能力“魔法”
トイレの個室やってきた。
「ふう・・・」
いらないことが入らないように、精神を統一させ、水の玉を想像する。
すると、水滴が出現する。そして、だんだん大きくなっていき水の玉になる。
そして、その玉は、拳より大きくなり、ついに、半径20センチの円くらいの大きさまで行き、成長が止まった。
「よし・・・!」
喜びを表現するために、小さく喜びの声を出し、心の中で、ガッツポーズをする。
小さいながらも、激しい喜びが終わった後、あることに気がつく。
この水の塊・・・それは、便器に入れるには、あまりにも大きすぎる。
「やべぇ!!!」
焦りが募る。
今、俺の脳はこの状況を打破するために限界を超えていた。
どうする!?
この水を、このまま便器の中に入れるとすると、おそらく便器の水の許容量を軽く超えてしまうだろう。そもそも、便座の中に入れること自体水の塊が、大きすぎて不可能だ。
ここで考えられるプランは、二つ。
プランAは、魔法の力を使い、分割して流す。この方法は、おそらくだがかなりの体力を使ってしまうだろうが、大事になるよりかはマシだ。
プランBは、魔法で消してしまうことだ。抹消してしまえば、物理的に無くなるのだから、考えること自体しなくて良くなる。
ふむ・・・とりあえず、前提として、魔法の力で出来るかを試す必要があるな。
最初は分割だ。これは簡単ただ単に半分にする想像をすればいいだけだからな。
すると、それまで大きな水の塊が、半分に割れ分離した。
プランAはとりあえず実行できるな。
じゃあ消去はどうだ?
俺は、片方の水がなくなる想像をしてみた。
だが・・・その水は、なくなるどころか、小さくもなっていない。
これは、プランAしかないな。
俺は、水の塊を、4個に分割をして、トイレのレバーを大の方に回した。
水が流れる音がする。さっさと入れてしまおう。
水の玉が、一つずつ、入っていく。
入った瞬間は水位がかなり上昇したが、問題なく水は流れている。
そして、四つあった水の玉は無くなった。
つまり、成功したということだ。
「ふ、ふぅ・・・・・・」
喜びよりも、安心感が出てくる。
「よかったぁ・・・」
危なかった。大ごとになるところだった。
今は、とにかく俺の思考力に感謝しよう。
・・・魔法は終わり!2度と学校でやらん!
そう心に固く決意しながら、教室へまた戻った。