表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/43

038_スタンピード終息

 ■■■■■■■■■■

 038_スタンピード終息

 ■■■■■■■■■■



「アオォォォォォォォォォンッ」


 群がっていた冒険者と騎士たちを吹き飛ばし、再び地面に足をつけて立ち上がったブラックフェンリル。

 その体は無数の深い傷が見られ、大量の出血が確認できる。今も傷から流れ出る血は、地面を赤黒く彩っていた。


 自分がこんな姿になったのも、あの人間のせいだとジュンを睨みつける。

 その殺気のこもった視線に、ジュンの体が硬直した。それを見逃すブラックフェンリルではない。地面を蹴り、ジュンへ迫る。


「主様! っ!?」


 ルルデがジュンを護るように立ちはだかったが、ブラックフェンリルの巨大な前足で殴り飛ばされた。


「ぐあっ……」


 地面を何度もバウンドしてルルデは止まった。

 たった1発の攻撃を受けただけなのに、体が鉛のように重く感じた。


「ルルデさん!」

「ルルデ!」

「大したことない! うおぉぉぉっ!」


 気合いで飛び起きたルルデの体が金色に発光すると、その姿を獅子に変えていった。

 黄金獅子(ゴールドライガー)。初めて発動させるが、妙に馴染む。


「これが黄金獅子(ゴールドライガー)の効果か」


 体の大きさはほとんど変わらない。だが、四足歩行になり、体中に力が漲る。

 その体からは黄金のオーラが立ち上り獅子を模る。


「やられたらやり返す! おりゃぁぁぁっ!」


 ルルデが目にも止まらぬ速さで躍りかかる、ブラックフェンリルのその首元に噛みつく。


「ギャウッ」


 ブラックフェンリルの喉笛を噛み切ってやりたかったが、さすがに硬い。

 振り飛ばされたが、綺麗に着地してお互いに睨み合う。

 ブラックフェンリルは余裕の表情を見せ、にやりと牙を見せる。


「舐めるな!」


 目にも止まらぬ攻防。

 ルルデが飛びかかれば、ブラックフェンリルはひらりと躱す。

 まだ足りないと、感じたルルデは黄金気(ゴールドオーラ)を発動させる。

 立ち上る黄金の湯気が、動きに合わせて糸を引く。


 急に動きが良くなったルルデの攻撃を、ブラックフェンリルが受けてしまう。胴に爪痕が残り、こいつは強いと感じたブラックフェンリルの目が細くなった。ルルデは本気を引き出したのだ。

