キカン
あった…リングだ…
ついに帰ってきた…
安心をしているとデイタが尋ねた
「なんでそんなに大事なんだい?そのリングが」
ぎゅっとリングを掴んだまま胸に当て
話し始めた
「これはね、お母さんからの御守りなの
辛くなったらこれを胸に当てなさいって、これを持っていると、落ち着く」
デイタな少し寂しそうな顔をした
そしてそのまま固まった
滝の音もしんと寝り、
まるで時がたまったのかのようだその代わりに
リングがキィィと甲高な音を立てながら光出す
「何、何⁉︎」
「帰れるのさここから、」
声のした方に振り向くと綺麗な人が立っていた
男なのか女なのかそんなことは今どうでも良かった。
「帰れる?これは夢じゃないの?」
ソレは少し笑った
「愉快な夢だね」
質問が手の上で滑ったような、結局どっちだ
ソレの不思議な表情に全て飲まれるような感覚で居心地が悪い
ソレの言葉は言葉じゃ無いような意味の乗らない薄ペラな
音階の連続
「君はリングを見つけた、願いを叶えてやろう、
カイとかいうやつの友達、
その他に何かあるか?なんでもいいぞ」
なんでも、何でもいいなんて怪しいに決まってる、
決まりきった事なのに
変えられないことだらけなのに
でも、もし本当なら、私は。
「お母さんとお父さんが離婚せずに仲のいい三人家族の
灯蜂 晶でありたい。」
わかった。その言葉で糸技切れたような