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第四話 雷

『ひいいいいいいいいい!?』


 少女は悲鳴を上げながら、森の中をひょいひょいと走ってきていた。

 さらにその後ろから、木をなぎ倒しながら何かが追いかけて来ている。そちらに視界を向けると、なにやら牛の頭のついた大男の様な、謎の怪物が息を荒くしながら森の中を走っていた。


 何か見た事あるなとちょっと記憶を遡ると、そういえば山を旅している途中で同じような怪物を何体か相手したことを思い出した。毎回秒で灰にしてしまうからすっかり忘れていた。


 少女はというと、青ざめた表情で、ボロボロになりながら走っていた。時折後ろを振り向いては、「火炎弾ファイアボール!!」と叫び、小さな火の弾を発射している。

 が、あまりにも火力が弱すぎる。炎は怪物に直撃するも、殆どダメージは見られない。


(……おいおい)


 恐らくこの少女が例の魔法使いなのだろうが……思ったよりも若い上、魔法が全くなっていない。魔力がブレていて、殆ど魔法に籠っていないのが千里眼を通してでも分かった。


『もおおおおおおおお!? しつこいってば!!』


 少女はとうとう観念したのか、逃げるのを辞めて振り返った。そして手に持っていた杖を怪物へ向けたのである。


『喰らいなさい! あたしのとっておき……! 『衝撃波インパクト』!!』


 お? と思い、その様子を見守る。少女は呪文を唱え、そして杖に魔力が集まって行き……そして、ぼんっとその場で爆発した。

 『ぎゃあああああっ!?』

 吹き飛ばされて、ごろごろ転がる少女。来ていたローブに炎が燃え移って、それをバタバタと消している。


 魔法の暴発だ。力を籠めすぎたり、無理やり難しい魔法を使おうとするとああなる。


「……見てられないな」


 このままでは怪物に食われてしまうだろう。少女は腰を抜かしながら、ずりずりと後ずさっている。


『こ、来ないでよ……!』


 エルトールはその場で、手を空に掲げた。距離は離れているが、問題ない。

 むしろ心配しなければいけないのは、魔法で少女ごと吹き飛ばしてしまう事だ。

 何とか力を抑えながら、最小限の威力になるように設定する。そうしていると、魔力に反応してエルトールの周囲で稲妻が迸り始めた。森の中がばっと明るくなる。

 ――そして、


サンダー」と唱えた。


 低級攻撃魔法、サンダー。その効果は、小さな電撃を打ち出して攻撃するという物である。

 だが、エルトールが趣味で何となく魔法を改造しまくった結果、本来とは全く違う魔法になってしまっていた! 


 エルトールが魔法を放つと、その手のひらからドゴオオオオオオオンと轟音を立てて、空に光が立ち上っていった。

 周囲が電撃で焼け焦げる。バリバリと音を立てながら電撃は上空の雲を伝って、怪物の上空で再び集結する!


 そして少女はというと、

火炎弾ファイアボール! 火炎弾ファイアボール! 火炎弾ファイアボール!」


 炎を沢山打ち出していた。

 怪物はせせら笑う様に、避ける事すらせずによだれを垂らしながら少女に接近する。そして雷が落ちてくる直前、少女は叫んだ。


サンダーッ!!」杖からパチパチと小さな雷が光る。


 そして次の瞬間、空から光の柱が降り注いできた。ドォォォォォォォン! と凄まじい音と、光。


「グォォォォォォォォォ!?」


 光に呑まれ、怪物は悲鳴を上げた。ガガガガガガと地面が削れてゆき、光は揺るぎない圧倒的な力で怪物の存在そのものをかき消してゆく。


「ふぇ……?」


 少女は茫然とその光景を見つめた。そして、少しして光が収まり、黒焦げになった怪物の死骸が残された後で、ぼうっと自分の手を見つめた。


「ま、まさか……私に、こんな力がっ!?」


面白いと思った方、高評価とかブクマとか感想とかしてくれると滅茶苦茶嬉しいです!!!

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