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無題

作者: 海水
掲載日:2019/12/18

吹雪く雪原を男が行く

一歩を踏みしめ

また一歩と

白の先を求め


火を噴く山を越え

死を呼ぶ川を渡り

贄の求む森を抜け

白が坐する平原へたどり着いた


男は無だった


中身を失い、虚ろな器を抱えたまま

雪原に足跡を残し

ただひたすらに前へと歩む


内なるものはどこにあるのか

求めるものは

道なき道の先にあるのか


見えない道しるべを探し

振り返る誘惑に耐え

男は歩く


連れだったものはとうに姿を消した

そうだったと思い出す間も惜しみ

男は足を運ぶ


幾度かの嵐が行く手を阻んだが

男の足は止まらなかった

ただただ前を向き

渇望を満たす解を求めた


目の前には

割れる音をたて渦を巻く雪


あれを超えれば見つかるだろうか

男は深く首を垂れ

静かに目を閉じた


求道者の姿はそこへ消えた

その痕跡たる足跡だけがあった


往ける者よ

往けたる者よ

汝らの頭上に幸あらんことを

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― 新着の感想 ―
[良い点] 言葉の一つ一つがとても力強くて、一見骨太で素朴な印象なんですけど、その実計算され尽くしたセンスがあるように思いました。 すごく綺麗な収まり方をしていますね。 作品をご存知かはわからないの…
[一言] なぜ探検家たちは人が立ち入らない場所に自ら身を投じたのかわかる詩ですね。 それで多くの人が亡くなっていますが、それでも人は歩き続けるのでしょう。 フロンティア精神を忘れてはいけませんね。
2019/12/24 11:27 退会済み
管理
[良い点]  とても力強い詩だと思いました。目の前に山があるから登るという感じの探求心に溢れる詩だと感じました。 [一言]  幸あらんことを……素敵な終わり方だと思います。
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