第2話 大都市ナトル
皆さんこんばんはぺぺです。
さっそく第2話書いてみましたw
描きたいことが多すぎてどう繋げようか迷ってます。
今回も誤字脱字がありましたら教えてください。
コメント貰えると嬉しいです!!!
たくさんの人々が行き交う都市ナトル。
ここは世界の中心にある。
そんな都市ナトルは他の都市より大きさダンジョンの難しさなど他とは比べ物にならない。
「おい、お前ここでなにしてる」
ビシッと決めた制服に腰にショートソードを付けている青年が目の前にいる覆面の者に声をかける。
「俺に関わるな。」
声からして男性のものである覆面の者が細い路地裏に歩いていこうとする。
「そういう訳にはいかない。ここ最近冒険者暗殺が多いからな。少し付いてきてもらう。」
青年が覆面の者を連れていこうとすると、
「断る。俺にはやらなければならないことがある。」
そういうと覆面の者は小さい声で
「ファーストギア。ステルス」
覆面の者がギアを発動させると、姿が消えていく。
「あ!おい!まて!くそ··逃がしたか。これは上に報告するか。」
青年が歩いていくのを見送った覆面の者は覆面を取る。
「ふぅ···危なかったな。まだバレる訳にはいかないんでね。」
そういうと覆面の··いや、黒の長髪の女性がまた小声で唱える
「セカンドギア。ボイスチェンジ」
謎の女性が何かを企んでいるその頃。
--------------------
「ネル!私のスライムゼリー食べたでしょ!」
物凄い勢いでネルに飛びつくリア。
「た、食べてないですよ!昨日リア様が寝ぼけて食べたんでしょ!」
と必死に抵抗するネル。
「ぐぬぬ···認めない気だなぁ?こうしてやる!」
リアが目にも止まらぬ速度でネルの背後に回ると
「え?はやっ!·····っあははははは!」
リアはネルに対してくすぐり攻撃を繰り出したのだ。
「リア様!あはは!やめてください!」
ネルがなんとかリアのくすぐり攻撃から逃げると
「ダンジョン行ってきまぁぁぁぁす!!!」
ネルは物凄い勢いでギルドハウスを出ていく。
「全くもぉ···。私のスライムゼリー···。グスン」
リアはやや半泣きになり二度寝の体勢に入る。
「危なかったぁ···。なんとかリア様から逃げれた。帰りにスライムゼリー買っていかないとまたくすぐり攻撃されそうだなぁ···。」
ネルはリアのくすぐり攻撃をなんとか回避する方法を考えながらダンジョンに向かう。
「この前みたいな失敗しないようにしないと···。」
ネルはオークに襲われた事を思い出しながら気を引き締めダンジョンに入っていく。
「今日はゴブリン20体にしようかなぁ。それともオークの動きを観察するか···。」
ネルが今日のノルマを考えていると
「ギャギャ!!!」
ゴブリン2体がネルの姿を見つけると襲ってきた。
「ん!?」
ネルがゴブリンの奇襲に気づくとギアを唱える。
「ファーストギア。ブースト!」
左から飛びかかってきたゴブリンの心臓目掛けて一瞬で距離を詰め右手の短刀で心臓を突き刺すとそのまま壁に突撃する。
「ギャァァ!!」
ゴブリンが魔石に変わるのと同時にネルは後ろを振り返りもう一体のゴブリンに目がけて短刀を投げてゴブリンに向かって走る。
「ファーストギア。ブースト!!」
投げた短刀に追いつき短刀を右手で掴み勢いを利用してゴブリンの喉元に短刀を突き立てる。
「ギャ··」
ゴブリンは悲鳴を上げるまでもなく魔石に変わる。
「ふぅ···。少しずつギアにも慣れてきたな。」
ネルがオークに襲われてから2週間が経ってその間にネルなりにどうやったら強くなるか考えながらゴブリンを倒していた。
「ギアのクールダウンの時間は7秒か。レベルとか上がったらクールダウンとかもっと短くなるのかな···。帰ったらリア様に聞いてみよ。」
ネルがギアについて考えていると、またゴブリンが声を上げて襲ってきた。
「とりあえず今日のノルマ達成しなきゃね。ブースト!」
そういうとネルがギアを唱えてゴブリンを倒していく。
「ネル大丈夫かなぁ···。」
ギルドハウスで二度寝から目を覚まし書類をまとめているリアがネルの事を心配する。
「あの日からネルが強くなるって言ってからボロボロで帰ってくるし心配だなぁ···。」
チリンチリン
ギルドの入口が開く音がする。
「おぉーアリアだー!どうしたのー?」
入口から入ってきたアリアと呼ばれる人物はリアの友達でありギルドマスターでもある。
「いや、少し仕事も片付いたし親友のリアに会いに行こうかと思ってね。お邪魔だったかな?」
アリアが少し寂しそうにリアを見つめながら聞く
「そんなことないよ!この前貰った回復薬も凄く助かったしありがとうねアリア」
リアが書類を一旦机の上で軽くまとめアリアの方に向かう。