 一進一退の攻防に、共に傷が増えていく。

 とても他の者が立ち入れる隙はない。


「ま、まったく見えない……」


 ジュンの目にはルルデとブラックフェンリルが残した影だけが映っていた。

 だが、その戦いの終わりは唐突に現れた。


「がっ」


 ルルデが吹き飛ばされ、地面に蹲ったまま動かない。


「あ、金色の湯気が……」


 黄金気(ゴールドオーラ)の効果時間が過ぎたのだ。

 一気に能力が低下した状態でブラックフェンリルの攻撃を受けてしまったルルデは、左腕を失っていた。


「ルルデさん!?」

「ルルデ!?」


 ジュンとドルドがルルデの名を呼び、ドルドがルルデに駆け寄る。

 その間にもブラックフェンリルはジュンに迫り、その巨大な牙によってジュンを噛み殺そうと顎を開く。


 ドンッ。


「キャインッ」


 ブラックフェンリルは見えない壁に阻まれ、その牙はジュンに届かなかった。


「危なっ。マナシールドを取得しておいて、良かった……」


 無属性魔法のマナシールドは、魔力の壁を展開して自身を護るものだ。

 スタンピードと聞いて、防御用のスキルを取得しておいて本当によかったとジュンは思った。


「ショック!」


 マナシールドに弾かれたブラックフェンリルに向かって、再びショックを発動。


「キュゥゥン……」


 ブラックフェンリルは感電して倒れた。


「今だ、かかれっ!」


 ドリアスの声に反応した騎士団員と冒険者たちが、ブラックフェンリルに群がる。

 1回目のショックの効果は25秒で切れた。

 おそらく今回も25秒程度で切れるだろう。

 ジュンは20秒数えたところで、ドリアスにショックをかけ直すと伝えた。


「一旦、退け!」


 ドリアスの声に反応した騎士団員が後退したのを見て、ジュンはショックをかけ直した。


「よし、かかれ!」


 ブラックフェンリルは適切にかけ直されたショックにより、感電が続いて反撃ができない。

 そして4回目のショックをかけ直した直後、ブラックフェンリルは息を引き取った。


「よし、やったぞ!」


 その声を聞いたジュンは、ルルデに駆け寄った。


「ドルドさん。ルルデさんは!?」

「大丈夫だ。死んでない……死んでいないが……」


 ルルデの状態は酷いものだった。

 ルルデはブラックフェンリルの攻撃をなんとかガードしたが、左腕が引きちぎられ全身の骨が折れていた。

 ドルドがライフポーションを飲ませたため死ぬことはないが、もう冒険者として活動できないほどの深い傷だ。


「ルルデさん!?」


 その姿を見たジュンは、悲鳴のような声をあげた。


「左腕はもうダメだ」


 ぐちゃぐちゃに引き裂かれた左腕は、ライフポーションでは治らない。

 回復魔法なら治せるが、それは特級魔法のパーフェクトヒーリングでないとできない。

 ジュンはCHSCを消費してパーフェクトヒーリングを取得した。


「パーフェクトヒーリング」

「なっ!?」


 ドルドが驚く中、引きちぎられたルルデの左腕が再生していった。


「き、奇跡だ……」


 ドルドの声は騎士と冒険者の喧騒に掻き消されて、ジュンに聞こえなかった。


【消費CHSC150】

 ・無属性魔法 マナシールドLv1 アクティブスキル 消費魔力50ポイント 防御力400 自分 敵の攻撃を遮断するシールドを展開する 効果時間300秒 発動時間20秒 再使用600秒


【消費CHSC200】

 ・無属性魔法 マナシールドLv2 アクティブスキル 消費魔力70ポイント 防御力550 自分 敵の攻撃を遮断するシールドを展開する 効果時間300秒 発動時間20秒 再使用600秒


【消費CHSC250】

 ・無属性魔法 マナシールドLv3 アクティブスキル 消費魔力90ポイント 防御力700 自分 敵の攻撃を遮断するシールドを展開する 効果時間300秒 発動時間20秒 再使用600秒


【消費CHSC300】

 ・無属性魔法 マナシールドLv4 アクティブスキル 消費魔力110ポイント 防御力850 自分 敵の攻撃を遮断するシールドを展開する 効果時間300秒 発動時間20秒 再使用600秒


【消費CHSC350】

 ・無属性魔法 マナシールドLv5 アクティブスキル 消費魔力130ポイント 防御力1000 自分 敵の攻撃を遮断するシールドを展開する 効果時間300秒 発動時間20秒 再使用600秒


【消費CHSC150】

 ・回復魔法 ヒーリング アクティブスキル 消費魔力3ポイント 生命力を30ポイント回復させる 単体 発動時間1.5秒 再使用15秒


【消費CHSC180】

 ・回復魔法 キュア アクティブスキル 消費魔力5ポイント 毒、病を治癒する 単体 発動時間2秒 再使用17秒


【消費CHSC420】

 ・回復魔法 ハイヒーリング アクティブスキル 消費魔力18ポイント 生命力を150ポイント回復させる 単体 発動時間10秒 再使用40秒


【消費CHSC500】

 ・回復魔法 ハイキュア アクティブスキル 消費魔力20ポイント 毒、病を治癒する 単体 発動時間12秒 再使用45秒


【消費CHSC1300】

 ・回復魔法 グレートヒーリング アクティブスキル 消費魔力55ポイント 生命力を500ポイント回復させる 単体・範囲 発動時間25秒 再使用90秒


【消費CHSC1500】

 ・回復魔法 グレートキュア アクティブスキル 消費魔力60ポイント 毒、病を治癒する 単体・範囲 発動時間28秒 再使用100秒


【消費CHSC3800】

 ・回復魔法 パーフェクトヒーリング アクティブスキル 消費魔力110ポイント 生命力を1000ポイント回復させる 欠損部位を再生させる 単体・範囲 発動時間50秒 再使用800秒


 

ご愛読ありがとうございます。

これからも本作品をよろしくお願いします。


また、『ブックマーク』と『いいね』をよろしくです。


気に入った! もっと読みたい! と思いましたら評価してください。

下の ☆☆☆☆☆ ⇒ ★★★★★ で評価できます。最小★1から最大★5です。

『★★★★★』ならやる気が出ます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