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飽いた水晶
「あなたの名前は?」
聞くと熊は浮き足でつ思いを抑え
「デイタ!」
とだけ答えた
デイタ、なんか意味でもあるのかな
まぁ聞いたとこで分かんないか、いつ醒めるだろう愉快だ
「イチゴ、食べるかい?」
あるのか異世界にイチゴが
驚きながらも頷くと熊…デイタが案内をしてくれた
小屋らしきところに案内され椅子に座らせられた
奥でデイタが何やらゴソゴソしてると思えば、イチゴを持ってきた
いや、でかいな、りんごぐらいでかい、うん。
そんなでかいイチゴに思いっきりかぶりつく
甘い、酸味もちょうどいい。
この世界は素晴らしい、こんなに大きな、こんなに美味しいイチゴがあるなんて
でも待て…何か
何か忘れて
「あ!」
リングが無い!
デイタが顔を覗き込む
「どうしたの?」
流石に慌てた様子がわかったらしい
「リングがないのよ!大切な!」
どんなリング?
大きさは?
聞かれて答え
ポンとデイタが拳を平手に置いた。
「そのリングなら知ってるよ」