうか散策していると、明らかに他の棒人間とオーラの違う個体が居た。

待合室の3連椅子の右端に座っているが、一人だけ足を組んで退屈そうにしている。

思わず襲いかかったが、モンスター棒が突き刺さったまま平然と生きていて、反撃された。

くっそ痛い。

初めての物理的ダメージの死亡。


しかしあの子がストーリー上特別な個体なのは判った。次の人生では話しかけてみた。

「隣、良いですか?」うふふ。

精いっぱいの愛想を振りまく。疲れるので基本やりたくないがやるべきときはやる。

これが社会性。

「隣は別の人座ってんだろが!覚えてるからな!前回いきなり刺してたきただろ!」

やばい。完全にモブすぎて既に隣に人いるの抜け落ちてた。

いやそこではなく、記憶を引き継いでいる?


とてもご立腹の特別くんがモンスター棒を構える。どちらの件も尤もなので素直に刺された。

これが武士道。


もはや電話器などどうでもよく、スポーンしては特別くんに話しかけるようになった。

脱出経路は複数あるような気がするが、特別くんが私にとってトゥルーエンドの脱出経路に違いない。


3度目から会いに来る情熱に押されてか刺されることは減った。

逢瀬を重ねるために会話が途切れたら精神力を削ってまたやり直し親密度を上げていった。

特別くんとの会話でゲームシステムが判った。最初にトイレで刺したモブは弱っていたから一撃だったが、体力の多いキャラが複数存在する。棒は1人1回しか使えない。体力を削るには毒が有効だ。


つまり特別くんは自分に毒を盛れと。


たまたまモブナースの私物のティーパックをパクって茶会に誘おうとしていた回だった。院内で好感度上げに使えそうなものや怪しげな小瓶などは既に物色していた。

劇薬っぽいシリンジも紅茶もある。

そりゃ特別くんに盛るつもりで懐に入れたものだけど、今はもう、……。


アイテムの収集か好感度でシナリオが進んで戻れなくなってしまった。


モノクロの世界に落ちる濃い西日。会話に乏しく味の無い茶を啜るだけの会。

そしてどんなに薄めようとも毒は毒。


強制ログアウトしてしまった。


現実ではまだ宿題も終わっていない。あれ?もう学生じゃないんだから宿題は気のせいだな。


もう一回ゲームに入らねば…


起きた

うへへ^^

ナースサンのティーパック、味薄いね!!

僕はもっと濃厚♡なのが、好きです!!‼

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