街の記憶
その夜は少し肌寒かったが
デイタに抱きつきのもふもふのけで暖をとった
なんだか、夢の中で寝るなんて変な気分だ
デイタのもふもふの中はとても安心できた、
「あのね」
なのを思ったのでろう、何を根拠に信頼したんだろう
いつのまにか自分語りを始めてしまった
「私、好きな人がいたの、」
デイタは寝たのか、ソレとも黙って聴いてくれているのか
喋らなかった
「その人とは大学で出会ったの、高校の終わる時、親が離婚しちゃって、
苗字もお母さんの苗字になったの
船縁は実はまだ慣れてないんだ、お母さん1人で私の大学費払うの大変だったと思う
私も奨学金をもらうために頑張ったけど
仕事でいつもいなくて、寂しかった、多分
そんな時にね。ある人に出会ったの
私はベンチで休んでたんだけど、その人が私をスケッチしたの
びっくりしたけどそれ以上に、嬉しかったんだ、その人の絵の中の自分はキラキラしてた
そこから、仲良くなって、一緒に遊んで、
その時は多分その人も私のこと好きだったんだと思う。
でもね、別の人と結婚しちゃった。」
目から涙が込み上げて来る
「私よりも少し可愛いとは言えない子だったけど、笑い合って、幸せそうだった。
今度その人の子が小学生になるんだ、その子はあの人そっくり、少し尖った目も
そして、相手に感情を伝えることが苦手なところも。
名前はね私とその人と春美さん、その人の奥さんと一緒に考えたの
あの人経由で仲良くなってたから、是非って
街って名前にしたわ、
四方に通ずる道、いろんな可能性を持っていて
彼女の通った道に人々が集まるの、そんな生き方、人間になって欲しいって意味よ
琉華 街お友達が少ないならなってあげたいな」