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DPSタンクのすゝめ  作者: おてら
3/3

初陣と反省点

≪新エリア、始まりの雪原を発見しました≫


北門を抜けた。視界に広がるインフォメーションが自身が冒険の第一歩を踏み出した事をこれでもかと訴えてくる。北門から先に広がるエリアは俗に言う雪山エリアとなっており、目につく草花には寒冷地域の特徴が見て取れる。インフォメーション等がなければ現実と認識してしまいそうな雰囲気であった

奥には白銀の霊峰が微かに確認できる。門近辺は街道で整備が為されているが奥まで行くとその限りではないだろう。実際、北門から先、針葉樹林地帯とこの先に見える雪原が主だった狩場と記憶している。


少し進んだ先で初めてMobと対峙した。

アイスホーンラヴィットと言う名前を掲げた角付きウサギは道脇の低木地から飛び出してくるとまるで縄張りを主張してくるかの様にご自慢の角をこちらに向けキィキィ甲高い声で喚きだした。

突然始まった初陣に浮足立つも落ち着いて盾を構える。にじり寄ってくる角ウサギを眼前に捕捉しつつ気を伺う。なんてったって攻め様がないのだ。相手の行動をじっと待つ。


痺れを切らしたのか、そもそもそこ迄賢いAIが積まれていなかったのか、角ウサギは頭を前に突き出しウサギの名に恥じない脚力でこちら目掛け突っ込んできた。

あとは簡単である、あたる直前に思いっきり突き出してやればいい。

ベキャンと凡そ日常生活では耳にしない音が鳴り響き眼前には白目をむいたウサギが倒れていた。


≪アイスホーンラヴィットを倒しました!≫


一先ず敵を倒せたことにほっとしつつ、自分の考えが間違えていなかったことに安堵を覚えた。

一般的には防具枠で扱われる盾が何故か武器カテゴリに含まれていた時点で出来るとは思っていたが実際に盾でMOBを倒せた事に感動を覚えていた。できる、これはいけるぞ。夢に描いた粘着DPSタンクが現実のものとなるのだと。


そんな感動に浸るのも束の間、背後から複数の視線を感じ横目で振り返ると先ほど倒した筈のウサギが増殖しているではないか、どうやらただ喚いていたわけではなくちゃんと自身の仕事を全うしてからヤツは逝ったらしい。あまり賢くなかったのは自分も同じだったようだ。



ウサギ先生たちとの組手を続け約半刻、彼らは如何に敵の攻撃を正面から受け返すことの大切さを教えてくれた。この盾と言う武器、ダメージ判定がよくわからなさすぎるのである。正面から攻撃を受けた場合のダメージと中途半端なところで受けた時に与えるダメージが違いすぎる。

まぁこの辺は追々研究するとしよう...


新たな希望と一抹の不安を胸に抱えつつ、もう少しだけ狩りをしようと足を進めるのであった。

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