デイステルアルタットクエタ
滝がある大きな滝が
しぶきを上げる裏においしいきのみがまれに
生える
デイタはソレが生えていないか
毎日見に行くらしい
いつものようにそこへ行くと
不思議なリングが落ちていたらしい
ずっしりと重く鈍く輝く
金色のリング
デイタは木の実以外は興味がなかったので
拾わずに帰ったそうな
「取りに行くわ」
急ぐ私の手を掴んだ
「今から?だめだ危険だ暗くなる」
その手を振り払って強く言う
「早く行かないと誰かに取られちゃうかもしれなの!」
デイタが恐る恐る語り出す
「いいかい、君のいた場所では安全だったのかもしれないが
ここは危険だ暗くなり野道が見えづらくなるだけが危険じゃない
僕みたいに優しい者だけじゃないんだ
生きたまま者を食べたりする残酷な奴だって
いるんだ。
急ぐ気持ちはわかる、心配なのも、大切な物なのも
下手に動かなければ、僕のあと2本の腕だって動いていたかもしれないんだ
最近は減ったが…出るんだ、
死者の1人が…」
「シモノノヒトリ?」
「あぁその者に会えば腕はおろか、大切な魂だって
この世には恐れられている者が
十二人いる。そのうちの1人が
この近くに住んでいるんだ、であるからに怖いのさ」
恐る恐る聞き返す
「名前は?」
デイタは一呼吸置いてから喋った
「君たち人間の言う
リュウさ」
日は暮れた