第六十一話 返信
――先生、お手紙ありがとうございます。
お元気にされていると聞いて、本当に安心しました。
きっと先生なら、素晴らしい魔法学校を創り上げると信じています。
私もぜひ、そこへ通ってみたいものです。
しかし……どうやらそれは難しそうです。
この手紙が貴方に届くかは分かりませんが、でも、一縷の望みに賭けて、送る事にしました。
まず、帝都の現状をお伝えします。
先生が居なくなった後、帝都では明かりが途絶えました。街を支配していた魔法陣が、誤作動を起こしたんです。きっと、魔力の小さな狂いが原因でした。
結果、帝都中の魔力が混乱し、街灯への魔力供給が寸断されたのです。
人々は賢者に修復を頼りましたが、いつまでたっても終わりませんでした。……先生のシステムを、他の賢者たちは完全には理解できていなかったようです。
魔力供給の寸断は、あらゆるところに影響を及ぼしました。水の浄化も止まり、水道には汚水が流れるようになり、災害防御の結界も崩れ落ち、下水が街中に吹き出てきました。
帝都では暴動が頻発しました。街は荒れ果て、殺人が横行しています。
しかし、それだけでは終わりませんでした。
一か月前から、街に謎の疫病が蔓延りだしたのです。
感染力、死亡率共に強力で、治る可能性はほとんどゼロ。薬も無ければ、有効な治療魔法も編み出せていません。賢者たちは全くの無力で、学園に引きこもっています。
疫病は帝国中に広まりました。
道端には死体と、痩せこけた病人と、嘔吐物が散乱しています。
皇帝陛下は国から逃げ出したとの噂です。賢者たちも、隠れて何もしてくれません。学校の生徒たちにも病気は蔓延し、私の知り合いも何人か死んでしまいました。
私もいつ感染するか、分かりません。
先生。どうかお元気で。
もし生きて王国へ渡ることが出来たら……私も、先生の魔法学校に通いたいものです。
ここまで読んでくださってありがとうございます!
次以降は第二部という事になると思いますが、書きあがってから投稿するので暫く期間が空くと思われます……。
という事ですので、ひとまず物語はここでひと段落とさせていただきます。
改めまして、読んでくださってありがとうございました!
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