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私
私は人混みが嫌い
気を使わなきゃいけないから
私は学校が嫌い
笑顔を作らなきゃいけないから
私は人間が嫌い
同じ生物のはずなのに、みんな違うから
琉華 街
女の子なのにカイなんて名前をつけた親も嫌い
何か…人のいない…のどかで美しい世界へ行きたい…
そんな妄想に浸っていると声をかけられた
「あ、あ、あの!琉華さんですよね、今日わたしと日直だから…その、よ、よろしく。」
差し出された手をギクシャクしながらも握った
「ん、よろしく名前は?」
灯蜂 晶
丸メガネで三つ編みお下げ…まぁ如何にもって感じ…かな
趣味を話して弁当一緒に食べて
はいはい
サヨナラしたらもうオトモダチ
逃げたい…私には広すぎる
私を残したサイテーな父親がいない世界は
「ただいま…」
あのサイテーヤローが残したリング…持ってみると意外と重いこれをつけてる間だけ私は私で居られる気がする
「おやすみ」
……なんだろう…私…落ちてる?
どこに?
まって、まって、私を置いてリングが先に落ちていく
ここは…何処?