夫の単身赴任
どこまでも自分勝手な夫とわかっていても夫だからすてるわけにもいかない。
結婚とは考えれば考えるほどに厳しい試練である。
仕事をこなし、
育児をこなし、
夫の身の回りの生活を睡眠時間を削ってこなす生活も何とか慣れてきた。
人間てやればできる。
人間て必死にやればできる。
そう自分に言い聞かせて今の生活を守っていた。
始めはなれない生活でばらつきがあった生活にもリズムができてきた。
リズムは私に規則正しい生活を与えてくれるだけではない。
私に安心な生活をも与えてくれる。
朝は4時に起きる。
夜明け前に起きるとまだ夜なのかと思う。
季節は秋になっていて、
早朝はとても寒くてもうすでに布団から出にくくて。
顔を洗って服を着替えると玄関の掃除をする。
ドアを開けてかるく掃除すると、
新聞屋さんが新聞を届けにくる。
話をかわしたことはないが、
新聞屋さんよりも早い自分がなんだかおかしな気持ちになる。
朝は子供たちが起きるまではなるべく、
子供たちに関係のない家事をしてしまう。
おきたときに彼られのお世話をしたいから。
1日の時間はいつも同じはずなのに、
朝の時間だけは一時間がもっと短く感じる。
やらなければならない事をやって
今日を迎える。
もちろん夫のお世話にも気を抜かない。
ここもしくじると今日の生活や明日からの生活に影響がでる。
夜は11時に眠る生活が3か月を過ぎたころに
私の生活はまた変化を起こそうとしていた。
夫の単身赴任が決まった。
来週から担任赴任する夫はなんだかとても機嫌がよさそうだった。
今度の単身赴任は1年。
家族で
「いってらっしゃい」
と見送る。
初めての単身赴任ではないけれど、
なんだかこれもまた事件がついてくるような気がしてならなかった。
必ず毎月は仕送りをするとは言ってくれた夫だけれども、
不安しかなかった。
違う国の人間の世界で産まれた夫が私たちを大切にするなんて事ができるのか。
家族がいても大切にする事ができない夫。
夫を見送りながら、
私は違う理由でないてしまった。
単身赴任が悲しいのではなくて、
これから始まる裏切りに耐える恐怖にないていた。
なぜ私が泣いているなんて相手はわからないけれど、
わかってほしくて、
けれども説明なんてできなくて、
彼女がいても、
お金を入れなくても、
理不尽に殴られても、
家族を愛することができなくなっても、
それでも私はこのまま我慢して子供を育てなくてはいけない。
そんな道を選んだ自分をただただ今はおもうばかり。
今は自分の生活を軌道に乗せよう。
生きる事に一生懸命になろう。




