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リュウの街  作者: 稲田ざうるす
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愛で穢れたリュウの街人間からの贈り物

日が暮れる前に

ソレはいた

なんというか、

不思議な表情で立っていた


「どうした?」


ソレの質問に答えなかった

答えたって何もくれないんだもの

返事も反応も

全部その不思議な表情が呑んで行く


愛で穢れたリュウの街人間からの贈り物


白が淡い青に呑まれる空に

ぽっかりと場違いな月が浮かんでる

僕は朝早くから散歩するのが最近の趣味

朝早くは獲物も寝てるから

今のうちに捕まえておいて昼と夜食べる

上空から森を見てると木と木の間に

キラリと光るものがあった


「なんだろ」


降りて確認すると金色のリングだった

三本指の前足で器用に掴み

長い体を起こした


「金色の…輪っか?思ったより重いな、」


そんな独り言を呟いていたら

向こうの方から声が聞こえた

こっちを呼んでる

誰だ?

この時初めてソレを見た

実際に、おとぎ話の生き物だと思っていた

手足は僕らより長いが首もどうも短く尻尾もない

おまけに顔すらぺったんこ…というより楕円に近い感じ?

そう思うとクルミみたいで美味しそうだ


「これはきみの?」


僕がそう聞くと

そうそう、きれいでしょ

僕に驚いてやしない僕は驚きっぱなしだ

おとぎ話によればソレは僕たちをリュウと呼び

恐れおののく…らしい

何だったけか…名前は…


「君の名前は?」


考えるのが面倒になりそれに聞くと

リュウカ

と答えた…あれ?

なんかこう…ニンジン…いやインゲン?

みたいなはずだったけど、

まいっか。

続けてソレは

そのリング、気に入ったなら上げるよ、仲良くしよや

といった、いいな

貰えるもんは貰っこう

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