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アサルト・ナンバーズ  作者: 緑川あすのてくすとまりおっと
4/4

閑話

お話の区切りごとに閑話を入れてみようと思います

 さかのぼると、リフトの中まで戻る。ちょうどフジミが僕らに致命的な選択を迫ったあとのことだった。

 彼女はもし僕らが素直に従えば家族に破格の報酬を約束する、と宣言し、リフトの中は沈黙に沈んだ。かくいう僕も例に漏れず、目を瞑って考えに浸っていた。

 最初こそ家族のことを考えていたものの、今の状況を考えているうちに意識はフジミへと向かって行った。小さな疑問点だったが、彼女は異様に察しがよかった。毎回僕が思ったことを先回りして話を進めたし、かといって話の段取りがとてつもなくしっかりしてると言うわけでもなかった気がするのだ。というのも最初部屋に入ったとき、席の割り振りにはたしかに7人がいた。なのにフジミは6人でも始めてしまった。これはきっとアサルト計画という計画に対する絶対の自信と、完璧な段取りのない状態でも問題なく行えるという自分の能力への自信があるのだろう。

 これらの材料を考えると、フジミは、人の心を読めるのではないだろうか。

 この考えはすぐに確証へと繋がったわけではない。なぜなら、まずあり得ないだろうということと、そして僕がこの考えに至ってしまった今、きっと彼女はしっているだろう、ということ。しかし、僕が薄目をあけ、彼女を見ても、彼女が気付いた様子がなかったというのが非常に大きかった。僕はその時点で、フジミにその能力はないだろうと決めつけてしまったのである。

 しかし、この考えはすぐに撤回せざる終えないことになる。

 まず、僕は部屋を見渡しなんとか連絡をとれる仲間を探そうとした。席の間隔はもともと上手い具合に離されていたし、フジミは席順通りに座らせたから、レイやショウに何かの合図を送るのは絶望的だった。しかし、万が一にでもの可能性に賭け、ちらちらと見渡していたのである。もちろんフジミは見ていないはずだったが、そこで不可解なことが起こった。いままでは、部屋の前方にいて動こうとしなかったフジミが巡回を開始したのである。とっさに顔を隠し、今何が起こったかを考えた。明らかにこっちの思考を読んできている。だが、すべての思考を読めるわけではない……?

 賭け、ではあるが、この仮説に基づいてなんとか騙す方法を考え始めたのだ。

 とはいっても、思考を読まれるというのと道具がなにもない、というのは絶望的な状況で、リフトの時間制限もある中、僕は非常に成功率の低い勝負に出る事にしたのだ。

 まず、フジミをつけあがらせた。とはいっても、ため息をついたり、様々な逡巡をしつつもまったくもって解決に至らない様子などを演じてみせただけであるが(ここでわかったことだが、彼女にとって読める読めない、というのは僕が目を瞑るか瞑らないかというところであるというのがわかった。おそらく思考の深さなどが関係しているのだろう)。そして、リフトを降りる時に最後の抵抗ということで何かをした、ということだけを強く考えた。なるべく彼女の印象に強く残るようにして。


 結果、彼女は俺の思い通りに動きありもしない細工を探しまわった結果、機械の誤作動を引き起こしたようだった。

 それが吉と出るか、凶と出るかは、転移次第ーーということだった。

 目を覚まし、異界に来たことを確認した僕はまだ目を覚ましていない仲間たちを起こしに行くのだった。

閑話は過去回想のような感じでかけていけたらなって……。

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