「お互いに弱小ギルド同士恩を売っておくと良いと思ってね。助かったならよかったよ。」
アリアが冗談ぽくリアに言葉を返すと
「あ、そういえばアリアの所の冒険者はどんな子なの?」
「そうだね···。エルフの子なんだけど攻撃が得意じゃないからダンジョンにはまだ1回しか行ってないんだ。」
アリアが少し残念そうに答えると
「なるほどね。なら私のネルと一緒にパーティーとか組んだらどう?」
「私のネルか···リアはその子の事がお気に入りなんだね。でも今はあの子に回復薬の作り方とか勉強させてるからまだパーティーは遠慮しとくよ。」
アリアが丁寧に断ると
「そっかぁ··。なら仕方ないね!」
リアが答えると
「そろそろギルドハウスに戻らなければいけないな。ではリアお話付き合ってくれてありがとう。また回復薬出来たら持ってくる。」
そういうとアリアはギルドハウスを出ていく
「(私のネルか···。リアがそんなこと言うって事は余程いい子なんだろうね。)」
アリアは少し微笑みながら自分のギルドハウスに向かって歩いていく。
「ギャァァァ!!」
ゴブリンの悲鳴が鳴り響くダンジョンではネルが20体目のゴブリンを倒し終えたとこだった。
「これで20か。さすがに疲れた···。」
ネルは自分の手を不安そうに見つめて
「少しは成長してるかな···。頑張って強くならないと。」
ネルは不安なりかけてた気持ちをふるい落として前を向く
「まだやれるかな。もっと強くなりたい。」
そう呟くと1階層下に降りる。
「ここならゴブリン以外にもピクシーとかいるし練習になるかな。」
ゴブリンを倒すことに少し慣れ他の新しいモンスターを探すためダンジョン内を歩くネル
すると目の前に小さく羽の生えた妖精らしき影が見える。
「ん?あれがピクシーかな。とりあえず静かに近寄るか。」
ネルは謎の影にバレないように近ずいて行く。
この世界のモンスターは基本的に階層を降りることによって種類も増えるし、使ってくる技や魔法なども増える。
なので降りる際には下の階層の情報を先に手に入れてから攻略していくのが基本だ。
だがネルにはそれを教えてくれる人もいなければ自分でも考えない。
ネルの性格上真っ直ぐ進むことしか考えていないため情報とかそういうものに弱いのだ。
だからよくリアには怒られるしギアにすらブーストという真っ直ぐなギアが発現してしまう。
ギアはその人の性格に依存する所が多いため最初に発現したファーストギア、そのギアを元にセカンド、サードと派生することが多い。
なので狡賢い性格の人などは騙す系のギアを発現することが多い。
「あと少しだ。」
ネルは手に持っている2振りの短刀を握り締めギアを唱えようとした時
「ギャギャ!!!」
ネルの背後から出てきたゴブリンに奇襲を食らってしまう。
「ゴブリン!?いつの間に!くそっ!」
ネルはゴブリンを迎え撃とうとギアを唱えようと身を構える。
「ピギィィィィ!!」
なんと先程謎の影はやはりピクシーでゴブリンの声でネルがいることが分かり呪文を唱えてきた。
「ピギピギィィ!」
ピクシーが呪文を唱えるとネルの元に小さな火の玉が飛んでくる。
「!?やばい!ピクシーにも気づかれた!」
ネルは避けようと横に転がるとピクシーの方を向きギアを唱えようとすると
「痛っ··!」
ドンッ!と音と共に背中に鈍い痛みが広がる。
「グッ···!ゴブリンか!どっちからやればいいんだ!」
ネルが頭の中で考えを巡らせていると
「ギャギャ!」「ピギピギィィ!」
2体とも同時に襲いかかってくる。
「くそ。こうなったらやるしかない。」
ネルがピクシーに左手の短刀を投げゴブリンに右手の短刀を向け
「ブースト!」
ギアを唱えゴブリンに一直線に向かいゴブリンの心臓に突き刺さる。
「ギャァァァ!!!」
ゴブリンが魔石になると後ろを振り向きピクシーの方を見る。
すると先程投げた短刀がピクシーの額に突き刺さっており魔石に変わった。
「ふぅ···。危なかった。魔石回収して帰ろ。」
ネルは背中の痛みに耐えながら魔石を回収しダンジョンを出た。
「まずは換金所行くか···。」
ネルはいつも行っている換金所に向かいお店の中に入る。
受け付けを済ましてお店の人に声をかける
「すいません換金お願いします。」
ネルは回収した魔石をお店の人に渡す。
「はいよ。2000ゴルだ。」
「ありがとうございますか。」
ネルはお店の人に頭を下げ店の外に出る。
「(2000ゴルかいつもの倍以上入ったな。やっぱり1階層降りるだけでもこんなに違うのか。)」
いつもより多く手に入ったお金に喜びを隠せないネル。
このままギルドハウスに戻ろうと考えたが
「さすがに回復薬買っていこうかな。」
ネルは背中の痛みが限界だと感じ道具屋を探す。
「あ。ここだ。道具屋ライオ···?」
