夜の終わりはお前と徳利と
ベラベラと
オチのない話はしない
らしくねぇし
愚痴を垂れ流す趣味はない
騒がしい一日の終わりは
粋に静かに過ごしたい
たとえば
そのこめかみの後れ毛を見ながら
その伏せられた睫毛を見ながら
お前の酌を受け止める そんな夜
化粧気のない
軽く閉ざされた唇
一見は
表情なく冷めたよに見えて
酒を注ぐ徳利の音と
奏でる指は優しくて
香る色香に掻き乱されながら
年甲斐もなく見とれたその後に
優しく笑う瞳と出会う そんな夜
騒がしい一日の終わりは
粋に静かに過ごしたい