デイステイルアルタットクエタ
「というわけさ」
理解できなくても、納得するしかない
分からないことだらけのこの世界にも、「法則」というものはあるらしい
といってもそんな小難しいことではない、どっかの偉い人が言った
こっちの世界と、あっちの世界の関係性みたいなもんのだ。
「つまり…僕がこれまで忘れてたのは…その、こっちで死んじゃったって事なんだな」
リュウの顔が少し曇る
申し訳ない、と下げられた頭を見て、こちらも申し訳なくなった。
そして、少し、怖くなった、こちらの世界にいると、死ぬ可能性があるということだ
向こうの世界も言ってしまえば、いつ死ぬか分からないが
コッチはその比じゃない。
死ぬという漠然とした、曖昧で大きすぎる恐怖にただ立ち尽くし、
リュウに対して、何も言えなかった。
「でもまぁさっきも言ったけど、僕のそばにいればその心配はないよ」
心強いのか心許ないのか、そんな時間に、水を差すような
ゴーン ゴーン ゴーン
と鐘を打つ様な音が響き渡った。
「異常状態か…」
リュウがポツリと呟き、空を見上げる
そして今に至るという経緯だ。
複雑に絡み合った脳内が、色々なことを考えすぎてついには、考えることをやめ、
一つの結論へと、まとまる。
「わかった、行こう」
好奇心を頼りに異常状態の発現地まで足を運ぶ事を決意した。