看板の文字を読みながらお店に入っていく。
「お。いらっしゃい!なんだ?ガキか。」
そういうと髭面の男はネルに対して残念そうな顔をする。
「?すいません回復薬ください。」
ネルはなぜ残念そうにされたか分からなかったが髭面の男に声をかけた
「回復薬?お前冒険者なのか?ガキなのに?それとも親のお使いか?」
髭面の男がネルに対してやや食い気味に質問する。
「僕が冒険者です。両親はいません。回復薬1つください。」
ネルが痛いのを我慢しつつ回復薬を催促すると
「おお、すまんすまん。回復薬1つだな?ほら10ゴルだ。」
回復薬をネルに出すと、回復薬を受け取り10ゴルを髭面の男に渡す。
ネルは急いで回復薬をその場で飲み一息つくと
「あの、先程はなぜおじさんは残念そうな顔をしたんですか?」
先程の事を少し気にしていたネルは髭面の男に質問をする。
「おい。俺はおじさんじゃない。お兄さんだ。それにライオって名前もあるぞ。」
「あ、すいません。ライオさん。」
「まぁいい。さっきの事だがはっきり言うと冒険者のお客様が欲しいんだよ。普通のお客様だとあまり儲けがないんだ。でも冒険者だと回復薬やら色々な道具を買っていくから儲けが良いんだよ。それで坊主を見た時に冒険者じゃないのかってガッカリしちまったわけよ。」
ライオが笑いながら話してくれるとネルはすかさず
「僕は坊主じゃない。ネルって名前があるんだ。」
「おぉすまんすまん。また来てくれよなネル!」
ライオがネルに笑顔で手を振り見送ると、ネルは
「(いい人だったな。今度からここに買いに来よう。)」
そう思いながらギルドハウスに帰る。
日も落ち当たりが薄暗くなる頃にネルはギルドハウスに着く。
「リア様怒ってるかなぁ···。遅くなっちゃったし···。」
ネルが勇気を振り絞ってギルドハウスのドアを開けると
「ネルーーー!!!!!」
物凄い形相と速度でネルに飛びつき泣き出すリア。
「リア様どうしたんですか!?」
「どうしたんですかじゃないよ!私は心配だったんだ!ネルが強くなるって頑張ってるけど無理しないか。私はネルが居なくなるのは嫌だよ。」
そう言いながらリアは思ってることをネルに伝える。
「ごめんなさいリア様。でも大丈夫です。リア様を1人にしません。約束します。」
ネルが優しくリアの頭を撫でると
「わかった。信じてるよネル。よしご飯にしよっか!!」
たちまち元気になったリアを見ながらネルは笑顔で「はい!」と返事をした。
「ネルご飯食べ終わったら久々にステータス更新しようね。」
リアが食器を片付けようとしながらネルに声をかける。
「分かりました。あ、その前にリア様に渡したいものがあります。」
そういうとネルは冷蔵庫の方に行きあるものを取り出してきた
「ネルなんだい?私はお腹いっぱ···い··。ネル!!君はなんていい子なんだ!!愛してるぞ!!」
リア様はある物を見た途端急激にテンションが上がる。
「リア様がスライムゼリー食べたがってたので帰りに買ってきました。よかったらどうぞ。」
ネルはリアにスライムゼリーを渡した。
このスライムゼリーはライオのお店を出て向かい側にあるスイーツ屋さんでネルが見つけたものである。
値段はなんと30ゴル!!回復薬3つ分の値段だ。
リアが美味しそうにスライムゼリーを食べているのを横目にネルは食器を片付け全て洗いステータス更新の準備をしていた。
「美味しかったよネル。ありがとうね?」
リアはネルにお礼を言いながらステータス更新に取り掛かる。
「·····っ!?ネル結構無茶したでしょ。」
ステータス更新を終えて紙をネルに渡しながらリアは呟く。
「·····はい。強くなりたくて。ごめんなさいリア様。」
ネルはリアに申し訳なさそうに顔を伏せ紙を受け取り内容を見た。
「え。リア様これ間違ってないですよね?合ってますよね?」
ネルがリアに嬉しそうに聞く。
「私が間違えるとでも?」
リアはあまり面白くなさそうに答える。
「こんなにステータスって上がるもんなんですね!!あはは!」
ネルはとても喜びながら歯を磨きに行く。
リアはそんなネルの背中を見ながら
「いつかネルが遠くに行ってしまいそうで私は怖いよ。どこにも行かないでね。」
リアはネルに聞こえないように呟く。
「リア様ー!!歯磨きしないんですか?」
「今行くよー!」
そう言いながらリアは先程の考えを振り落とし笑顔でネルの問いに答える。
冒険者
ネル
・ステータス
レベル 1
力 E
体力 D
速さ C
魔力 E
総合 D
・ギア
ファーストギア ブースト
・魔法 なし
今回は前回より長めに書いてみました!
ネルとリアは書いていて会話が続き過ぎないようにするのが大変ですw
投稿頻度は2日に1話くらいになるかもです!
最後まで読んでいただきありがとうございます!