ギャンブルの借金から逃走
帰りの車の中ではとにかく大泣きしていた。
それでも子供たちの事は忘れてなかった。
早く帰かえらないと。
少しだけのはずが、3時間もいたことに気が付いた。
あんな所に3時間だ。
あんまり話をしていないし、
少しの時間しかあそこには、いなかったのになって。
帰宅すると時間はPM7:00だった。
家に帰ると子供たちがすぐに私を出迎えてくれた。
「おかえり」
そう子供たちが私に言った事で色んな事が吹っ切れた。
はっと子供でまた色んな事がわかった。
子育てをしないといけない。
心の中で言ったつもりがどうやら口に出して言ってたみたい。
「ママは子育てしてるよ。母さんは子育てしてるやん。」
そう子供たちから返事がきた。
また私はハッとして、
ぐちゃぐちゃになった顔をばれないように帰ってきたのに、
子供の声をきいたら、また何かが切れたように泣いていた。
帰りが遅くなってごめんなさい。
お風呂に入ろうって、
明日もあるからお風呂に入って寝る準備しちゃうぞ( `ー´)ノ
っていって何にもなかったように、
さっきまでの事は何にもなかったように、
お風呂に入って家事をして、
いつもの毎日の生活の事をして子供たちを寝かしつけた。
私には子供たちがいてくれる。
弱っている時間なんてないな。
全ての家事が終わって、ふと時計を見るとPM10:00だった。
子供たちの前では不安な顔をしていけないし、
母として頑張らなければならないそう思って、
この時間を迎えたけど、
またプツっと糸が切れて台所で座り込んだ。
何分、何時間、
いいやどれくらいの時間を台所でいたかは今はわからないけど、
そうやって座っている間に夫がかえってきた。
今日はもう一度、頑張らないといけない。
これが今日は最後の戦だな。
ガチャ、
玄関のドアが開く音がした。
私は台所から駆け出していた。
靴を脱いでいるところに私はすぐに駆け寄った。
「聞きたい事があります。」
小さい声だったけど、私は夫にいいました。
そうすると力一杯に玄関においてある木製の下駄箱を思いっ切り叩いて夫がいいました。
お前の名前で100万円の借金もしているし、
社長にお金を借りる事が出来ないと借金取りがこの家にやってくる。
ただただ黙って俺のいう通りにして社長から金を借りて返すんだ。
分かったなっと言ってまた、
彼は木製の下駄箱を思いっきりたたいた。
彼が玄関で私に放った言葉は私の心臓を杭でさした。
けれども今回ばかりはここで引く事はできない。
杭が刺さったまま私は彼にもう一度聞いた。
もう殴れれてもいいから聞きたい事があった。
社長さんがいっていた借金は全部がギャンブルに使ったお金なのですか。
借金の中にギャンブル以外のお金は含まれてはいないのですか。
そう聞くと彼は言いました。
「何度も言わせるな、全部がパチンコだ。」
「だから自己破産ができないんだ。」
1円たりともギャンブルだけの借金なんですね。
私との約束を破って借金をしてギャンブルに狂ったのですね。
「だからそうだって言ってるだろ。」
そういって彼は私を突き飛ばした。
強く押されて私は吹き飛んで転んだけれどもすぐに立ち上がった。
そうしていいました。
「離婚してください。」
そういうと彼はまた下駄箱をたたいていいました。
離婚届は兄貴に書いてもらって出しておいてくれ、
この家は早く出ないと借金取りがくるからでてくれ。
そういって、また靴を履いて彼はでていきました。
あまりの怖さに全身に震えが走る。
それでも
ぼーっとしてはいられない。
私はすぐに社長さんに電話しました。
「夜遅くに申し訳ございませんが、今から伺います。先ほどのお返事をしにいきますので少しでいいので会っていただけないでしょうか。」
そういうと社長さんはすぐに来てください
って返事が来たので私はもう一度社長さんの家に行くことにしました。
話す内容は決まっていました。
これからの話し合いになるかどうかはわからないけど、
社長さんにお話ししないと。
社長さんの家に着くと玄関先で今度は深々とお辞儀をして話し始めました。
何度も部屋にあがってくださいと言われたのですが、
もう玄関先で話させていただく事にしました。
先方に申し訳ない気持ちと彼がしていた恥ずかしい行為、
それに対して私は何もできない事。
恥ずかしくてお部屋に入らせていただく事も、
いいえそんな資格もないようなきがしたから。
結論から申し上げます。
私は彼と一緒になって彼のギャンブルの借金を返す事は出来ません。
彼とは離婚することにしました。
私には彼の行動を改心させる事もこれからの人生を共にする事もできないです。
社長さんも何度も彼を助けていただいたように、
私も彼の借り入れは一緒になって返済した事もありますが、
私には彼の生き方を変える事はできませんでした。
結果、私は彼から逃げる事にしますので、
どうぞ借金は彼から取り立ててください。
彼の借金の事は彼と話をしてください。
私は自分と子供を守るのが精一杯です。
どうぞこの件から解き放ってください。
一緒になってお金をかえす事ができなくてごめんなさい。
そう深々と立ったまま頭をさげました。
どんな返事が返ってくるんだろう。
ドキドキして胸がドキドキして少し眩暈がおきた時だった。
静かに社長さんが話し出した。
僕も、彼がどんな人間かはだいぶわかってきていたよ。
それでも彼を僕はもう一度だけ、3回目だけど助けてみようと思う。
できたら奥さんと一緒になって彼を助けたいと思ったけれども、
無理なようだね。
君と同じ歳の子供がいる僕もいろいろ悩んだ結果だったけど、
その結論に君は決めたんだね。
離婚して1人で子供を育てるのは大変だよ。
あー
それでも僕が君の立場なら僕も同じ結論を出したかもしれないな。
もう、離婚するなら会うことがないから今いっておくけど、
借金は彼から払ってもらう事にする。
借金が原因で、ギャンブルが原因の借金する彼だから、
もしかしたらこれからの養育費は望めないかもしれないな。
君は相当に男運がわるいから、気をつけなさい。
きちんと話に来てくれてありがとう。
もう君たちにはかかわらないから安心して。
そういわれて、
私はもう一度、頭を大きく下げてその場を後にした。




