困惑する質問「ねえ、こども、すき?」
のび太のくせに。
圧倒的パワーワード!
ねえねえ。
と他愛ない話を2時間でも3時間でも喋ることができたのは高校生だったからかもしれない。
友人たちとの帰り道、ときどき出た話題に「こども、すき?」というものがありました。
わたしはその返答にいつも困ってしまっていたのです。
子供。そういうものへの好きや嫌いってあるのだろうか?と感じてしまい、返事に詰まるのです。
こども好き?という言葉は、のび太のくせに生意気だぞ!という言葉にも似ていました。
子供やのび太。他人からいろいろと存在について言われるものなのだろうか?
そんな感じです。
こども、好き?と聞かれて、好き!と言えるのは何故なのかなあ?と、不思議でした。
子供って、そういう対象なのかなあ……って思いました。
わたしは変わっていたみたいで、子供好きかどうかの質問に対して、
「きらいかもしれない」とおかしな事を言って返事代わりにしていました。
冷たい人だという印象があるようでしたが、これはもう、しょうがないよね。
子供を育ててみて、もちろんゆとりなどゼロでしたから、
かわいいと思えることが少なかったような記憶があります。
だけど嫌いということではないので、これはいったい何なのだろう?ここに当てはまる言葉って何だろう?
と思いました。
ある日ふと、だいじ、という言葉になりました。
あのゆとりのなさの毎日に名前がついたのでした。
ああ、そうか。
あれは、ただただ、だいじだった。
大事。
大切とも少しちがう。
子供は好き?と聞かれたら今はこう答えています。
「うん。だいじだよね」
好きと嫌いを越えて、ただだいじな人。
それがこども。
そう思います。
おわり
のび太のくせに生意気だぞ!と言われたら、
お前がな!って言ってやれ。
こだまでしょうか。
いいえ誰でも。