表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
二日目
96/243

ep.096 腕組んでもらえまっか?

大阪ミナミのマルイ前で、皐月が情報屋の徳さんを待っている。

いつものジャージに黒縁メガネの野暮ったい皐月ではなく、洗練された大人の女としての皐月であった。

「久しぶりにこんなのを着ると、女を意識出来るわね」

皐月はウィンドウに写った自身を見て、何気にポーズを取ってみる。

プライベート・レーベルの春物の深いピンクのワンピースは、先日、睦月に誕生日プレゼントに買ってもらった服なのだ。

実際、スタイルもかなりいい皐月なので、服も()える。

《んー、いい感じでセクシーだわ。早くウチのお嬢さまも高校卒業しないかしら・・・。そしたら、制服着なくっていいんだけど。いくらヴィヴィアン・ウエストウッド製で可愛いとはいえ、さすがに23才で制服を着るのは辛いわ・・・》

そんな皐月に、後ろから野太い声が掛かった。

「ねーちゃん、そんなに色気振り撒いてどーすんねん」

皐月がキッと振り返ると、どこにでもいそうなサラリーマン然とした顔をにやけさせたスーツ姿の男が立っていた。

歳の頃は40半ばといったところか。

「俺、待ってたんやろ?とりあえず、ホテル行こうや」

「はぁ?」

皐月が、何このオヤジ?と睨むと、中年の男が近付き、小声で囁く。

「すいません、皐月さんですね?徳野です。皐月さんは大丈夫なんですが、私、色々ヤバい橋渡ってるんで目立ちたくないんですわ。とりあえず、信用出来るホテルありますんで、情報はそちらで・・・。そこの信号渡ったら、腕組んでもらえまっか?客と店のオンナの振りしたいんで・・・」

皐月は少し驚き、コクンと頷く。


皐月と徳野は、御堂筋の反対側に渡る。

皐月は妖艶に笑い、徳野の左腕を組み歩きだす。

「こうすればいいの?徳さん?」

皐月のDcupある胸が当たり、徳野は少し照れ、

「すいまへん。皐月さん、私、嘘付いてました」

「?、どういうこと?」

「腕組まなくても、カップルに見えます。一度、皐月さんみたいな綺麗なねーちゃんと腕組んでみたかったんですわ・・・」

皐月はふふっと笑うと、軽くウィンクし、

「徳さんは、素直ね。いいわ、特別にホテルまで腕組んだげるわ。その代わりサービスしてね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